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地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策の策定について


   

 農林水産省は、平成14年12月26日、「地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策」を作成されました。
本対策は、森林・林業基本計画の目標達成に必要な森林整備、木材供給、木材の有効利用等の取組を、地球温暖化対策推進大綱に示されたステップ・バイ・ステップの考え方に基づき2003年から2012年までの10カ年にわたり国、地方公共団体、事業者、国民各層の連携・協力の下に、着実かつ総合的に実施することにより、地球温暖化対策推進大綱において国民的課題とされた森林による吸収量1,300万炭素トン(京都議定書の6%削減約束のうち、3.9%に相当)の確保を目指し、もって、京都議定書の6%削減約束の達成と地球温暖化対策の推進に資するものです。

〔情報掲載URL〕
他サイトもしくは別ウインドウを開くhttp://www.rinya.maff.go.jp/puresu/h14-12gatu/1226ondanka/top.htm

〔問い合わせ先〕
林野庁森林整備部計画課 岡村
  TEL 03-3502-8111(内線 6596)、(直通)03-3502-0048

地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策の概要

平成14年12月26日

1 基本的考え方

森林・林業基本計画に基づくとともに、地球温暖化対策推進大綱において必要に応じて柔軟に対策・施策を見直すこととされていることを踏まえ、目標の達成に必要な吸収量の確保を目指す。地球温暖化対策の推進は政府全体として取り組むべき課題であり、温暖化対策税等の新たな税財源措置を含めた、様々な角度からの検討が必要と考えられていることから、このことも踏まえ対応する。

 

2 10カ年対策の目標

健全な森林の整備

育成林全体について、全国森林計画及び同計画に即して作成される地域森林計画等に基づき、多様で健全な森林整備を展開する。

保安林等の適切な管理・保全等の推進

保安林等全体について、指定目的に応じた機能が持続的に確保されるなど良好な管理・保全等の実現を目指す。

木材及び木質バイオマス利用の推進

望ましい森林の整備の確保はもとより循環型社会の形成、持続可能な社会の実現等の観点から、森林の整備を通じて供給される木材資源の利用を促進する。

国民参加の森林づくり等の推進

広範な国民の直接参加による森林の整備・保全活動や森林環境教育普及啓発及びを推進する。

 

 

3 対策の内容
(1)実施に当たっての展開方向

本体策は、民有林と国有林を通じ、山村と都市との連携を図りつつ、国、地方公共団体、事業体及び国民が一体となって、各地域における森林整備の必要性等についての理解を共有し参画する取組として展開する。

また、本対策の推進に当たっては、関係府省との連携を図るとともに、林業・木材産業の構造改革を推進しつつ、コスト縮減等により森林整備等の効率化を徹底し最大限の効果の確保を図る。

さらに、温室効果ガスの排出の抑制等のため政府自らが率先して実行することの意義は高いことから、政府の実行計画に基づき、国有林野における健全な森林の整備や適切な管理・保全等を図るとともに、木材の利用等を進める。

 

(2)ステップ・バイ・ステップの取組

地球温暖化対策推進大綱に基づき、ステップ・バイ・ステップのアプローチによりステップごとに必要となる取組を着実に実行する。

第1ステップにおいては、各地域における森林吸収源対策の展開に向けた行動計画の作成、森林・林業の担い手の確保等の体制整備に直ちに着手するとともに、施策の重点化・効率化等を徹底し、最大限の効果の確保を図る。

第2ステップにおいては、第1ステップでの対策の進捗状況等を踏まえ、目標の達成に必要な追加的な施策を含め森林整備等の強化を図る。

第3ステップにおいては、第2ステップまでの対策展開の成果を踏まえつつ、目標の達成に万全を期するために必要な施策を着実に進める。

なお、森林吸収量にかかる報告・検証体制については、第1、第2ステップを通じて整備を図り、第3ステップにおいて適切に報告を行う。

 

(3)具体的対策

健全な森林の整備

各地域において地方公共団体、林業関係者、NPO等幅広い関係者が参画して、管理不十分な森林の整備を着実かつ効率的に実施するための行動計画を作成し、多様な森林整備や生物の生息・生育空間の適切な配置を確保し自然生態系の再生が図られるような取扱を推進する。

保安林等の適切な管理・保全等の推進

森林の荒廃を防止するため、治山施設の効率的かつ効果的な整備に取り組むとともに、保安林制度の適切な運用により保安林の保全対策の適切な実施等を進める。

木材・木質バイオマス利用の推進

木材利用に関する国民への普及啓発、木材産業の構造改革等を通じた住宅や公共部門等への木材の利用拡大、木質資源の利用の多角化を進める。

国民参加の森林づくり等の推進

森林吸収源対策に関する幅広い国民の理解と参画を促進するため、国、地方公共団体、事業者、NPO等の連携の下に、各地において植樹祭等のイベント等を通じた普及啓発、主体的かつ継続的な森林ボランティア活動、森林環境教育、森林の多様な利用等を推進する。

吸収量の報告・検証体制の強化

2007年に予定される吸収量の算定・報告体制にかかる条約事務局の審査に向けて、必要な森林資源情報の収集システムの整備等を進め、報告・検証体制を強化する。

 

 

 

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