このページを  保存  お気に入りへ  印刷

農林水産省木材利用拡大行動計画の策定について〔H15.9.4掲載〕


   

 

先般、農林水産省では、平成15年12月に策定した「地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策」において木材の利用推進を重要な柱の一つとして位置付けたこと等を踏まえ、対策推進のための具体的行動計画の一つとして、農林水産省自らが、

  1. 農林水産省関係公共土木工事については、間伐材等木材を利用した工事を積極的に推進(グリーン公共事業の推進)。
  2. 農林水産省関係補助事業における対象施設については、木造化、内装の木質化を積極的に推進。
  3. 農林水産省及び関係機関の対象施設については、木造化、内装の木質化を積極的に推進。
  4. 対象物品の購入に当たっては、木製品の導入を積極的に推進。

等の取組方針を内容とする木材利用の拡大に取り組む「農林水産省木材利用拡大行動計画」を決定されました。

森林の持つCO2の吸収・固定する機能が地球温暖化防止効果につながること、その森林から産出される木材は、化石・鉱物資源と違い、森林→伐採→植林→成長→森林と一定の期間を経て再生産が可能な循環型資源で、かつ、加工エネルギーが少なく、建築材に使われた場合、建築物として使用されている期間中は材内に炭素を固定するなど、他の材料と性質が大きく異なる有機性資源であり、21世紀の循環型資材ともいえるものであります。

さらに、木材は軽くて丈夫、加工しやすい、湿度を調整し、断熱性が高く、独特のぬくもりを感じさせるなど他の材料と大きく異なる性質もつことから、古代から住居、道具、日用品、船、神社仏閣・橋等の建築物、エネルギー等の様々な用途に使用されてきたところですが、近年、その需要が低迷している中にあって、この施策は、民需につなげる需要発起の誘発剤になることが期待されます。 

〔問い合わせ先〕

林野庁林政部木材課利用推進企画班
  担当:野口、近藤
  電話:03-3502-8111(内線6176,6177)
      03-3591-5794(直通)

〔情報掲載URL〕

他サイトもしくは別ウインドウを開くhttp://www.rinya.maff.go.jp/puresu/h15-8gatu/0820mokuzai.htm

 

農林水産省木材利用拡大行動計画〔抜粋〕

1 趣旨

木材は、調湿性に優れる、断熱性が高い、リラックス効果があるなど、人にやさしい、心安まる素材であるとともに、再生産可能な自然素材であり、その利用を推進することは、森林のもつ多面的機能の発揮を通じて地球温暖化の防止や資源循環型社会の形成にも資するものである。また、地域の森林で生産された木材を地域の住宅や公共施設等に幅広く利用することは、地域の森林の適切な整備に資するだけでなく、地域の活性化につながるものである。

このため、農林水産省では、平成8年に省内の関係部局からなる「農林水産省木材利用推進連絡会議」を設置し、各種事業における木材の利用状況等に関する情報交換や木材の利用推進に向けた連絡調整を行ってきた。

これらの取組の結果、治山・林道事業における間伐材等の木材の利用や農林水産省本省における木製事務机の導入において、着実にその実績を上げてきた。

しかしながら、平成13年の我が国の木材需要量は、新設木造住宅着工戸数が落ち込む中で、約9千万m3と、昭和58年以来の低水準となった。今後の木材の需要を確保していくに当たっては、公共部門において木材利用の拡大を図り、民間部門の先導役としての役割を果たしていくことが重要である。

また、農林水産省は、平成14年12月26日に策定した「地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策」において、健全な森林の整備等とともに、木材及び木質バイオマス利用の推進を重要な柱の一つとして位置付けた。

