住宅使用地域材性能把握事業(新規)

 

1 趣 旨

 我が国では森林資源が成熟し、地域材の供給力が増加している中で、その利用促進が課題となっており、最大の木材需要先である住宅分野での利用が期待されている。

 一方、建築基準法の性能規定化により一定の性能を満たせばどのような建築方法でも可能となった。

 このような中、建築現場で採用する構法については、例示されたもの以外を用いる場合には、施工者自らが構造上安全であることを証明する必要があるが、地域材利用の担い手である中小の大工・工務店の多くは構造計算の経験すらない者であり、その対応に苦慮していることから、木造住宅へのさらなる地域材利用の促進のためには、地域材の利用推進に資する構法の強度性能等について、的確な把握とその普及が極めて重要となっている。

 また、社会的な関心事項となっているシックハウス症候群に対応していくため、毒性の判明している化学物質については個々に規制される方向にあるが、これだけでは不十分であり、化学物質の総量規制が必要との考え方がある。このような中、地域材もテルペン類等の天然の化学物質を放散しており、これが一括して化学物質の総量規制の対象とならぬよう、地域材が放散する天然のテルペン類等の健康面における有効性を広く普及するため、地域材の有する性能の迅速かつ的確な把握が必要となっている。

 このため、住宅分野における地域材利用を取り巻く新たな課題に的確に対応していくために必要となる地域材の性能把握及びその普及を実施する。

 

2 事業内容

 テーマごとに地域材の性能把握とその普及を実施する。

 (1)構法に関する性能把握

 貫(ぬき)や込み栓などを使った伝統構法の強度性能 等

 (2)室内空気環境に関する性能把握

 地域材を使用した住宅の居室内における揮発性物質の特性 等

 (3)把握した性能の普及

 大工等を対象とした講習会の開催

 一般向けのパンフレットの作成・配布 等

3 事業実施主体      (財)日本住宅・木材技術センター

 

4 補助率                 定額

 

5 事業実施期間        平成14年度〜16年度(3年間)

(担当:林野庁木材課)