〔文責:企画部指導課・細貝〕

「ビジネスチャンスを生かす企業経営」

(1日中小企業庁・中小企業施策50周年式典 記念講演)

 

 

日  時   平成10年10月27日

場  所   東京国際フォーラム

講  師   オリックス梶@宮内義彦社長

 

要旨

「在来の経済システムが崩れて、新しいシステムヘ移行している」旨の現状を分析。「戦争を視野に入れた1940年体制は戦後の復興から高度経済成長には役立ったが、これからはそうはいかない」と前置きして、「現在の状況は市場を中心とした市場経済へ移行しつつある。つまり常に顧客の立場が優先するマーケット経済」と位置付けたうえ、「マーケットエコノミーの掟は経済的に価値があるもの、ユーザーが価値評価したものが流通し、そうでないものは振り落とされる」と指摘。

しかも「価値を判断するユーザーは移り気。油断はできない。それを乗り越えるには常に創意工夫が要る。それだけに、これまでにないような『知恵』の勝負になる」と、創意工夫の重要性を強調した。

 さらに、それを具体化するには総合性ではなく、専門性がポイントになるとし、「狭く、深く突っ込んでいく深掘りが欠かせない。そのうえ、計数管理を徹底し、投資効率を追求、企業の収益性を重視すべきだ」と提言「売り上げ規模やシェアに目を奪われ、総合化を図ろうとすれば力がそがれ、環境が激変するなかでは問題が生じる」と忠告した。

 「ビジネスチャンスを生かすには、企業の規模ではなく、どれだけ高い専門性を持ち、深掘りできるかにある」と言い切り、講演を締めくくった。