地域の独自性を活かした地域経済の再生が重視される背景には、(1)経済のグローバル化によって流動的となっている経済環境の下でも、持続的な発展を遂げ得る強靱な経済構造を形成する必要がある、(2)「三位一体の改革」に伴い、「地方にできることは地方に」という原則に従い、地域経済政策の立案を各地域自身において主体的に取り組む必要がある、ことが挙げられる。
地域経済分析の枠組みについては、(1)地域内・地域間のヒト・モノ・カネ・情報の流動を把握・分析する地域経済循環分析と、(2)地域内の人材の集積や教養・文化遺産といった当該地域が有している「資産」を把握・分析する地域固有資産分析の2つに分けることができる。この2つの分析を統合して用いることで、地域経済の全体像を把握することが可能になり、個別の政策領域からの発想にとらわれない、地域の総合的な戦略と政策の立案を行うことが可能となる。
地域経済循環モデルの活用によって、自地域の特徴を経済循環面から把握することができるようになり、またこうした分析を産業別・業種別に行うことで、地域として産業政策を立案することが可能となる。