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ご 挨 拶


社団法人全国木材組合連合会
会 長 庄司 橙太郎

第40回全国木材産業振興大会の開催にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
 本大会を、第29回大会以来11年ぶりにここ金沢市において開催しましたところ、公務ご多端のなか、農林水産大臣、国土交通大臣、林野庁長官、石川県知事、金沢市長はじめ、多くのご来賓のご臨席を賜り厚く御礼申し上げます。また、全国各地から多数の会員、友好団体の皆様をお迎えし、記念すべき第40回大会をかくも盛大に開催出来ますことは誠に光栄であります。関係者の皆様に対し心から感謝申し上げます。
ここ金沢は、古い文化と伝統の上に近代的産業を発展させ、北陸の文化経済の中心地となっています。また、能登は古くからアテ材生産でよく知られた林業地帯であり、今も有力な地場産業として活動を続けており、伝統工芸初め建築用材として生かされています。近年は北洋材を利用した木材産業の発展も目覚しく北洋材製品の一大生産地となって参りました。今後も、アテ材はじめ県産材の生産振興と、北洋材製品の供給基地としてますます発展するものと期待しております。
昨年の東京大会では、木材不況からの脱却を願って、「新たな飛躍のための改革・創造・挑戦」という命題を掲げ、「環境税の創設」、「中小企業対策」、「木材・木質バイオマス利用推進」、「JAS製材品の普及と表示制度の創設」、「違法伐採材拒否とWTO関税堅持」などのスローガンのもと、関係の皆様から各般のご支援を頂きながら、業界は自助努力を続けて参りました。
この1年間、我が国の経済は、長引くデフレのなかで、好調な外需に支えられて回復基調にあり、途中に踊り場があったものの現在は順調に推移していると見られています。当初の予想では本年度の実質GDPは、対前年比プラス1.6%程度になると予想されていますが、中東情報の不安定、石油価格の値上がり、公共投資に依存してきた地域経済の低迷等今後の景気回復に不安材料もあります。こうした情勢の下で地域や業種によって景況感が大きく異なり、木材業界はじめ地域密着型産業はまだまだ景気回復の実感が沸いてこない状況あります。
特に、新築住宅着工数は今のところ前年をやや上回るペースで推移しているものの、木造率の低下、木造着工面積の低下などのため木材需要は減少傾向を見せており、従って材価も依然として弱含みに推移しております。これは木材業界のみならず、地域の森林・林業にも深刻な影響を与えています。
そこで、今我々に求められていることは、木材産業が新しい時代の要求に応えられる産業に脱皮し、木の文化の再構築を目指した自己改革に取組んでいくことであります。併せて、木材利用の推進、需要の拡大のためには、環境、健康に優しい自然素材であるという木材固有の特性に加えて、住宅部材として品質性能の優れた、施工性の高い木材製品を、品質・規格、産地などを明確に表示して安定的に供給できる体制を整備することであります。また消費者の目線に立って、健康、環境に優しい「木づかい運動」を積極的に推進していくことも必要であります。
さて、地球温暖化防止を掲げた京都議定書の目標達成のため、木材生産と利用を通じた活発な林業経営が、CO2吸収源対策としての健全な森林の育成にとって極めて重要であるとされています。この木材の利用推進の担い手として、木材産業の果たす役割は大きく且つ重要でありますが、現下の厳しい経営環境の中では十分に期待に応えられていないのが実情であります。さらに木材利用は環境負荷また資源循環の観点から国としての重要な政策課題であると考えますが、木材利用の重要性のPRはまだまだ不十分と言わざるを得ません。
そこで木材産業の活性化と木材需要拡大について行政による財政的、制度的支援が是非とも必要であります。その財源として昨年来議論されてきた環境税の新設を今年こそ現実のものにする必要があり、全木連としても全力を尽くします。
業界を取り巻く状況はまだまだ予断を許しませんが、木材業界は森林・林業のよきパートナーとして、また地域の数少ない産業として、業界一丸となってこの苦境を乗り切ってまいる所存でありますので、ご列席の関係行政機関、関係団体の皆様の一層のご支援とご協力を切にお願い申し上げます。
終わりになりましたが、本日、栄えある表彰を受賞される方々には、長年にわたるご精進とご労苦に対し深甚なる敬意を表しますとともに、心よりお祝い申し上げます。
最後に、本大会の開催にあたり、全面的にご支援、ご協力いただいた全木連北陸支部並びに石川木連の皆様方に改めて厚く御礼申し上げ、私のご挨拶といたします。

平成17年10月19日



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