これらを踏まえ「先づ隗より始めよ」という諺にもあるように、農林水産省、及び関係機関を挙げて自ら木材利用の拡大に取り組むこととし、そのための行動計画を定める。

なお、本行動計画の実施に当たっては、公共工事等のコスト縮減に取り組む必要性にも十分留意する。

2 取組の対象、取組方針及び取組期間

(1)取組の対象

木材利用拡大に取り組む対象は、

  1. 農林水産省関係公共土木工事における柵工・土留工等の施設、農林水産省関係補助事業における建築物等の施設並びに農林水産省及び関係機関の庁舎等の施設(以下「対象施設」という。) 。
  2. 農林水産省及び関係機関における備品及び消耗品(以下「対象物品」という。)

とする。

なお、農林水産省関係公共土木工事については、独立行政法人(今後独立行政法人化する機関を含む。以下同じ。)に対する農林水産省の補助事業に係るものを含む。また、農林水産省及び関係機関の庁舎等の施設については、独立行政法人が農林水産省の補助事業で整備するものを含む。

(2)取組方針

以下の方針に基づき木材利用の拡大に取り組む。

  1. 農林水産省関係公共土木工事については、間伐材等木材を利用した工事を積極的に推進(以下「グリーン公共事業の推進」という。)。
  2. 農林水産省関係補助事業における対象施設については、木造化、内装の木質化を積極的に推進。
  3. 農林水産省及び関係機関の対象施設については、木造化、内装の木質化を積極的に推進。
  4. 対象物品の購入に当たっては、木製品の導入を積極的に推進。

(3)取組期間

本行動計画においては、地球温暖化対策推進大綱、地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策を踏まえ、当面、第1ステップとして平成15年度、16年度を対象として集中的な取組を行う。

その後の第2ステップ、第3ステップについては、第1ステップの成果を検証した上で必要な取組を行う。

3 木材利用拡大の目標

対象施設及び対象物品のうち、重点的に利用を拡大する施設及び物品(以下「重点施設」及び「重点物品」という。)を以下のとおり定め、これらについては、関係法令、構造、設置場所、コスト等の制約を受けるものを除き、「原則木造・木質化・木製品」との考えの下に、以下のとおり木材利用拡大に係る目標を定める。また、その他の対象施設及び対象物品についても木材を積極的に利用する。この場合、木材の利用計画に係る情報について、関係機関・関係団体等にできる限り早期に提供するように努める

なお、目標は特段の記載のない限り、平成16年度までに達成すべきものとする。

  1. 公共土木工事における目標(省略)
  2. 補助事業対象施設における目標(省略)
  3. 農林水産省及び関係機関の対象施設及び対象物品における目標(省略)

4 モデル的な取組(省略)

5 木材の安定供給のための取組(省略)

6 実施に当たって留意すべき事項

(1)公共工事等のコスト縮減

木材利用の推進の観点はもとより、公共工事等のコスト縮減に取り組む必要性にも十分留意する。

(2)環境への配慮

「国による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)に」おいては、環境への配慮の観点から、国及び独立行政法人は、間伐材等の木材を使用した物品の調達、公共工事における小径丸太材(間伐材)やバーク堆肥(木質土壌改良資材)の利用、現地での伐採材を活用した法面緑化工法の選択等に努めなければならないとされており、これらが更に促進されるよう配慮する。

また、併せて本行動計画に基づく木材の利用が「持続可能な森林経営」の推進に資するよう配慮する。

7 成果の検証、報告及び公表

本行動計画に基づく取組の成果について、各年度ごとに速やかに検証を行う。

また「農林水産省木材利用推進連絡会議及び同幹事会」において、取組の成果について検討し、「農林水産省循環型社会構築・地球温暖化対策推進本部」に報告するとともに、公表する。

8 取組の普及促進

本行動計画について「木材利用推進関係省庁連絡会議」の場等を通じて、関係省庁に対して説明し、また、都道府県及び市町村の農林水産担当部局、農林水産関係団体等にも積極的に働きかけるなど、関係省庁、地方公共団体・関係団体等との連携強化を図り、木材利用の拡大に努める。

 

 

 

全木連webトップへ