ア:労働者の安全と健康の確保
労働者の安全と健康を確保することは、最も重要な国民的課題の一つである。事業者は、労働者の安全と健康を確保する本来的な責務を有しており、この観点から、労働安全衛生関係法令に規定された最低基準としての労働災害防止措置を履行するだけではなく、自主的な安全衛生活動を体系的かつ積極的に展開し、職場内のリスクの確実な低減に取り組む必要がある。
また、労働者も業務に関する知識等の維持、向上を図ることにより職場における安全と健康の確保を自らの問題として捉え、事業者の行う安全衛生活動に主体的に参画していくことが求められる。
イ:新たな対応
労働災害は長期的には減少傾向にあるが、今なお年間約55万人もの労働者が被災し、死亡災害は2,000人を下回るようになったものの、千人台の後半で推移
しており、労働災害防止に向けて一層の努力を傾注しなければならない。
さらに、これまでの経済発展を支え、それとともに成熟してきた我が国の社会経済システムは、内外の激しい変化の中で、将来に向けて大きな変革を求められている。企業においては、新しい経済環境に対処するため、事業分野、経営形態、人事
労務管理等あらゆる面で事業活動が見直されている。
労働市場においても、派遣労働、パートタイム労働等が増加する等、就業形態の多様化、雇用の流動化が進んでいる。このような変化により、労働安全衛生分野において新たな事象が発生する可
能性もあることから、この変化が安全衛生分野においてどのような影響を及ぼすかを注意深く見極めていく必要があり、こうしたことを踏まえ、今後の安全衛生対策
の在り方を検討し、効果的な安全衛生対策の推進を図る必要がある。
本計画は、このような状況を踏まえ、我が国における労働災害防止の主要な対策に関する事項その他労働災害の防止に関し重要な事項を示すものである。
労働災害防止の実効を上げるには、事業者、事業者団体、国等の関係者がそれぞれの役割分担の下に緊密な連携を図りながら、労働災害防止対策を総合的かつ計画的に
実施する必要がある。
このため、国が労働災害防止についての総合的な計画を長期的な展望に立って策定し、自らが今後とるべき施策を明らかにするとともに、労働災害
防止の実施主体である事業者等において取り組むことが求められる指針を示し、その自主的活動を促進することとしている。
このような趣旨から、昭和33年に産業災害防止総合5か年計画が策定されて以来、9次にわたって労働災害防止計画が定められてきた。昭和30年、40年代の第1次から第3次の計画では、最低労働条件を定めた労働基準法の下で、多発する死傷災害の防止が最も重要な課題であった。
昭和47年に労働安全衛生法が施行された後の第4次から第9次の計画では、より高い安全衛生水準の確保が課題として取り上げられ、特に最近は、労働災害の防止を図るため、職場内のリスクを体系的に低減させる取組についても重要な課題として取り上げられてきている。
本計画は、以上の基本的考え方に基づき、社会経済情勢等の変化を踏まえ、すべての働く人々の安全と健康の確保の実現を目指して、次に示す基本方針に立って策定したものである。
ア:死亡災害の撲滅
社会においてそれぞれの役割を担うかけがえのない存在である労働者が、生活の糧を得る過程で生命を失うことは、いかなる時代においても絶対に許されることではなく、事業者を始め関係者はその防止に全力を傾注しなければならない。
労働災害による死亡者数は、昭和56年以降17年間、2,000人台で一進一退する状況が続いたが、平成10年に2,000人の壁を破り、平成13年には年間1,700人台になった。今後は、この着実な減少傾向を堅持し、死亡者数のより一層の減少を図る。
イ:中小企業における安全衛生の確保
我が国全体の安全衛生水準は、着実に向上してきているが、中小企業における安全衛生管理は、必ずしも十分なものとは言えず、中小企業の労働災害発生率は、大企業に比べて高い状況にある。
これら中小企業における安全衛生を確保するために、労働安全衛生関係法令に規定された最低基準としての労働災害防止措置の履行確保を図るとともに、中小企業の自主的な安全衛生活動の努力や集団的な取組を促進するなど適切な支援を推進する。
ウ:業務上の心身の負担の増大等に対応した労働衛生対策の推進
近年、一般定期健康診断における有所見率や職場生活等において強い不安、ストレス等を感じる労働者の割合も増加し続けており、これらを背景として、過重労働により誘発される脳血管疾患及び虚血性心疾患、業務による心理的負荷により誘発される精神障害等の労災の申請、認定件数も増加傾向にある。
経営環境の厳しさが増す中、企業における組織の見直し等が進行し、業務の質的、量的変化等による心身の負担の一層の増加が懸念されており、我が国の社会の健全な発展という観点からも、職業性疾病予防はもとより、職場においてより積極的に労働者の健康の確保を図る。
エ:リスクを低減させる安全衛生管理手法の展開等
