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グリーン購入法に係る環境省パブリックコメント募集に対する意見を提出しました。(H18.1.31

 

 

 

 全木連では、環境省からパブリックコメントの募集がありました、グリーン購入法に係る「特定調達品目及びその判断の基準等の見直しの概要(案)」に対して下記の通り意見を提出しましたので、ご案内いたします。

 

 

以下、提出した意見=============

 

平成18131

環境省総合環境政策局御中

環境経済課 宍戸様

社団法人全国木材組合連合会

会長 庄司橙太郎

 

グリーン購入法に係る「特定調達品目及びその判断の基準等の

見直しの概要(案)(違法伐採関係)」に対する意見

(社団法人 全国木材組合連合会)

 

当連合会は平成12年にグリーン購入法が施行されて以来、「環境への負荷の低減に資する物品」へ需要を転換するという同法律の趣旨をふまえ、木材及び同製品の、再生可能かつ製造過程のエネルギー消費量が少なく、環境負荷のきわめて少ないという属性から、木材及び同製品が広く同法にもとづく重点的に調達を推進すべき環境物品に認定されるよう、求めてきました。

現在のところ、「間伐材、林地残材又は小径木」など限定されて環境調達品目の判断基準に記載されていますが、このたび、政府の違法伐採問題への対処の観点から合法性・持続可能性が確認された物品調達推進に関わる判断基準の見直し等をされることは、サミット等での国際的な約束を履行してゆく上で時宜を得たものであり、かつ、木材及び同製品の幅広い認定を進める上でも喜ばしいことと考えます。

しかし、今回の改訂趣旨に照らして改訂案にはいくつかの問題点があるため、別紙の通り意見を提出します。改訂にあたり十分に考慮されるようお願いいたします。

 

(要旨)

今回の改訂は、グレンイーグルスサミットでの総理大臣の国際的な約束を果たすための措置であり、国際的にも極めて注目されている。このため、基本方針には合法木材の購入を推進するという政府の姿勢が明快に示され、それをふまえて木材業界が円滑に対応できるような記述内容となっている必要がある。しかしながら、改定案のうち、特に木材の政府調達の主体となっている「公共事業の製材等の判断基準」の記述は、合法木材の調達に条件を課し制約をつける内容となっており、違法伐採対策になっていないばかりか、国際的な誤解を生じかねない。今後、国はもとより地方公共団体さらには民間企業にも合法木材を広く普及させていくという、今回の改訂の趣旨が反映されたわかりやすい表現としていただきたい。

また、対象品目については、本取組が木材業界のみならず、森林、林業関係者も関わる重要な改訂であり、取組に齟齬がないよう、全ての品目が対象となるようにしていただきたい。

 

 

 別紙

 

1 製材の判断基準

 

「別記17公共事業」、表2【資材】、品目分類「製材等」、品目名「製材」の判断基準」は「@間伐材、林地残材又は小径木であること、A@を満たすことが困難な場合は、原料として使用される原木は、その伐採に当たって生産された国における森林に関する法令に照らし合法な木材であること」と記述されているが、当該部分を「原料として使用される原木は、間伐材、林地残材、小径木、又は、その伐採に当たって生産された国における森林に関する法令に照らし合法な木材であること」に修文していただきたい。

 

《理由》

 

今回の改訂案は、現行の基準である「@間伐材、林地残材又は小径木であること」に加えて、A「合法材についての基準」を付加しているが、その前提として「@を満たすことができない場合」という条件を付しているのは、国はもとより地方公共団体、さらには民間業界へ広く普及してゆくという、今回改訂の趣旨である合法材の調達姿勢に反している。特に、「@を満たすことができない場合」の説明として「寸法、又は、弾力性、対摩耗性等の機能的特性による制約がある場合とする」と欄外に記述しているが、我が国の人工林の長伐期化に伴い、高齢級の間伐材が流通しており、一般材と間伐材の製品間に機能的な相違はなく、間伐材製材によっては機能的特性に制約があることを証明できるケースを想定するのは困難といわざるをえない。このような無理難題を合法材購入の条件につけることは、政府の違法伐採対策に対する姿勢に疑念を抱かせるものであり、様々な努力をして、合法性証明材の供給を行っていこうとしている業界の努力を無にするのみならず、違法伐採対策はやらなくてもよいとの誤ったメッセージを与えることが危惧される。

一方、既往の基準と新たな合法材の基準の関係については、2紙類、3文具類、4機器類、13インテリア・寝装寝具、など他の品目では、「今までの基準又は合法材」という記述になっていて、合法材調達に条件を付する記述とはなっていない。調達数量が最も多く今回改訂の象徴的な記述箇所となる「公共事業の製材等」の箇所のみ合法材の調達に実施がほぼ不可能な条件を付しているのは、グレンイーグルスサミットにおける、違法伐採材排除、合法材利用促進についての総理大臣の世界に対する誓約に反するものと考える。

 

 

2 合板等の判断基準

 

