〔文責:企画部・指導課〕

 

ベンチャーフェアJAPAN’98〔技術開発事業化セミナー〕

 

日 時      平成10年10月16日(金)11:00〜12:00

講 師      中 西 幹 育 アース研究会会長

 

概 要

・先が見えない時代になっているが、研究開発型企業として位置づけ、経営戦略を新技術を重要な位置づけとしている。

 ビジネスサイズは関係がなく、利益がどれだけ残るかということを重視している。

マーケットリサーチは、他にない、高付加価値商品を基本にしている。

例え、10億円のマーケットでも新しいテクノロジーがあれば、5億とか6億の付加価値が取れることになる。

競争原理は、大手には人・もの・金・情報・知恵 等の面でかなわないので、中小企業の独自性が発揮できる高付加価値経営を目指し、人がやっていないこと、あるいは、人が気がついていないことでお客が喜んで使ってくれるものを創ることを展開してきた。

 

三次局面に印刷する技術は20年以上前にはなかった。現在は年商70億円であり、今でも付加価値率は50%以上ある。

今年、ベンツとの合弁でフランスに新しく工場を造った。

これまで、エレクトロニクス、ケミカル、機械等の分野で人に負けないテクノロジー、イノベーションに特化したものをお客に提供するために展開してきた。

 

中小企業の展開の方向

 

独自技術型(世界初)

独自の技術ノウハウで世界的規模のシェアを握る

 

・特定企業

・個別価値観

・低コスト

 

独自商品、ノウハウ型(特化)

特化した分野で商品、ノウハウ、技術を標準化

 

ハイブリット型

知恵とネットワークを駆使し、創造革新を続ける。

特化した価値観を提案し、顧客と共有する。

他社との共創も積極的に実行する。

→事業展開前に、成功したときのルール等を含め、細かく規定し、文書化しておくことがトラブルを回避する上で、極めて重要。

 

グローバル型

技術ノウハウは普通で世界的規模でもって展開

 

考え方

     + 

大きい流れを、方向を探る     細かく理論的に分析

→ アナログ的に全体を把握し、デジタル的に実行

 

 企業は顧客の求める商品サービスを提供することが基本

 

原点

 時代と共に人間の欲求は進化するものである。自然な人間の欲求を正しく理解し得ることが企業の政策展開で必要な条件となる

・むしろ蓄積されたノウハウ、サービス力、調査力を使って、現市場の深化、領域の拡大のために従来型でない新しい開発力を試みることが重要。→実行することが重要

 

中小企業の特性が生かせる技術開発

    ○Base Tesh       国家、大学、大企業研究機関

    │ →ブリッジテクノロジー(Key Tech) 中小企業の特徴を生かせる

    ○High Brid Tesh

    │ →ブリッジテクノロジー(Key Tech) 中小企業の特徴を生かせる

    ○プロセス

    │プロダクツ

    │インベンション

 

 

          ・プロダクツイノベーション

            新商品コンセプトの提出、新商品の技術革新

         ・プロセスイノベーション

           生産工程上の技術革新

          ・インベンションイノベーション

            発明上の技術革新

 

局面印刷の開発プロセス

・情報  印刷関係者との会話

    局面に印刷する方法は世界にはない

・情報 1973年NHK・TV報道

  プラスチック文明到来

現地で原理を確認

・墨流し法

・会津塗り

・既存技術の調査

 

PAT調査

・15年間遡り、技術面、物質面の関連特許等を調べた

  いかなる形状・局面にフィトする

 

・情報  電気掃除機の不良が多発

  CDLORの不一致

 

印刷の本質

  ・希望した柄・デザイン等が再現できる。  →  墨流し法は印刷技術とはいわない。

 

問題意識の明確化

・気体・液体  → 一番の開発のハードル=開発のポイント

                希望した柄・デザイン等の固定・またはプリントが困難

 

腹痛 →苦い薬(熊の胆)→オブラートで包んで飲む 

 

生分解性素材の応用→7年前から展開

・炭素同化サイクル(環境対応)

・市場は発泡スチロールが基本(EPS)→同じ性能

・天然植物性原料 アセテート 熱量539cal

・発泡原理  →高温・高圧→常温・常圧(蒸発・膨張)→H2

・生分解性のチェック

・重量減少のチェック

・アセテートの海中侵浸試験→海の中でもOK

・耐水性もOK

・開発のヒント→天ぷら屋で食事→水を含んだ小麦粉を油で揚げる→原理を考え、生分解性樹脂に応用

→現在、研究開発(各種のデータも含め)を終え、時代が追いついてくるまでまっている段階。=21世紀に販売

光触媒反応とは、汚れ等の有機物は最終的には炭酸ガスと水になる

 

αGEL開発のプロセス

・時代の流れ 軽薄短小:高密度化

・どこまで高密度化が進だろうか? LSI→超LSI

・PAT調査・既存技術調査→ほとんど埋め尽くされている=隙間がない

・他人の目で自分の廻りを評価

・日常生活の廻りから→風でアイスノンを使用

・次の時代を読み、お客にどのように使われるか

現在進めているもの

電磁波シールド → テーマアップして商品を用意しておく

 

 

 

〔概要とコメント〕

開催2日目の21日の午前中に視察したが、雨の中でも多くの来場者が訪れ、経済低迷、構造不況にも関わらず、改めて、「環境」「リサイクル」が重要なキーワードであることを感じた。

視察の最大の目的は、ダイオキシン対応の焼却炉の性能及び価格調査に重点を置いていたが、焼却炉メーカーの出展が少なく、エンジニアリング総合メーカーによる大規模プラントによるリサイクルや発電が主体であり、マイナスの生産性であったり、設備投資生産性を生まない廃棄から総合的なリサクルに流れがシフトしているように感じた。

ダイオキシンの測定で、ドイツのメーカーが開発した測定方法では、1検体10万円という低コストのものもあったが、商社が介在したり、測定自体はドイツで行われるため30万円程度係るとのこと。新しい測定についても開発されつつあるが、厚生省の認可までに今しばらく時間がかかるようである。

また、生ゴミの堆肥化等は、家庭用から自治体向けの小〜中〜大規模のものまで種類も生産メーカーも増加している。

海外からは欧州連合として、特に、世界的に環境規制が厳しい、ドイツの環境・リサイクルメーカーからの出展が多く見られた。

 

注:視察資料の回覧は省略 → 閲覧は企画部指導課まで

 

 

 

 

〔概要とコメント〕

21日の午後に視察したが、住宅不況のあおりからか出展企業、来場者も例年に比べ少ない状況であった。

場内では、片隅で「第3回産直資材全国展示会」が情報センターの主催で行われていたが、出展者のテーマや出展品を含め過去よりは、工夫されていたが、来場者に対する説明・営業用ツールが貧弱なのは気になるとことである。

それに対し、欧米の企業・団体の出展は、コンセプトを明確にし、データ、写真を中心にサンプルも充実している内容のものが多くあり、特に、カナダ在来木材協議会(5社はうち3社までが在日事務所を構えている)は、在来構法メーカー、木材バイヤーや中小工務店向けに各種の資料提供の中に、品質保証プログラムに代表されるように、周到なマーケット戦略の下に、プログラムが実践されていることが理解できた。中間材料だから、今まではこうだったから、売れないから価格が下がるという戦略不在で、貧弱な小手先の戦術だけ、他人任せではなく、個別企業の自助努力はもとより、やる気のある同業者が結集して、正に、「売るための努力」をし、「売れるものを売る」という見本ではないかと思われる

 

注:視察資料の回覧は省略 → 閲覧は企画部指導課まで