現下の経済環境は依然として厳しいが、いかなる社会経済情勢であろうとも、労働者の安全と健康の確保は企業経営において最も優先されるべき事項の一つであり、企業内に組織と個人が安全を最優先する「安全文化」を根付かせ、自律的に労働安全衛生対策が企業内で推進される仕組みの確立を図ることが必要である。
また、企業内には様々な種類の安全衛生に係るリスクが存在し、かつ、頻繁に変化していることから、リスクを減少させることが基本的な対策である。
このため、事業者が労働者の協力を得て、「計画−実施−評価−改善」のサイクルにより、リスクを評価し、そのリスクを低減させるための改善措置を実施し、安全衛生水準の段階的向上を図る労働安全衛生マネジメントシステムの事業場への導入を推進する。
また、機械設備等については、それらを製造・輸入する事業者がリスクを的確に把握し、そのリスクを合理的かつ体系的に低減した上で、残存リスク等の情報とともに使用する事業者へ提供される仕組みの普及を図る。
これを受けて、実際に使用する事業者が、調達した機械設備等について、使用状況に合わせた安全衛生対策を講じることにより残存リスクを低減させるとともに、リスク等の情報が機械設備等を取り扱う労働者に伝達される仕組みの普及を図る。
オ:就業形態の多様化、雇用の流動化等への対応
労働分野においても就業形態の多様化、雇用の流動化等を可能とする様々な規制改革が進められているが、その推進に当たっては、すべての労働者がいかなる働き方を選択したとしても健康で安心して働ける制度の整備が前提条件となる。
そのため、労働安全衛生関係法令の充実を始め、安全で健康に働くことができる職場を実現するための実効ある仕組みの整備を図る。
(1)労働災害による死亡者数の減少傾向を堅持するとともに、年間1,500人を大きく下回ることを目指し、一層の減少を図ること
(2)計画期間中における労働災害総件数を20%以上減少させること
(3)じん肺、職業がん等の重篤な職業性疾病の減少、死亡災害に直結しやすい酸素欠乏症、一酸化炭素中毒等の撲滅を図ること
(4)過重労働による健康障害、職場のストレスによる健康障害等の作業関連疾患の着実な減少を図ることを目標とする。
労働災害防止を推進する上での主要な課題は、次のとおりである。
(1)労働災害の動向等からみた課題
労働災害による死傷者数は、昭和43年の172万人を頂点として長期的に減少してきているが、今なお年間約55万人もの労働者が被災し、そのうち休業4日以上の死傷者が約13万人を占めている。
また、死亡者数については、昭和36年の6,712人を頂点として、労働安全衛生法が施行された昭和47年から4年間で半減に近い減少を示してから漸減傾向にあったが、平成10年に2,000人の壁を破って以降、着実に減少しつつある。
しかし、今なお年間1,800人近くもの労働者が労働災害により死亡している。
他方、一度に3人以上が被災する重大災害の件数は、年間200件前後で推移しており、減少の傾向が認められない。
ア:業種別労働災害発生状況
(ア)建設業
建設業に従事する労働者数は、全労働者の約1割に当たるが、労働災害の発生については、全産業における死亡災害の4割弱、休業4日以上の死傷災害の2割強、一度に3人以上が被災する重大災害で約4割を占めている。
建設業における労働災害は、大手総合工事業者よりも中小総合工事業者が元請となっている現場において多発している。 災害の種類別では、墜落・転落災害が死亡災害の約4割を占め、また、建設機械による災害が1割強を占めている。
(イ)製造業
製造業における労働災害は、休業4日以上の死傷災害で全産業の約3割、死亡災害で全産業の約2割、一度に3人以上が被災する重大災害で全産業の約2割を占めている。
労働災害の種類別でみると、機械設備による挟まれ・巻き込まれ等の災害が、死亡災害では全体の約3割を占め、休業4日以上の死傷災害では、全体の5割近くを占めている。
(ウ)陸上貨物運送事業
陸上貨物運送事業においては、近年、規制緩和等に伴い事業の新規参入が増加するとともに、物流システムの見直しや輸送サービスの多様化が進められている。
このような中で、陸上貨物運送事業における死亡災害と休業4日以上の死傷災害は、いずれも全産業の約1割を占め、この数年間、労働災害の発生件数はほぼ横ばいで推移している。
災害の種類別では、死亡災害の約7割を交通労働災害が占め、また、休業4日以上の死傷災害では、荷役作業中の墜落・転落災害や荷の落下等による災害が多く発生している。
(エ)第三次産業
第三次産業(交通運輸業、陸上貨物運送事業及び港湾貨物運送事業を除く。以下同じ。)は、サービス経済化の進展により全産業に占める労働者数の割合が増加傾向にあり、その割合は6割を上回っている。
これに伴い、第三次産業の全産業に占める労働災害の割合も増加傾向にあり、休業4日以上の死傷災害で約3割、死亡災害で約2割となっている。
労働災害の発生率は、第三次産業全体で見れば全産業平均に比べ低いが、業種により労働災害の発生率、発生態様が異なっている。
