『産業構造審議会環境部会地球環境小委員会中間取りまとめ−今後の地球温暖化対策について−』 (PDF形式:1.04MB)
→ これに対する意見です。全部で86頁です。
〔参考 中間とりまとめ66頁〕
3) 経済的手法について
○ 化石燃料に課税することによりエネルギー起源CO2 の排出量の抑制・削減を企図する、いわゆる環境税については、価格弾力性を通じて各主体の温室効果ガス排出の抑制を図ることが重要であり、京都議定書の約束達成を図る観点から、環境税を手法の1つとして検討すべきとの指摘があった。
他方、環境税は、エネルギー消費の増大が著しい民生・運輸部門の対策としての効果が不明確であること、米国や中国等と厳しい競争関係にある我が国産業に対して既存のエネルギー諸税に加えて新たに税負担が増大すれば、国際競争力に悪影響を及ぼすのみならず生産の海外移転を促進し地球規模の温暖化防止に逆行する恐れがあること、温暖化対策のための予算は既存の枠組みの中で十分に確保されておりその有効活用が先決であることなどから、その導入には反対であるとの指摘もなされた。経済的手法としての環境税の取扱いに関しては、こうした意見を十分踏まえるとともに、他の手法との比較や国際的な動向、これまでの地球温暖化対策の実績と評価などを十分考慮しつつ、総合的かつ慎重に検討することが重要である。
○ 温室効果ガスの排出事業者が排出できるガスの量を公的に定め、その超過分が生じる際には他の排出事業者や京都クレジットの活用により不足分を確保することを内容とする、「キャップ・アンド・トレード型の排出量取引制度」については、排出枠の設定と市場における取引を通じて温室効果ガスの排出削減を進める同制度を検討すべきとの指摘があった。他方、排出量取引制度は、政府による排出枠の割り当てを伴う場合は政府の関与が極めて強い手法であり反対であること、市場メカニズムの中で企業が自らの判断で決定すべきエネルギーの使用量を政府が公正かつ客観的に事前に定めることができるか疑問であること、産業分野においては自主的な行動計画によりCO2 の排出削減の実績を挙げているところでありこうした自主的取組みの透明性・信頼性を高めるために有効な手法を総合的に検討することが重要であることなどの指摘があった。経済的手法としての排出量取引制度の取扱いについては、こうした意見を十分踏まえるとともに、他の手法との比較や国際的な動向、これまでの地球温暖化対策の実績と評価などを十分考慮しつつ、総合的かつ慎重に検討することが重要である。 |