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「林材業における死亡災害急増に伴う緊急対策」の継続について


   

 

林材業における死亡災害急増に伴う緊急対策」については、既報のとおり対策の周知徹底を依頼したところでありますが、このたび「林材業ゼロ災推進中央協議会」の秋山智英会長から本会に対し、「林材業における死亡災害急増に伴う緊急対策の継続について」の協力依頼がありました。

本緊急対策の継続は、本年に入り、林材業における死亡災害が(12月7日現在の厚生労働省の速報値で木材・木材木製品製造業が20人、林業が55人)急増していること、また、死傷災害についても減少割合が鈍化している状況にあり、未だに沈静化の兆候が見えない状況にあることから、継続実施することとしたものであります。

このため、今般、林業・木材製造業労働災害防止協会において、表記の緊急対策の継続実施を都道府県支部に通知すると共に、当協議会に対し、特段の協力要請がなされたところであります。

つきましては、当協議会の構成団体におかれては、協議会の基本理念を踏まえ、林災防並びに都道府県支部と密接に連携し、関係行政機関等の御支援をいただきつつ、引き続き、強力な取り組みを講じられるようお願いいたします。

特に、都道府県木連においては、林災防支部等関係団体と連携して、末端事業場まで緊急対策の継続実施の周知・徹底を図り、災害ゼロを目指して強力な活動を図っていただきますようお願い申し上げます。

サイト内文書リンクhttp://www.zenmoku.jp/ringyou_zero/H15_accsd_emerg.html

 

平成15年12月
林材業労災防止協会

林材業における死亡災害急増に伴う緊急対策の継続について

 

15年度は、1年前倒しの料率改定が行われ、林業の業種統合と統合料率の設定並びに木材製造業の料率引き下げが実現し、労災収支改善の基盤が整ったところである。

このような中で、林業・木材製造業における死亡災害は、両業種とも過去最低を記録した平成14年から一転して従来にないテンポで増加し、この基盤自体が崩壊する恐れがあることから、年度途中より「林材業労災防止緊急対策」を関係行政機関、林材業関係団体と密接な連携の下に実施しているところであるが、未だに累増傾向に歯止めをかける状況に至っていない。

このため、林材業の労働災害阻止並びに労災保険収支改善を図ることが喫緊の重要課題であることから、下記により「 労災防止緊急対策」を本年度末まで継続することとし、次年度に引継ぐこととする。

本対策を推進するに当たっては、巡回指導、作業変化対応安全対策推進事業等をはじめとして各種のパトロール、会議等の機会をとらえて、緊急リーフレット(改訂版)その他を活用し、類似災害の防止を重点とした緊急対策事項の周知徹底を図るとともに、特に、労災発生件数における未参入事業体等の比率が高くなっていることから、特殊健診の機会等をとらえ、緊急対策の周知に努められたい。

1.緊急対策期間

平成15年度末まで。

2.区分

重点支部の区分を廃止し、全支部、林材業関係団体の一体的・総合的な取組を行う。

3.支部実施事項

(1) 労働局署、都道府県、森林管理局署と緊密に連携し、今後実施の支部、分会段階等のあらゆる林材業関係会議の機会並びに経常事業の場等を活用し、緊急対策事項の周知徹底を図る。 特に、未参入事業体(個人事業体、1人親方等で林材業関係団体に加入していないもの)等の災害比率が高まってきていることから関係行政機関等との情報交換等と通じてこれらの事業体の把握に努め、また、特殊健診の場をとらえ、緊急対策事項の一層の周知徹底を図る。

(2) 特に、全業種で取組む「年末年始無災害運動」期間中は、これと併せて取組を強化すること(平15.11.8林災防収第108号)。

(3) 年度末までの間に更に緊急巡回指導を推進する。

(4) 支部は、本部実施事項 4.(2)に関して災害防止に有効な器具・道具類等について本部に報告するとともに、本部より報告物件等の中から配付されるそれらの見本品等を特定の事業体に実地使用してもらい、その有効性を検証させ、また、事業体自らが改善するよう働きかける。

4.本部実施事項

(1) 「労災防止緊急対策」改定リーフレット(林業、木材製造業それぞれ2種類づつ計4種類)の事業場、現場作業場まで浸透させるとともに、未参入事業体への周知を徹底するため、支部、団体等に配付する。なお、都道府県並びに国有林野事業については、本部より林野庁を通じて、本対策の周知徹底を要請する。

