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室内空気対策技術ハンドブックの紹介について


   
  1. 国土交通省関連では、住宅性能表示制度において、内装材のホルムアルデヒド対策を評価したり、室内空気の化学物質の濃度測定を行っていたところであるが、国土交通大臣の諮問機関である社会資本整備審議会の中に、建築分科会室内化学物質対策部会が組織され、室内空気汚染問題(いわゆるシックハウス問題)に対応した建材、換気設備等の建築基準のあり方について審議がなされ、平成14年1月30日、建物すべてについて、新築や改築時に原因物質を出す可能性がある建材の使用を制限するべきとの内容を盛り込んだ第一次答申が行われた。

  2. これをふまえ、3月8日にシックハウス対策のための建築基準法の改正案が閣議決定され、第154回通常国会に提出、7月5日に成立し、7月12日に公布された。

  3. その後、国土交通省は、シックハウス対策の技術的基準の試案の公表・パブリックコメントを実施、終了後第2次案を公表し、さらに政令案及び告示案のパブリックコメントを実施して、12月26日に政令及び告示が示された。
  4. この改正建築基準法は、平成15年7月1日に施行される。さらに、建築材料の告示の運用等を示した建築関係者の実務者等向けのマニュアル等を作成し、平成15年5月以降、全国で説明会が開催される予定である。なお、シックハウスに関して平成15年3月に農林水産省はJAS規格を、経済産業省はJIS規格を改正するところであり、これを踏まえた国土交通省の告示改正もなされる見込みである。木質建材についてはJAS規格製品であることが原則として求められることから、合板、フローリング等については、従来より表面への化粧等の二次加工をした製品についてもJAS規格を取得することが可能であることも踏まえ、木質建材の製造業者におかれては、登録認定機関と連携をとりつつJAS規格改正への対応に万全を尽くす必要がある。

  5. 他方、全木連は、JAS規格に適合せず、かつホルムアルデヒド系接着剤を用いていない特殊な製品についてシックハウスに関連する木質材料の表示登録制度の創設を検討しているところであり、また、その他関係団体の表示登録製品の情報についても全木連のホームページで公開することを予定している。

〔参考〕 建築基準法関係シックハウス対策政令・告示の概要

  1. 規制対象とする化学物質は、クロルピリホス及びホルムアルデヒドの2物質
  2. クロルピリホスに関する規制は、居室を有する建築物には、クロルピリホスを放散するおそれのある建材の使用禁止
  3. ホルムアルデヒドに関する規制は次のとおり
    • 内装仕上の制限
    • 建築物の気密性の区分、居室の種類、換気設備の区分及び建材の等級に応じて、内装仕上に使用するホルムアルデヒドを放散する建材の面積制限を行う

    • 換気設備の義務付け

      ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、家具からの発散があるため、一部の旧来型の木造住宅のような気密性の低いものを除き、全ての建築物に常時換気ができる構造の機械換気設備の設置を義務付け

    • 天井裏等の制限

      天井裏等については、下地材をホルムアルデヒドの発散の少ない等級の建材とするか、機械換気設備を天井裏等も換気できる構造とする

  4. 製材品などのむくの木材製品は規制対象外であり、合板、フローリング、構造用パネル、集成材、単板積層材、MDF、パーティクルボードについては、原則としてJAS規  格製品、JIS規格製品であることが求められる。JASで定める放散量の極めて少ない建材  についても、規制対象外。→JAS規格の改正により、現在の最上級のFc0は、F☆☆☆と  し、さらに上位等級のF☆☆☆☆を追加する予定(3月29日施行)。

     注:シックハウスの問題については、国会で長時間論議され、シックハウスに対する国民の不安を反映し、厳しい対応を望む意見ばかりであった。ホルムアルデヒドとクロルピリホス以外の物質についても規制すべきと国会で附帯決議もなされている。

    また、内装材と下地材が規制されるが、柱、梁等の軸材については規制対象にはならない

 

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