「別記17公共事業」、表2【資材】、品目分類「製材等」、品目名「集成材、合板、単板積層材の判断基準」は、「@間伐材、合板・製材工場から発生する端材等の残材、林地残材又は小径木の体積比割合が10%以上であり、かつ、それ以外の原料として使用される原木はその伐採に当たって生産された国における森林に関する法令に照らし合法な木材であること。A@を満たすことが困難な場合は、間伐材、合板・製材工場から発生する端材等の残材、林地残材又は、小径木以外の木材にあっては、原料として使用される原木はその伐採に当たって生産された国における森林に関する法令に照らし合法な木材であること。B居室の内装材にあっては、ホルムアルデヒドの放散量が平均値で0.3mg/L以下かつ最大値で0.4mg/L以下であること。」となっているが、「@間伐材、合板・製材工場から発生する端材等の残材、林地残材又は小径木の体積比割合が10%以上であること、又は、原料として使用される原木はその伐採に当たって生産された国における森林に関する法令に照らし合法な木材であること。A居室の内装材にあっては、ホルムアルデヒドの放散量が平均値で0.3mg/L以下かつ最大値で0.4mg/L以下であること。」としていただきたい。

 

《理由》

現行の基準は、@間伐材等の基準(間伐材等が10%以上であること)及び、A揮発性物質の最低基準の双方を満たすこととしているが、今回の改訂案では、@について間伐以外の原料が合法材であることの要件を付し、A「@の基準を満たすことが困難な場合」合法材、B揮発性物質の基準を満たす(現行Aと同様)こと、という記述になっている。

この改定案では、第一に、製材で指摘したと同様に、改訂Aの「@の基準を満たすことが困難な場合」の機能的制約があることを証明することは困難である。特に、合板・集成材の場合は、「間伐材等が10%入る」というのが現行@の条件であり、このことによって何らかの物理的な要求を満たせなくなることを想定することは全くできない。「@の基準を満たすことが困難な場合」との規定は合板・集成材の場合、Aによる合法材の購入をほとんど不可能にする条項である。

この改定案は、第二に、現行案@の間伐材10%以上という品目の条件に、改定案では残りの部分に合法材を要求することとなっているが、「はじめに」で述べたように幅広くグリーン調達をすべきだとする立場から反対である。

 

3 製材等の品目の範囲

 

「別記17公共事業」、表2【資材】、品目分類「製材等」の品目名は、「製材」及び「集成材、合板、単板積層材」となっているが、これを、それぞれ、「製材及びそれらの製品」及び「集成材、合板、単板積層材およびそれらの製品」としていただきたい

 

《理由》

粗加工された建築現場で加工される製材、集成材、合板、単板積層材だけでなく、縁及び端にさねはぎ加工された製品(一般にフローリング材といわれる製品を含む)など、幅広い範囲の製品があるので、それらが排除されないようにするべきである。

 

4 判断基準の使用範囲の拡大

 

「別記17公共事業」、表2【資材】、品目分類「製材等」の備考に「1 本項の判断基準の対象とする製材等は、建築の木工事において使用されるものとする。」と記載されているが、この項目を削除していただきたい。

 

《理由》

公共事業に使用される木材は、「建築の木工事」のみでなく公共事業の「各種土木工事」でも調達されるものであり、公共事業の一部の部門のみに限定して合法材の調達を行うというのは、不適切であると考える。

 

5 経過措置について

 

今回の措置は政府によるグレンイーグルスの先進国サミットの結果を受けて、急遽対応することとなったため、基準となる林野庁のガイドラインが年度末に決定するものであり、184月から今回の措置が施行された場合、当初はガイドラインに沿った商品が市場に提供されていない状況になることが想定される。他の特定調達物品は、当該物品がメーカーによって市場に投入されたあとで、関係者が別表への掲載を要求するという形で作成されているので、これらの物品と比べて今回の合法木材は供給に時間を要することとなり、調達関係者から不満が出る懸念がある。その点について、基準では各品目の基準の中に「なお、平成18 4 1 日以前に伐採業者が加工・流通業者等と契約を締結している原木については、4 1 日の時点で原料・製品等を保管している者が証明書に4 1 日より前に契約を締結していることを記載した場合には、合法な木材であることの証明は不要とする。」との説明書きにより、配慮されていると考えるが、本件の運用に当たっては、品目により、供給時間等が異なることを十分に勘案していただきたい。

 

6 合法性等証明のための林野庁ガイドラインについて

 

今回参考資料として掲載されている「林野庁の木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン(案)」については、関係団体の認定の証明の際に納入業者だけは他者(業界団体など)による認定手続きがない(同6ページ)などの問題点があると考えるが、これらについては協議会で今後検討していくこととなっているので、その場で業界としての意見を言っていきたい。

ガイドラインの今後の改訂に際しては、業界団体の認定の仕組みが機能するのは18年度の後半にとなる可能性があり、定着直後のガイドラインの修正が現場に大きな混乱をもたらすことのないように配慮をして頂きたい。

また、ガイドラインの解釈や運用に当たって迅速な判断が必要となる事項が多発する可能性があり、政府内部での意志決定の体制を整備し遺漏のないようにしていただきたい。

 

7 海外への周知方法について

 

輸入材を取り扱う業者は、海外における合法材の供給体制を整備することに不安を抱えている。輸入材を取り扱う企業、業界としての努力が必要であったとしても、政府ベースで相手国政府に十分理解をもとめ、相手国業界に周知が徹底することが重要である。この点についての特段の配慮を求めたい。

 

 

 

 

 

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