農林水産大臣祝辞

本日、第44回全国木材産業振興大会が盛大に開催されますことを、お慶び申し上げます。

はじめに、本日御列席の皆様方におかれましては、日頃より林業・木材産業行政の推進に特段の御理解と御協力を頂いていることに対し、厚く御礼申し上げます。

また、木材産業の発展に多大なる御功績が認められ、本日、栄えある表彰を受けられます方々に敬意を表しますとともに、心よりお祝いを申し上げます。

我が国の国土の3分の2を占める森林は、地球温暖化の防止をはじめ、国土の保全、水源のかん養など多面的な機能を有し、「緑の社会資本」として広く国民に恩恵をもたらしております。このような多面的な機能を持つ森林を将来にわたり適切に整備・保全していくためには、国産材の利用を拡大し、その利益を森林所有者や山村に還元していくことが重要です。

先般、国連気候変動首脳会合において、鳩山総理が、2020年までに我が国の温室効果ガスを25パーセント削減することを目指すと表明されました。木材は適切な森林管理により再生産が可能な資源であり、住宅や建築物として利用され続ける間も「第二の森林」として炭素をストックし続けます。また、鉄やコンクリートなど他の資材に比べ、製造・加工時の炭素放出量が極めて低い、地球環境にやさしい省エネ資材であるため、木材の利用を拡大していくことは、地球温暖化防止にも大きく貢献するものといえます。

このような低炭素社会の実現に向けた動きとも相まって、国産材需要の高まりが見られるなど、木材の需給を巡る状況は内外ともに大きく変化してきおります。農林水産省としては、この機会を逃さず、木材自給率の向上に向け、確かな品質・性能の木材製品の安定供給体制の構築や、住宅分野等における地域材の利用拡大を通じ、森林の整備を推進するとともに、地域経済の発展、雇用の確保にも努めて参りたいと考えております。

全国で活躍されている林業・木材産業関係の皆様におかれましては、品質・性能に優れ、健康・環境に配慮した木材製品の安定的な提供と、木材産業の地域の核となる産業への発展に向けて、引き続き国産材をはじめとする木材の需要拡大と木材産業の構造改革に積極的に取り組まれることを強く期待する次第であります。

最後になりましたが、本日御列席の皆様方の益々の御発展、御健勝を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。

平成21年10月23日

農林水産大臣 赤松広隆

(林野庁長官 島田 泰助 代読)

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