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1、地域材の新しい大規模な流通・加工システムを確立する対策(新規)


   

 

1 趣旨

「森林・林業基本計画」に掲げる木材の利用目標(平成22年:2千5百万m3)を達成していくためには、現状では利用が進んでいない製品や用途に地域材を利用し、それを拡大していく対策が必要不可欠である。
  このような中、これまでの中小の大工・工務店を見据えた対策に加え、大手住宅メーカー等の大規模需要者をターゲットとして、品質・性能の明確な製品を安定的に低コストで供給できる体制を構築していくことが重要な課題となっている。
  このため、「国産材新流通・加工システム検討委員会」を平成15年3月末に立ち上げ、同年12月まで、委員による東北、九州での6回の現地調査と3回の委員会を開催し、原材料(原木)の安定確保等を通じて、これまで利用が十分でなかった集成材、合板、内装材等に国産材を利用し、それを大規模需要者に安定的に供給していく新しい流通・加工システムの対応の方向(別紙)を明らかにしてきたところである。
  こうした方向付けを受け、森林資源の状況や木材産業の立地の現状など、地域毎の実情を踏まえ、実証的かつモデル的に具体的なシステムを実現するための対策を実施し、木材産業の構造改革を推進する。

2 事業内容

都道府県が単独若しくは複数連携して策定するマスタープランに基づき、システムを構築する上での生産・加工・流通の各段階における具体的なネックを解消し、全体が動くシステムとするため、必要な事業をメニューとして総合的に実施

(システム構築の基本的な姿)
  従来からの柱角等構造用ムクの製材品生産を中心とした流通・加工システムから、これまで利用が低位であった曲材、間伐材等の柱適材でない原木(いわゆる「B材」)を活用して、大手住宅メーカー等の大規模需要者に販路をもつ集成材や合板等を製造するシステムを組み込んだ総合的かつ合理的な流通・加工システムに再編することを基本とし、以下の(1)及び(2)の事業を組み合わせてモデル的かつ実証的に実施

 (1) 木材の新しい流通・加工システム推進事業

(製品流通) 内装材等製品情報の発信や地域材製品の需要者とのマッチング、情報技術を活用した流通モデルの実施、品質表示の推進等
(製品加工) 原木やラミナ等の安定確保のための供給側との連携(安定集荷活動、組織化、技術協力など)、加工ラインの検証や経営診断の実施、製品の性能試験等
(原木流通) 直送等新たな原木流通システムの構築、原木のグレーディングに基づいた契約販売の試行、情報技術を活用した流通モデルの実施、素材生産側との連携(安定集荷活動、組織化、採材指導など)等
(素材生産) 事業規模の拡大、協業化等による素材生産業者の経営改善、大幅な低コスト作業の実証及び普及、森林所有者との連携(立木調達活動など)等
(立木調達) 森林所有者との交流促進、円滑な立木調達のための森林情報の整備、入札販売の試行、立木公開市場のシステム設計等

 (2) 木材の新しい流通・加工システムモデル整備事業(林業・木材産業構造改革事業)

大幅な素材生産の低コスト化のための高性能林業機械の導入、低コストな原木流通システムのための山元ストックヤードの整備、合理的な原木配材のための原木グレーディングマシンの導入、製材工場のラミナ工場への再編のためのギャングソーや短尺製材施設等の導入、小径木対応型のロータリーレースの導入、集成材や合板用材の集荷範囲を拡大するための原木市場等へのラミナ加工施設や単板加工施設の導入等について、既存システムの再編という観点から実施

3 事業実施主体

都道府県、市町村、木材関連業者等の組織する団体、木材安定取引協定の締結等により地域材を利用する法人(構成員の過半数が林業、木材産業等を営む者)等

4 補助率

1/2、4/10、1/3

5 事業実施期間

平成16年度〜18年度(3年間)

6 平成16年度概算決定額

  1,432,776 千円 (   0 千円)
(1) 32,776 千円 (   0 千円)
(2) 1,400,000 千円 (   0 千円)※
    ※は林野庁経営課掲上

  

(担当:林野庁木材課)

 

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