(2) 各地で取組まれている災害防止に有効な表示板、器具・道具類等について、支部に配付し、モデル的に試用させることによって普及、又は使用事業体が自ら一層の改善の促進に資する対策を実施する。
併せて、林業災害防止機械器具開発改良事業の成果品の普及に資するため、本部が支部に配付するモデル品の事業体での実地使用を推進する。

(3) 中央緊急安全会議(危険意識、基本作業徹底方策 等)を開催する。

(4) 災害原因・対策緊急調査(本部主体に支部の支援)、主要支部会議への参加指導

(5) 本対策を推進するため、支部に対し、別途、予算を配付する。

 

 

別紙

林材業労災防止緊急対策

 

1.15年の林業、木材製造業における労働災害の発生状況

(死亡:10月末累計 死傷:9月末累計 ( )は、前年同期)
林 業 死亡災害 49件 (38件) 11件増 128.9%
  死傷災害 1284件 (1309件) 25件減 98.1%
木材製造業 死亡災害 18件 (12件) 6件増 150.0%
  死傷災害 1678件 (1738件) 60件減 96.5%

死亡災害における特記すべき状況

林   業

・かかり木放置による災害が連続し、更に伐倒方向の変化等による災害多発
・林内作業車等の車両系機械その他の滑落・転落災害が多発
・蜂災害が3件
・経験年数10年以下が50%(14年18%、13年28%)うち1年以下5割

木材製造業

・フォークリフト、クレーン等の災害17件中5件
・異物除去、修理等の非定常的な災害多し
・巻込まれ、挟まれ災害17件中7件
・経験年数10年以下77%(14年64%、13年59%)

 

2.林材業死亡災害防止緊急対策事項

共通事項

  • 労働災害防止のための基本動作の厳守を改めて徹底すること。
  • 事業主による作業の一斉点検を実施し、潜在する危険要素を洗い出し、その改善対策を決定し、実行すること。
  • 作業単位ごとの始業時のミーティングを行い、危険予知訓練を活用して当日の作業についての災害防止の重点事項を決め、指差し呼称等によりその徹底を図ること。
  • 新規就労者、作業内容が変わる就労者、長期間当該作業を離れていた者等への安全衛生教育を徹底すること。

林 業

  • かかり木処理作業での禁止事項を確実に守らせること。特に、やむを得ず放置する場合には立入禁止の表示を行うこと。処理までの間、造材等他の作業をかかり木が倒れてくる等の恐れのある危険区域では絶対に行わないこと。危険区域の認識を周知させること。
  • 伐倒方向を確実にするため、伐木における正しい作業手順に立ち返り、   省略等を行わせないこと。
  • 急傾斜地等においては、滑落を防止するための歩行補助用ロープの設置と安全帯の使用又は、迂回移動を励行させること。
  • 新規就労者等作業未熟練者を危険度の高い作業へ就労させる場合は、ベテラン作業者を配置するなどにより、当該作業を本人の判断のみで行うことによるリスクの排除に努めること。また、単独の作業環境とならないよう連絡合図をこまめに行うなどに努めること。
  • 危険区域への立入、近接作業・上下作業の徹底排除のため、作業者と林内作業車、集材機等との間、作業者間などの連絡合図の方法を再度点検し、不十分な場合は改めて連絡合図の方法を改善整備し、その励行を徹底すること。
  • 緊急連絡体制の有効性を再度点検し、模擬訓練を行うこと。
  • 蜂刺され防止のため、防蜂網等の着用と肌を露出しないこと。平成15年に使用承認されたエピペン(メルク株式会社)の導入が有効であること。

木材製造業

  • フォークリフト、クレーン等の運転、操作は、移動速度を周囲の状況に応じ、低めに設定するとともに急な旋回、発進等は行わないこと。吊り荷の重量は、機械・機種に応じた範囲を守ること。クレーン等における荷の一点吊りは避けること。
  • 異物除去、修理、点検等の際は、必ずスイッチを切り、ブレーキをかけ機械の動きが停止したことを確認してから行うこと。
    他の作業者が起動しないよう、修理中等の表示、及び関係作業者への修理中、並びに、終了の周知を徹底すること。
  • 機械を起動、再起動する際は、合図をし、周囲の安全を確認してから行うこと。
  • 手ぬぐい、頭髪、袖等、機械に巻込まれる恐れがないか服装の点検を励行すること。
  • 高所作業等に脚立等を使用する場合は、脚立等に使用する足場板等を確実に固定させるとともに、高さ2m以上での作業には安全帯の使用を徹底すること。
  • 新規就労者等作業未熟練者を危険度の高い作業へ就労させる場合は、ベテラン作業者を配置するなどにより、当該作業を本人の判断のみで行うことによるリスクの排除に努めること

 

 

 

 

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