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京都大学木質科学研究所「エコ住宅21プロジェクト」
第2回研究成果発表会(H15.2.14開催)

   

〔京都大学 木質科学研究所提供情報〕

低環境負荷・資源循環型
木造エコ住宅に関する研究開発

平成15年2月14日(金)
京都大学 木質科学研究所 木質ホール3F

−第2回 成果発表会 プログラム−

総合司会・進行役:木質科学研究所 矢野浩之

10:00−10:10 挨拶(木質科学研究所所長:則元 京)
10:10−11:00 我々の目指す木造住宅の姿とは

木質科学研究所の材料系研究者の研究成果を結集して、理想の木造住宅を実現するための基盤的技術の開発を行っている。ここでは、その住宅のイメージを技術的な側面から概説するとともに、プロジェクトの全体的な主旨を説明する。(プロジェクト主査:小松幸平)、(片岡客員教授)

11:00−12:00 木質資源の自律的・持続的利用についての基本的な考え方

環境共生・資源循環型社会の実現に向けて、地域の環境保全と資源の持続的利用を両立させるための森林の在り方を考察し、木質資源の生産と消費を同調させた資源自律型循環システムのためのシナリオ策定を行う(川井秀一)

12:00−13:00 昼 食

13:00−14:50

[材料系−構造系成果発表]

木質接合具の開発(井上雅文)

木質解体材のリユース、リサイクルを困難とする要因の一つは、大量に使用される釘などの金属製接合具の分別である。本研究では、木質材の圧密技術を応用して、自動釘打ち機に適応可能な高強度木質釘を設計、試作し、その木造耐力壁、内装材、家具、資材運搬用梱包材などの接合部材としての可能性を検討する。


木質クギを用いた板壁の開発(森 拓郎)

木質クギ(今回は竹クギ)を接合具として用いた場合に、板壁耐力壁はどれほどの耐力を発揮することができるのかを検証するため、竹クギを用いたせん断部分実験を行い、その可能性について検討する。

 

斜め木ダボを用いた柱脚接合部の補強法の開発(黄 権煥)

真壁仕様の木造柱ー土台、あるいは柱−横架材接合法として、広葉樹や圧縮木ダボを柱から横架材に斜めに打ち込み、ウレタン系接着剤で固定する方法を考案した。隅柱を想定したL字型柱−土台接合部を作製し、引き抜き耐力実験を行った。審美性が高く、真壁仕様に最適であり、また、土台をジャッキアップする必要がないので、既存の柱脚接合部の補強にも適した方法であることが確認できた。

 

プレファブ土壁を用いた木造軸組架構の開発とその水平せん断性能(小松幸平)

 

 スギ天然乾燥材の15cm角を柱、土台とし、横架材には4cm x 24cm の厚板を挟み梁とした軸組架構に、予め左官業者が作業場で作製した厚さ7cm、縦横約50cm四方のプレファブ土壁を小壁、袖壁、腰壁として挿入した雑壁入り軸組架構を開発した。軸組と雑壁の接合にはスギ圧縮木ダボを斜めに打ち込んだ。長さ2P(182cm)の壁について水平加力実験を行い、その耐力壁としての性能を評価した。性能はほぼ雑壁の枚数に比例的であった。組立、解体の容易性も確認できた。

 

早生樹アカシアマンギウム樹皮粉末の木材用接着剤への利用(矢野浩之)

アカシアマンギウムの樹皮には、ホルムアルデヒドあるいはホルムアルデヒド系接着剤と反応して縮合硬化する縮合型タンニンが多量に含まれている。本発表では、木材用接着剤への樹皮微粉末添加の効果として、特に合板製造における熱圧温度の低減効果について報告する。

休 憩 14:50−15:00

15:00−16:50

[リサイクル系成果発表]

解体廃材の選択的木炭化技術の開発(畑 俊充)

木炭化するためのエネルギーを最小限に抑えるため、解体廃材の熱分解の高速化によって、溶液を用いずに溶液と木炭残さとに分離する画期的な木炭化技術を開発する。リサイクルを行う前に環境への影響を考えることが重要なので、まずCCA薬剤の木炭内への固定化について検討する。

 

[居住性系−メンテナンス系成果発表]

調湿能の簡便な判定法とその大規模木造建物への応用(師岡淳郎)

住宅を構成する部材について施工状態で調湿能を簡便に判定法する方法を提案するとともに、それを用いて京大木研・木質ホールに見られる湿気環境の特殊性を考察する。

エコ住宅に対応した木材の耐久性評価と新しい生物劣化検出法(吉村 剛)

エコ住宅に対応した木材の使い方を考える際の基本として、素材の耐久性を正確に評価するとともに、生物劣化の早期探知が不可欠である。本発表では、マレーシア産および日本産の代表的な木材を用いた防腐・防蟻比較試験結果と、シロアリや木材腐朽菌に特有な代謝ガスを利用した新しい探知法について考察する。

超臨界二酸化炭素を利用して保存処理した木質材料の保存性能(Muin Musrizal)

低環境負荷型の木材処理法として超臨界二酸化炭素を用いた方法を検討している。本発表では、各種木質材料への超臨界保存処理の応用について紹介する。

16:50−17:00 閉会の辞(プロジェクト事務局:森 拓郎)

17:00 閉会

17:30−19:30

反省会(木質ホール 3階会議室)
    立食で行う予定です。

参加会費等についてのお知らせ

成果発表会 :無料
反省会 :1000円

また、何かございましたら、京都大学木質科学研究所構造機能分野 森拓郎までご連絡ください。

Tel :0774-38-3676
Fax :0774-38-3678
E-mail :moritakuro@mail.kuwri.kyoto-u.ac.jp

アクセス等につきましては、以下のアドレスにてご確認いただければと思います。

HP :他サイトもしくは別ウインドウを開くhttp://www.kuwri.kyoto-u.ac.jp/welcomej.html



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