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日本の森林を育てる紙を使用した封筒の見本配布及び愛称募集について

   

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<参考資料>

日本の森林を育てる紙について

1.背景

 日本は毎年1億m3程度の木材を消費していますが、木材自給率は年々低下し、近年では8割以上を輸入に頼っています。世界的には平成2年からの5年間で日本の国土の1.5倍に当たる5,635万haの森林が減少している中で、日本の森林資源は毎年9千万m3ずつ蓄積(立木の体積)が増加するなど量的には充実しつつあります。しかし、国産材の販売量は減少を続け、管理の不十分な森林の増加が危惧されています。このため、間伐材など国産の木材を適切に利用し、収益を森林に再投資することが一層重要になってきています。

 一方で、環境にやさしい物品を購入する、グリーン購入に関心を持つ企業や消費者が増加しつつあります。グリーン購入の中でも、再生紙の利用など紙についての取組は比較的進んでいる分野です。しかし、紙の原料となるパルプ・チップ用の木材及びパルプ(木材換算)は、年間の使用量約4千万m3の9割近くを輸入に頼っています。
 こうしたことから、間伐材など国産の木材を原料とした紙を「日本の森林を育てる紙」と位置付け、その購入を通じて、一般市民や企業が日常の活動の中で森林の育成に参加できる仕組みを創ろうとする試みを開始しました。

2.経緯

 今回の封筒作成は、「緑と水の森林基金」の助成を受け、木材利用推進中央協議会が「日本の森林を育てる紙についての勉強会」を運営し、間伐材からのパルプ製造を南信パルプ梶A製紙工程を東海パルプ梶A封筒加工・印刷を且R櫻及び潟Cムラ封筒が担当しました。

 

(参考)

日本の森林を守る紙についての勉強会の概要

1.目的

 一般市民や企業が、間伐材や製材端材などの国産の木材を原料とした紙の購入を通じて、森林の公益的機能の維持・確保に参加するシステムを構築する。

2.出席者

全国木材組合連合会 後藤副会長、齋藤常務理事
全国森林組合連合会 近藤系統事業部長
日本製紙連合会 渡邊副理事長、渡辺林材部担当部長
全国木材チップ工業連合会 原田専務理事
FoE Japan 岡崎代表理事
A SEED JAPAN 青木理事、森林チーム小川氏、永瀬氏、秋田氏
特定非営利活動法人レインボー 岡本事務局長
コクヨ株式会社 官需営業本部 石松営業開発部長、小西企画グループリーダー
東海パルプ株式会社 洋紙営業本部 渡部印刷用紙部長
南信パルプ株式会社 吉澤社長
長野県林業振興課 西岡技術専門員
林野庁 木材課山田課長、川戸補佐、草深係長、整備課佐々木補佐、金口専門官、業務課田川監査官
木材利用推進中央協議会 廣谷専務理事、福丸総務課長、渡邉職員
(注)勉強会参加者は、個人の知見に基づき自由に意見を述べる。

3.経緯

(1)第一回勉強会(平成14年3月29日開催)での主な意見

  • ケナフは10%混ぜれば表示しているので、間伐材についても同様の考え方で製品が差別化できないか検討してみてはどうか。
  • 企業はユーザーの要望に敏感なので、大手のユーザーに受け入れられるようなブランド化、差別化を検討していく必要がある。

(2)第二回勉強会(平成14年5月7日)での主な意見

  • 古紙利用は、一般的に環境にやさしいと認識されているため、配合を否定する必要はない。
  • 間伐材マ−クの普及という効果も期待できるので、マークを使用できる製品とすることが効果的。
  • 最初は一般の人にどれだけ目に触れるかが重要。基準は低いが知名度を上げるというケナフの戦略は成功している。
  • 現状でも国産材や間伐材が使用されており、使用割合を表示するだけでも効果がある。その中で特に割合の高いものにマークを付けるという考え方もある。
  • 現在の間伐材マークの認定基準は、机などの木製品を想定して定めた。紙については、新しい基準を間伐材マーク認定委員会に提案することも考えられる。

(3)第三回勉強会(平成14年7月19日)での主な意見

  • 間伐材あるいは国産材を使った紙製品として差別化し、高くても使ってもらえる製品を目指すべき。
  • 需要の見通しが立たないと、供給側は慎重にならざるを得ない。日本の森林を育てる紙を製品化していくためには需要の確保が最も重要であり、当面は、原紙、封筒とも通常品と同程度の価格で検討を進める方が現実的である。
  • 今回の見本への間伐材マ−ク使用は、間伐材マ−ク認定委員会でも了承されたが、エコマ−クを購入の目安にしているユーザーもいることから、間伐材マ−クに加え、エコマ−クの取得も有効である。今回の見本は、古紙配合率等エコマークの基準を満たしていると思われるが、製品化の段階でも配慮が必要である。
  • 名刺用紙、飲料用の缶、カレンダー、段ボ−ルの椅子や机など様々なアイデアがあり、名刺や紙ファイルなどでは間伐材の配合率が高く見た目も異なる製品開発の可能性はある。ただし、名刺のように印刷が必要なものよりも、紙ファイルのように同一の製品が全国で販売できるものの方が需要の見通しは立てやすい。

4.今後の方向
 見本に対する問い合わせ状況、愛称募集の結果、日本の森林を育てる紙の製品の拡充や普及などについて検討を行うため、9月下旬を目途に次回勉強会を開催予定。

 

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