このページを  保存  お気に入りへ  印刷

製材に関する燃えしろ設計等に係る告示について(H16.2.19)


   

 

平成16年3月25日
(社)全国木材組合連合会 

製材に関する燃えしろ設計等に係る告示について
―火災時の構造計算の規格に製材が認定される―

 

建築基準法施行令第46条第二項第一号イの規定に基づき、「構造耐力上主要な部分である柱及び横架材(間柱、小梁その他これらに類するものを除く。)に使用する集成材その他の木材の品質の強度及び耐久性に関する基準」が、昭和62年11月10日建設省告示第1898号、平成8年7月29日建設省告示1612号で定められています。

この告示には、集成材は基準値が設けられていましたが、製材は実験でのデータがないため、燃えしろ設計の基準は認められていませんでした。しかし、今回、全木連が、(財)住宅・木材技術センターに委託してJAS製材の燃えしろ実験を行って、データを示して国土交通省に要請した結果、木造建築物の構造耐力上主要な部分である柱及び横架材に使用可能な製材として、また、大規模な木造建築物に適用される火災時の構造安全性に係る構造計算の基準(燃えしろ設計)の適用可能な木材として新たに製材を追加するため、建築基準法にかかる関係告示の原案が下記のとおり示されました。

なお、その原案にかかる意見を求めるパブリックコメントの募集が行われましたので、前回(16、2、19)の常勤役員・事務局長等会議で各都府県木連においても、内容検討のうえ、コメントを送信していただくことをお願いしましたが、全木連としても、製材の燃焼実験に係るデータが採用されて「集成材等の構造耐力上主要な部分である柱及び横架材に使用する材料と同様に、製材に燃えしろ基準寸法を附与すれば、火災時の加熱に対して耐力の低下を有効に防止することである材料であることが認められたこと」を評価する旨を、国土交通省にコメントしました。

その後、国土交通省は、当該「・・集成材その他の木材の品質・・」のうち「その他の木材=針葉樹の構造用製材の日本農林規格(平成3年農林水産省農林水産省告示第143号)第4条に規定する目視等級区分製材の規格又は同告示第5条に規程する機械等級区分製材の規格のうち、含水率の基準が15パーセント以下・・」についての品質の強度及び耐久性に関して、下記の関係告示の改正原案がそのまま、改正告示として平成16年3月22日付け「官報第3814号」に掲載されました。

 

 

 

1. 構造耐力上主要な部分である柱及び横架材(間柱、小ばりその他これらに類するものを除く。)に使用する集成材その他の木材は、次のいずれかに適合すること。(告示番号1898号)

1から5までは省略
6 針葉樹の構造用製材の日本農林規格(平成3年農林水産省告示第143号)
第4条に規定する目視等級区分製材又は第5条に規定する機械等級区分製材の規格のうち、含水率の基準が15%のもの。(追加)

2. 通常の火災時の加熱に対して耐力の低下を有効に防止することができる主要構造部である柱又は梁を接合する継ぎ手又は仕口の構造方法を次のように定める。

イ 昭和62年建設省告示第1898号第1号から第3号までに規定する規格に適合するもの  2,5センチメートル
ロ 昭和62年建設省告示第1898号第6号に規定する規格に適合するもの
   3センチメートル   (追加)

3. 通常の火災により建築物全体が容易に倒壊する恐れのない構造であることを確かめるための構造計算は、次の各号に定める。(昭和62年建設省告示1902号)

1.略
2.イ 昭和62年建設省告示1898号第1号から第3号までの規定する規格に適合するもの  2,5センチメートル
 ウ 昭和62年建設省告示1898号第6号に規定する規格に適合するもの。
 3センチメートル    (追加)

4.準耐火構造の構造方法を定める。

1.略
2.第1第1号ロ(@)から(C)間でのいずれかに該当する防火被覆を設けるか、又は、次に掲げる基準に適合する構造とすること。

イ 略
ロ 当該柱を接合する継ぎ手又は仕口が、昭和62年建設省告示1901号に定める基準(同告示第1号の規定にあっては、「2.5cm」 とあるのは「3.5cm」と、「3cm」とあるのは、「4.5cm」と読み替えるものとする。第4第2ロにおいて同じ。)に従って、通常の火災時の加熱に対して耐力の低下を有効に防止することができる構造であること。
ハ 当該柱を有する建築物全体が、昭和62年建設省告示1902号に定める基準(同告示第2号の規定に合っては、「2.5cm」とあるのは「3.5cm」と、3.5cm)とあるのは、「4.5cm」と読み替えるものとする。第4第2号ハにおいて同じ。)に従った構造計算によって通常の火災により容易に倒壊する恐れのないことが確かめられたこうぞうであること。
ニ 略

第3~6 略

5 耐火建築物とすることを要しない特殊建築物の主要構造部の構造方法を次のように定める。

1.略
2.第1第1号ロ(1)~(5)までのいずれかに該当する防火被覆を設けるか、又は次に掲げる基準に適合する構造とすること。

イ 略
ロ 当該柱を接合する継ぎ手又は仕口が、昭和62年建設省告示第1901号に定める基準(同告示第1号の規定に合っては、「2,5センチメートル」とあるのは「4,5センチメートル」と、「3センチメートル」とあるのは「6センチメートル」と読み替えるものとする。第4第2号ロにおいて同じ。)に従って、通常の火災時の加熱に対して耐力の低下を有効に防止することができる構造であること。
ハ 当該柱を有する建物全体が、昭和62年建設省告示1902号に定める基準(同告示第2号の規定に合っては、「2.5センチメートル」とあるのは「4.5センチメートル」と、「3センチメートル」とるのは6センチメートル」と読み替えるものとする。第4第2号ハにおいて同じ。)に従った構造計算によって通常の火災により容易に倒壊するおそれのないことが確かめられた構造であること。
以上

(注)JAS製材の燃えしろが3.0cmとは、構造計算上必要な製材の許容応力度計算で確認された柱の最小寸法(例えば、柱の木材強度が最低9cmの角材であれば適合とした場合)に「燃えしろ設計上」の寸法3.0cmを両側に追加(9cmの柱の両側に3.0cmずつ合計6.0cmの上乗せ)した、15センチメートルの寸法とすれば、燃えしろ設計された製材として認められる。なお、製材の含水率は15%以下として計算されている

 

 

 

全木連webトップへ