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全木連会長新年のご挨拶を掲載しました
2010.01.05

全木連会長新年のご挨拶を掲載しました

社団法人全国木材組合連合会
会長 並木瑛夫

 

 明けましておめでとうございます。皆様方には、本会の運営に格別のご理解、ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 昨年のわが国経済は、企業収益の大幅な減少や雇用情勢の悪化、デフレの影響など景気の低迷・悪化が続いた一年でありました。こうした中で木材需要の大宗をなす住宅着工戸数は、近年稀にみる低水準で推移し、その影響により木材需要は大きく減少し木材価格が低迷・下落するなど、木材業界は深刻な経営環境に見舞われています。昨年の9月には、総選挙により政権交代があり政策の転換が進められつつありますが、景気対策については、昨年末に「明日の安心と成長のための緊急経済対策」として第二次補正予算案が決定されています。我が国経済社会にとって、当面は何よりも景気対策が緊急かつ最大の課題であり、この緊急経済対策や平成22年度予算案など、その早期成立・実現を強く要請するとともに、それらの措置の効果により木材業界の業況改善が図られていくことを念願いたす次第であります。
 昨年10月には、東京で「新たな木材利用への挑戦で木材産業の創造的再興」というスローガンの下に第44回全国木材産業振興大会を開催しました。景気悪化、住宅投資の急速な減退等の中で、我々業界の維持発展、使命役割の発揮を図っていくためには、まさに、あらゆる方面での木材利用拡大に挑戦し、それらにきちんと対応できる供給体制の構築に取組んでいくことが、木材産業の再興への道筋であることを確認し合ったところです。
 政府は、昨年秋に温室効果ガスの90年度比25%削減を世界に表明しています。この目標を巡っては各界から種々の議論がありますが、目標達成のためにはCO2を吸収・固定する森林、木材の役割発揮が益々重要になることは明らかであります。住宅、公共施設、エネルギーなどへの木材利用拡大のために、思い切った施策が講じられていくことを期待するものであります。我々木材業界は、こうした動きを木材利用拡大のスプリングボードとして位置づけて、自らの豊富な知見等を最大限活かしていく努力が必要であります。
 厳しい経営環境の中にあっても、既に業界内外で「新たな木材利用への挑戦」の意欲的取組みが進められています。すなわち、成熟しつつある国産材資源を活かしてストック・質的重視の住宅づくりや木材利用などを促進するための、「木のまち・木の家」推進活動、工務店等と連携した家づくり、部材開発、地域材供給システム構築の取組み。そして温室効果ガス削減との関連にありましても、木材の環境貢献の「見える化」の推進、排出権取引のクレジットやカーボンオフセットの制度化などに対応して、先導的に取組んでいる地域・事業体の取組み。さらには、新エネルギー導入に関する木質バイオマス利用の新たな取組みなどであります。これまでのような住宅着工戸数が期待し難いと見込まれる中で、このような取組みを着実に進化させ、そしてコストパフォーマンスに優れユーザーに安心して使ってもらえる品質性能の明確な製品供給を着実に進めていく、こうしたことに我々は総力を上げて取組んでいくことが重要であります。
 新年にあたり、全木連としても決意を新たにして木材業界の明るい未来を切り拓くために出来る限りの努力をいたす所存であり、皆様方のご支援とご協力をお願い致します。
 終わりに今年は皆様方にとってすばらしい1年となりますようご祈念申し上げ、ご挨拶といたします。

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