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7-3 建築基準の性能規定化にともない、国産材は使えなくなるのでしょうか。

7-3 建築基準の性能規定化にともない、国産材は使えなくなるのでしょうか。

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  建築基準の性能規定化は、使用が認容される住宅部材について強度等性能による
 ものに改めることを意図するものであり、新たに開発された製品やなじみの薄い輸
 入製品等であっても、強度等一定の性能基準を満たすことが証明されれば、使用が
 認容されることになります。
  これによって、非木質建材との競争も一層激化することが予想され、木材産業が
 それに対処するためには、強度等の検証データの収集及び分析並びに性能に基づく
 製品の等級区分等の対応が必要になると考えられます。

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  このため、木材産業としては、乾燥材生産、機械等級区分等加工技術の向上や品
 質管理のなされた規格製品の生産体制の確立等性能規定化に対応する取組を推進
 し、建築資材として円滑な供給が図られる体制の整備への努力が求められています。

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  また、建築基準の性能規定化に当たって、性能規定に対応し得ない零細な大工・
 工務店への対処として、性能を満たすとものとみなす仕様について例示する規準書
 の作成が検討されています。具体的にどのようなものとなるかは明らかではありま
 せんが、規準書に定められた設計例の仕様に従って建設された建築物は、性能を満
 たすこととなります。

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  なお、性能規定化にともない、現時点で次のことが予想されます。
  [1]消費者側のニーズとして、従来の仕様規定の下では活用が難しかった大断面集
   成材等新しい技術に基づく高い性能水準の木質資材への需要が増加する(非木
   質系部材から需要が移行する)ことが予想されます。
  [2]比較的大規模な工場にとっては、さらに品質管理の水準を向上し、このような
   需要変化に適切に応えていくことが重要となってくると思われます。
  [3]性能規定で要求される性能数値の基準を考慮した合理的な生産管理をすること
   ができる知識・技能を有する技能者が必要とされてくると考えられます。
  [4]製品の性能評価の指標が実際の試験結果に一本化され、試験結果の数値がその
   まま製品評価の判定基準となる可能性があります。
  [5]試験結果が数値で表されるため、客観的かつ機械的な分類が容易となり、等級
   区分がより細分化される可能性があります。
  [6]バラツキが大きいなど品質管理が十分でない製品は、より細分化された等級区
   分において、厳しい評価を受けることも予想されます。
  [7]段階的に差別化された製品の品質評価が、生産した工場の生産工程そのものの
   評価につながってくることが予想されます。
  [8]達成すべき性能が明らかとなるため、それに適合したコストパフォーマンスの
   高い海外資材の導入が進むことも予想されます。
  [9]達成すべき性能が明らかになるため、消費者、施工者に対して製品の性能また
   はそれから造られた住宅の性能を的確に情報提供する体制の整備が求められる
   可能性があります。
  自動車の様な形態に近づくものと思われます。

   
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