現行のダイオキシン類の測定に係る各種公定法は、異性体の1つ1つを測定する超微量かつ高度な分析法であり、高額で、分析に時間がかかることなどから、簡易な測定方法の開発・適用が求められている。
最近、民間企業等において、種々の簡易測定法の開発が進められており、一部において、事業化され、事業者の自主的な測定等に活用されてきている。なかでも、バイオテクノロジー等を活用した生物検定法(バイオアッセイ法)は、費用、分析時間等の観点から、有望な簡易測定法として注目されている。
こうした状況を踏まえ、環境省では、これらの簡易測定法について技術的検証を行うため、環境管理局長の私的諮問機関として専門家からなる「ダイオキシン類簡易測定法検討会」を設置し、排出ガス、ばいじん及び燃え殻に係る簡易測定法の適用可能性について検討を行い、今年度末を目途に、検討結果を取りまとめることとしている。
なお、検討に当たり、特に様々な手法が開発されている生物検定法については、民間企業等における測定法開発を促すため、測定法を公募する。
検討の結果、技術的に妥当な簡易測定法については、公定法を補完する方法として位置付けていく予定である。
検討会委員(50音順、敬称略)
伊藤 裕康 |
国立環境研究所化学環境研究領域計測管理研究室 主任研究員 |
酒井 伸一 |
国立環境研究所循環型社会形成推進・廃棄物研究センター センター長 |
半野 勝正 |
千葉県環境研究センター廃棄物・化学物質部化学物質研究室 上席研究員 |
宮田 秀明 |
摂南大学薬学部 教授 |
森田 昌敏 |
国立環境研究所 統括研究官 |
渡邉 肇 |
岡崎国立共同研究機構統合バイオサイエンスセンター助教授 |