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地土交通省「新たな住宅政策のあり方について」の意見募集
(平成15年7月31日まで)


   


 社会資本整備審議会住宅宅地分科会(分科会長:八田(はった)達夫(たつお) 東京大学教授)は、平成15年6月24日開催の同分科会において、「新たな住宅政策のあり方について」の建議(案)をとりまとめる予定です。

 同分科会は平成14年5月に企画部会を設置し、住宅事情の変化や経済・社会情勢の変化、都市基盤整備公団や住宅金融公庫の特殊法人等改革を踏まえ、今後の住宅政策のあり方について集中的に審議を行ってきました。

 本建議(案)においては、「市場重視・ストック重視」「消費者政策の確立と住宅セーフティネットの再構築」など新たな住宅政策における4つの基本理念が掲げられており、また、その理念を確立するため、「住宅建設計画法」の抜本改正や公営住宅制度の改善などに関する提言が盛り込まれています。

 なお、本建議(案)については、国土交通省のホームページを通じて、6月27日(金)から7月31日(木)までの間、広く国民より意見を募集することとしており、寄せられた意見を踏まえ、本年9月を目途に最終的なとりまとめを行うことを予定しています。

〔情報掲載URL〕
他サイトもしくは別ウインドウを開くhttp://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/07/070624_.html

 

〔ポイント〕

  1. 民間住宅市場を中心とする新たな政策展開として、良質なストックが形成、管理、流通するような市場活用型の政策展開
  2. 消費者政策の確立として、欠陥住宅・シックハウス問題の根絶
  3. 住宅セーフティネットの再構築・・・公共賃貸住宅制度の見直し
  4. 少子高齢化、環境問題等に応える居住環境の形成・住環境指標の整備、密集市街地対策、住環境マネジメント(NPO)
  5. 街なか居住、マルチハビテーションなど都市・地域政策と一体となった政策へ

 

「新たな住宅政策のあり方について」建議(案)の概要

背景事情
1. 住宅事情の変化
   ・住宅不足の解消、今後の世帯数の減少などによる住宅需要の変化
   ・国民のニーズと住宅ストックのミスマッチ
   ・低水準な住宅ストックの質と低い住環境の質
2. 経済・社会情勢の変化
   ・少子高齢化や家族形態の変化
   ・地球環境問題の深刻化
   ・安全・安心に対する意識の変化
   ・経済環境・構造の変化
   ・地方分権と地域の自主性
3. 特殊法人等改革

新たな住宅政策の必要性

新たな住宅政策の基本理念
1. 新規供給重視・公的直接供給重視から市場重視・ストック重視へ
2. 市場重視の政策に不可欠な消費者政策の確立と住宅セーフティネットの再構築
3. 少子高齢化、環境問題等に応える居住環境の形成
4. 街なか居住、マルチハビテーションなど都市・地域政策と一体となった政策へ

 

基本理念の確立=住宅建設計画法の抜本見直し

これからの政策の基本方向を示す法律として名称も含めた抜本改正の必要性
○ 基本理念の提示
○ 中・長期的な政策目標の提示
   ・市場の望ましい方向性を示す形でストック目標、アウトカム目標の設定
   ・身近な行政サービスを担う主体である市町村も計画策定主体とすることの検討等
○ 現状把握と政策評価
   ・現状把握・政策の策定・評価・改善のサイクルの確立と現状把握のための調査・統計整備
具体的指針
1. 民間住宅市場を中心とする新たな政策展開
    良質なストックが形成、管理、流通するような市場活用型の政策展開
(1) 住宅税制
   ・住宅取得促進税制、流通課税、土地税制のあり方の検討
(2) 住宅金融
   ・証券化手法の定着と開発、消費者利益の保護、金融面のセーフティネットの確保
(3) 市場のルール
   ・公平なルールづくりと制裁的措置の明確化、紛争処理の充実
(4) 今後の政策の重点分野

〔1〕 中古・リフォーム市場
    ・性能面・価格面における情報開示、税制上の取扱いの同等化、リフォーム支援策の検討
〔2〕 賃貸市場
    ・持家の賃貸化支援、投資環境の整備、管理の合理化、契約関係の明確化
〔3〕 定期借地・借家市場
    ・定期借地権付住宅の流通市場の整備、定期借家制度の普及促進
〔4〕 マンション市場
    ・マンション管理士の定着、維持修繕に関する履歴情報の適切な管理

(5) 総合的な住生活産業の発展

2. 消費者政策の確立
欠陥住宅・シックハウス問題の根絶など住宅に関する不安の解消と消費者の適切な判断が可能となる政策展開
(1) 情報開示・紛争処理
   ・消費者に対する情報提供や啓発活動、紛争の相談体制の充実
(2) 規制・・・安全性の確保
   ・違反建築物対策、金融における検査済証の確認促進、シックハウス対策
3. 住宅セーフティネットの再構築・・・公共賃貸住宅制度の見直し
公営住宅等のストック管理のあり方の見直し、住宅手当や家賃保証に関する検討
(1) 公営住宅
   ・入居者資格等における保有資産の反映、収入超過者等に対する家賃の市場家賃との連動強化
(2) その他の住宅セーフティネット等
   ・高齢者向け優良賃貸住宅の普及促進、公団ストックの活用、公社のあり方の見直し
4. 少子高齢化、環境問題等に応える居住環境の形成
(1) 少子高齢化、環境問題等に応える住宅の品質
   ・税制、予算、金融面による質の誘導、土壌汚染対策に関する基礎知識の普及啓発
(2) 住環境政策
   ・住環境指標の整備、住環境を踏まえた価格査定、密集市街地対策、住環境マネジメント(NPO)
5. 街なか居住、マルチハビテーションなど都市・地域政策と一体となった政策へ
(1) 街なか居住と郊外居住
   ・容積率等の規制面における対応、都市再生機構によるコーディネート・整備
   ・豊かなライフスタイルとしての新しい郊外居住
(2) マルチハビテーション
   ・マルチハビテーションの支援策の検討、地方居住の支援

 


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