平成21年度第44回全国木材産業振興大会

平成21年10月23日

ご挨拶

大会会長

社団法人 全国木材組合連合会

会長 並木瑛夫

全国木材産業振興大会の開催にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

本日ここに、第44回全国木材産業振興大会を、関係者のご尽力によりこのように盛大に開催できますことは、大きな喜びであり我々の誇りとするところであります。また、ご多忙のなか、農林水産大臣、国土交通大臣はじめ、多くのご来賓のご臨席をいただいたことに対し、厚く御礼申し上げますとともに、全国各地から参集いただいた多数の会員、友好団体の皆様には、心から感謝申し上げます。

この振興大会は、全国の木材産業関係者が会して木材の利用促進、木材業界の情勢・役割、そして振興方策・展望などについて確認し合い、それらを関係機関、多くの方々に広く訴えていこうとするものであります。本年は、木材の大消費地である、ここ首都・東京での開催となりました。大会スローガンは「新たな木材への挑戦で木材産業の創造的再興」であります。

昨年の第43回熊本大会以降、経済社会は世界的な経済・金融危機に見舞われて景気悪化を続けた激動の一年間でありました。このところ一部において景気持ち直しの動きも伝えられますが、未だ出口が見えないというのが実態と思われます。木材産業につきましては、住宅着工戸数がかつてない低水準で推移し、これに伴う木材需要の大幅減少により地域経済の一翼を担う木材業界の事業活動は停滞し続け深刻度を増している状況にあります。国におかれましては、景気対策等に一層の力を入れていただくよう、祈るような思いで強く要請する次第であります。

さて、木材産業は、低炭素化社会の実現に大きく貢献する木材の利用推進や地域経済の振興、そして「木の文化」の伝承・発展に重要な役割を果たしています。業界が、このような重要な使命・役割を十全に果たしていくには、活力ある業界の維持発展が必要です。このことを関係機関、多くの人々にきちんと理解していただきながら、業界自身として「木材産業の再興」への新たな事業展開ステージに向けて様々な取組みを進めていくことが必要であります。「木材産業の再興」と申しましても需要の大幅冷込みの中で課題は少なくありません。木材利用につきましては、住宅着工戸数が人口・世帯数の推移等からかつてのような着工戸数への回復は期待し難いといわれている中で、木材の健康や環境によいとの普及をしっかりと広めていくことはもとより、「木のまち・木のいえ推進」や「長期優良住宅推進」など住生活空間、事業活動・エネルギー等多くの分野において「木」「木質資源」の利用促進・需要掘起しのため限りない挑戦が必要です。その際、木材・建築そして消費者との連携・協同に木材業界が積極的に参画していくことが大切です。併せて、木材マーケットの確保にきちんと対応できる業態・製品供給体制を整えていくこと、特に品質・性能の明確なJAS製品、乾燥材の安定供給体制整備は焦眉の急の課題です。全木連といたしましても、このような課題解決に全力を挙げて取り組んでいく考えであります。

本年の12月には気候変動枠組条約締約国会合 COP15がポスト京都議定書の決定を巡って開催されることになっています。これに向けてわが国政府は温室効果化ガス排出の 90 年度比25%削減を目指していくことを世界に表明しています。炭素吸収・固定源の役割を果たす森林整備、木材利用はこれまで以上に評価・位置づけられて政策に反映されていくことを強く期待するものであります。これらに関連した排出量取引や環境貢献の「見える化」取組み制度などへの木材業界の事業活動としての参画、そして合法木材の普及・供給促進などに積極的に対応していくことが重要となってきています。

木材産業は、このような諸課題にきちんと対処して業界体質改善に果敢に取組んでいくことにより、木材産業の再興の展望が切り拓かれるものと確信いたす次第であります。このようなことを進めていくには、ご列席の関係行政機関、関係団体の皆様のお力添えが必要であります。これまでにも増してご指導、ご支援の程を切にお願い申し上げるとともに、全木連といたしても皆様方と力を合わせて数々の取組みに全力を尽くして参る所存であります。

最後に、本日、栄えある表彰を受賞される方々には、長年にわたるご精進とご労苦に対し深甚なる敬意を表しますとともに、心からのお祝いを申し上げます。

また、本大会の開催に当たりご支援、ご協力いただいた東京都木材団体連合会、東京木材問屋協同組合他、関係者の皆様方に改めて厚く御礼申し上げ、私の挨拶といたします。

平成21年10月23日

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