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「国産材新流通・加工システム検討委員会」最終報告書をとりまとめる
(林野庁H15.12.16)


   

 

林野庁では、去る平成15年12月12日、第3回「国産材新流通・加工システム検討委員会」を開催し、最終報告書をとりまとめられましたのでお知らせいたします。

この委員会は、既報のとおり、林野庁が平成14年2月に策定した「木材産業体制整備の基本方針」を踏まえつつ、資源量やその成熟度等の各地域ごとに異なる木材供給の水準を、大規模需要者(大手住宅メーカー等)のより厳しくかつ多様な要求とマッチングさせるために必要な、価格の安定度合い、原木供給量等の具体的条件やこれを確保するための取組方向等を明らかにするとともに、モデル地域において具体的、実証的にシステム構築の方策等を検討するため、平成15年3月に設置されたものです。

なお、関連情報や最終報告書(全文)については、林野庁のホームページに掲載されております。
他サイトもしくは別ウインドウを開くhttp://www.rinya.maff.go.jp/puresu/h15-12gatu/1216kokusanzai.htm

 

国産材新流通・加工システム検討委員会「最終報告書」について

林野庁木材課

1 委員会の趣旨

「国産材新流通・加工システム検討委員会」では、国産材を利用して大規模需要者の求める条件(品質、規格、価格、供給の安定性等)に合致する製品を供給していくため、[1]新しい流通・加工システムのあり方、[2]それを構築するための木材供給の各部門(製品流通、加工、原木流通、素材生産及び林業経営)における必要な対策、などについて検討。

2 検討の経緯

本年3月に委員会を立ち上げ、ワーキンググループによる現地調査を経て、7月には「中間取りまとめ」として、新しいシステムのあり方について方向を提示。8月以降は、更に検討すべき課題について、作業部会を設置して検討し、今回、木材供給の各部門の具体的な対策を盛り込んだ「最終報告書」により、新しいシステムを提案。

3 「最終報告書」の概要

(1) 「中間取りまとめ」で示した基本コンセプトである、

[1] これまでは利用されなかった低質材の利用を図ることを重視しつつ、原木の総合的かつ合理的な流通・加工体制を構築することを基本とすること
[2] 新しい流通・加工の方向として、集成材、合板等のエンジニアードウッド等に国産材を使用していくことに焦点を当てること等を踏まえ、これを具現化した新しいシステムの全体像(別紙)を提示。

(2)また、このための木材供給各部門の取組(具体的なモデルケース等)を以下のとおり提示。

[1] 立木調達
・ 森林の資源状況等の情報を整備し、これを活用した伐採の働きかけ、立木の入札販売により、伐採林分の取りまとめ等を推進
・ 森林所有者・森林組合、素材生産業者、製材工場等による安定取引協定の締結など、流域内での連携を強化

[2] 素材生産
・ 素材生産業者の組織化等により、生産コストを削減するとともに、原木需要者との安定的な取引関係を構築
・ 生産コストの削減に向けた高性能林業機械による列状間伐などについて、地域特性に応じた機械化作業システム等を実証的に確立

[3] 原木流通
・ 市売販売に馴染まない低質材は、素材生産業者や原木市場等の主導により、山元ストックヤードから加工工場へ直送
・ 原木市場では、素材生産業者の組織化や、強度や含水率等による選別による工場への配送など、流通サービスを強化

[4] 製品加工
・ 分散する製材工場を活用して板類を生産し、これを集成材工場や内装材工場等の専門工場に集荷させる分散・集中型の加工システムを形成
・ 集成材用ラミナや単板等1次加工品の物流コストの削減を通じて原材料集荷範囲を拡大

[5] 製品流通
・ 販売先の拡大や安定的な取引関係の形成のため、関連企業等が一体となって、住宅供給者側と取引条件の整理、協定の締結等を実施

[6] 体質強化
・ システムに参加する事業体の経営改善を通じ、システムの健全性を確保するため、事業開始前と事業開始後一定期間は、外部の専門家による経営診断を実施
・ システムの円滑な運用を推進するため、林業・木材産業改善資金、木材産業等高度化推進資金といった制度資金や(独)農林漁業信用基金の信用保証制度を積極的に活用

(3)さらに、全体システムとしては、[1]消費者視点への転換、[2]需要動向に弾力的に対応し得る企業連携の構築、[3]多様な需要に向けた国産材利用の拡大と付加価値の向上、に留意すべきことについて提案。

4 その他

林野庁においては、本報告書の提案に沿った取組を支援する事業を平成16年度予算として概算要求中。

 

 

 

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