「買取制度小委員会報告書(案)」に対する意見


経済産業省は平成21年より再生可能エネルギーを電力会社が固定価格で買い取る制度の検討を行ってきました。

最近では総合資源エネルギー庁調査会の新エネルギー部会・電気事業分科会買取制度小委員会で検討が行われており、12月22日に買取制度小委員会報告書案を公表、意見募集が行われました。

全木連として、木質バイオマスが幅広く買取り対象となるよう以下の意見を提出しました。


[氏 名]社団法人全国木材組合連合会
(担当:藤原)
[住 所] 東京都千代田区永田町2-4-3永田町ビル6F
[電話番号]03-3580-3215
[FAX番号] 03-3580-3226
[電子メールアドレス]fujiwara@zenmoku.jp
[意見]

【該当箇所】

1 買取対象、買取範囲に関する事項
(1)実用化された再生可能エネルギーの考え方
・意見内容
木質バイオマスを買取りの対象として明確に位置づけて頂きたい。
・理由

本報告書では新制度の買取対象として「太陽光発電、風力発電等が挙げられており、現時点では十分な範囲がカバーされている」(2ページ25行)と記述され、バイオマス発電について対象とするかどうか不明な書きぶりになっています。

しかしながら、バイオマスエネルギーの利用は現在実現している技術で今後の地球温暖化対策で重要な役割を担うものとされています(IPCC第四次レポート総合報告書 主要部門の緩和技術政策措置、制約条件機会の例など)。又、我が国においてもすでに木質バイオマス発電が一部実用化されており「普及拡大に資するような全体条件が備わっている発電方式について、買取対象とする」(2ページ31行)とする本報告書の基準によっても、バイオマス発電は買取対象の条件を備えています。

以上の理由により、バイオマス発電を買取対象として位置づけるとともに、バイオマスの中でも資源量の多い木質バイオマス発電を買取対象に明確に位置づけていただきたいと考えます。

【該当箇所】

(3)買取対象としてのバイオマス発電の要件
・意見内容
極力限定を付けず、なるべく幅広くい買取対象としていただきたい。
・理由

本報告書では、木質バイオマスは発電以外の用途もあるため限定的に対象を設定するべきとしています。

しかしながら、資源が何に利用されるかはさまざまな要素で決まるものであり、他用途があることを排除の理由とすることには無理があります。再生資源である木質バイオマスは循環社会における重要な資源であり、その再生産への投資などを誘導するためにも、マテリアル利用、エネルギー利用を含めた多様な利用方法が開発されるべきです。

また、仮に、利用の現状、環境負荷などに関する何らかの条件を満たす木質バイオマスを買取条件を設定した場合でも、林地残材の他、建築廃材、品質の面からマテリアル利用が難しい工場廃材など幅広い可能性があります。

さらに、未利用のなど一定条件を満たすもののみ対象とした場合、本報告書でも指摘しているようにトレーサビリティの仕組みが必要になりますが、この仕組みには未利用の定義など運用上困難な面があります。

以上を考慮の上、幅広く買取対象を検討して頂きたと考えます。



全木連webトップへ