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中小企業白書 2005年版 の紹介について


   

 

経済産業省中小企業庁は、2005年版の中小企業白書〜日本社会の構造変化と中小企業者の活力〜 を公表されましたのでご紹介いたします。

 

〔情報掲載URL〕

http://www.chusho.meti.go.jp/hakusyo/index.html

 

 

 

2005年版中小企業白書の特徴構成と特色

 

第1部

◎非製造業や小規模企業を中心に弱い動きが見られる中小企業の業況を分析

 

第2部・第3部

◎人口減少等の社会と経済の構造変化の中での中小企業の活力を分析

 

<課題1>マーケットの変化と中小企業の経営革新

  • グローバル化、内外の人口動態等を背景に海外市場の重要性が上昇
  • 下請けの減少、ヒット商品の短寿命化等で販路開拓の重要性が上昇
  • 独自性を活かした研究開発、ブランド力強化等の高付加価値化が課題等の、経営者のリーダーシップの発揮による経営革新に向けた課題を分析。

 

<課題2>中小企業の経営革新等を支える金融

金融環境の変化の中で進展するリレーションシップバンキングの円滑化に向けた課題を分析。不動産担保に頼らない融資、市場型間接金融等の中小企業の資金調達手段の多様化の状況を分析し、併せて、自己資本比率向上の方途を探る。

 

<課題3>中小企業と地域再生のあり方

地方で人口減少が本格化する中で、地域再生に向けコンパクトなまちづくりが重要な課題。中心市街地と商業集積の活性化の課題について内外比較を含め分析。併せて、地域中小企業再生支援協議会の活動状況等を分析。

 

<課題4>日本社会の構造変化と中小企業の活力

人口減少社会の到来等の社会の変化の中で、労働力人口の下支えの観点からの高齢者と女性の活用、若年者の雇用状況の改善等が重要課題。少子化対策の観点からは、女性の就業と出産・育児の両立等が重要。これら社会的要請に沿う形で、中小企業にはSOHO等の自営業を含め多様な就業機会を提供することが期待されることを分析。雇用創出や生産性向上に重要な開業率が低下する背景等について、就業行動との関連で分析し、中小企業が日本社会の活力の源泉として機能する上での課題を明らかにする。

 

 

(まとめ 日本社会の構造変化と中小企業者の活力)

 

<構造変化の中での成長力確保>

・ 人口減少等の社会と経済の構造変化の下で今後も成長力を確保していくには、経済再生を担う多様な産業群を形成し、イノベーションと需要の好循環を持続していくことが重要。

 

・ 中小企業の経営革新は、先端分野から地域市場まで、新市場開拓と生産性向上に寄与し、経済成長に貢献。特に、経営者のリーダーシップの発揮が重要。

 

・ 経営革新を支える資金供給については、リレーションシップバンキングを実効性あるものとし、不動産担保に頼らない融資をさらに進める等の取り組みが必要。

 

<人材活用での中小企業の役割>

・ 今後重要な高齢者、女性、若年者の活用において、中小企業は大きく貢献。

・ 中小企業の人材獲得におけるミスマッチの解消、人材育成への支援、事業承継の円滑化等が重要。

 

<地域再生と中小企業>

・ 地方で人口減少が本格化する中では、地方社会の基盤となる都市の再生や、独自の技術を有する産業集積の再活性化等が重要。

 

・ コンパクトなまちづくりはこの観点から重要な課題。中心市街地と商業集積の活性化に地域自らも主体的に取り組んでいくことが必要。

 

<開業活動と雇用創出の活性化>

・ マクロ経済の低迷と中堅層のリスク回避志向の高まり等から、自営業者への新規参入が大きく減少。産業構造の高度化を実現する雇用創出や、市場の活性化に大きな役割を果たす開業活動の活発化が重要な課題。

 

・ 雇用形態と自営形態の間を含め、社会における人材の流動化が進むよう各種条件整備を進め、リスクに挑戦する者が報われる環境を整えることが課題

 

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