イ:事業場規模別労働災害発生状況
我が国の労働者数の8割以上を占める労働者数300人未満の中小規模事業場において、労働災害の9割強が発生しており、そのうち50人未満の事業場で7割強を占めている。
労働災害発生率を事業場の規模別に見ると、規模が小さくなるに従って労働災害発生率が高くなっており、労働者数100人から299人の規模の事業場と労働者数30人から99人の規模の事業場においては、労働者数1,000人以上の規模の事業場に比べ、それぞれ労働災害発生率が約5倍、約7倍となっている。
ウ:年齢別労働災害発生状況
少子化・高齢化社会の進展に伴い、労働力人口の高齢化も進み、50歳以上の高年齢労働者の占める割合は増加傾向にあり、約3割に達している。死亡災害と休業4日以上の死傷災害で見ると、50歳以上の高年齢労働者がそれぞれ全体の5割、4割を上回る等大きな割合を占めている。
エ:災害の種類別労働災害発生状況
休業4日以上の死傷災害では、高所からの墜落・転落災害、機械等による挟まれ・巻き込まれ災害が多い。また、死亡災害では、交通労働災害、墜落・転落災害がそれぞれ全体の約3割と約2割を占めている。
(2)労働者の健康確保をめぐる課題
ア:職業性疾病の発生状況等
じん肺の新規有所見者は減少傾向にあるものの、アーク溶接作業を始めとした粉じん作業により今なお年間250人近く発生している。
腰痛等の筋骨格系疾患は、年間5,000人近く発症し、職業性疾病全体の6割以上を占めている。また、IT化に伴い、職場へのパソコン等のVDT機器の普及が著しいが、適切な管理が行われないと、眼疲労や筋骨格系等への健康影響が懸念される。
騒音障害及び振動障害については、建設業を中心として労災認定者数が、それぞれ年間500人、700人を上回っている。また、騒音障害に関連する健康診断項目については、その有所見率も高い。
電離放射線障害については、核燃料加工施設において臨界事故が発生したこともあり、その社会的関心は高まっている。 熱中症については、過去10年間で145人の労働者が死亡している。
イ:化学物質による健康障害の発生状況等
現在、我が国の産業界で使われている化学物質は、約55,000種類を数え、毎年新たに500以上の化学物質が労働の現場に導入されている。また、化学物質の有害性も、発がん性、生殖毒性、神経毒性等多岐にわたっており、新たな知見により有毒性が明らかになるものもある。
さらに、製品寿命の短縮、多品種少量生産等が進む中、化学物質が取り扱われる職場環境、作業形態等は、固定的でなく変化している状況にある。このような状況で化学物質による職業性疾病が年間300件程度引き続き発生している。有機溶剤、一酸化炭素による中毒及び酸素欠乏症等も依然として後を絶たないほか、様々な化学物質による健康障害が発生している。
石綿による肺がん及び中皮腫等の職業がんの労災認定件数も増加する傾向にある。また、一部の職場において、化学物質に係る作業環境は依然として改善が必要な状況にある。
さらに、廃棄物焼却施設におけるダイオキシン類、いわゆる「シックハウス症候群」に関連した微量の化学物質による健康リスクなど、化学物質による健康問題に対する社会的な関心が高まっている。
PCB廃棄物の無害化処理、化学物質に汚染した土壌の処理作業等、従来の化学物質の製造、取扱い作業とは異なる作業において、有害化学物質にばく露し健康障害が生じることも懸念されている。
また、国際機関等において、化学物質の危険有害性の分類、表示等について様々な取組がなされており、これらの国際動向を踏まえた化学物質の管理も必要である。
ウ:過重労働による健康障害、職場のストレスによる健康障害等の作業関連疾患の発生状況等
一般健康診断結果によれば、有所見率は年々増加し、平成13年では約46%にも達しており、その中で脳血管疾患や虚血性心疾患等につながる高脂血症、高血圧症等に関連する所見を有する者が大きな割合を占めている。
高脂血症、高血圧症等の基礎疾患を有した労働者に業務による明らかな過重負荷が加わることによって、脳血管疾患や虚血性心疾患等の疾病が誘発されることがあり、平成13年度の労災認定件数は140件を超えている。
また、職場生活等において強い不安、ストレス等を感じる労働者の割合が増加し続け、63%にも上っており、さらに、業務による心理的負荷を原因として精神障害を発症し、あるいは自殺に至る事案が近年急増する傾向にあり、平成13年度の労災認定件数は70件に上っている。
エ:快適な職場環境を推進する必要性
作業場所が快適であるとした労働者の割合は約31%にとどまる一方、快適な職場環境のために改善を希望する労働者の割合は約86%となっている。
このうち、今後改善を希望する項目として「機械等のレイアウトや作業空間の適正化」、「休憩時間の快適化」、「作業の性質に関わりなく生じる劣悪環境の改善」が比較的
高い割合を占めている。
快適職場づくりを進める上での事業場側の問題点としては、資金及び改善のための技術的ノウハウ等の不足を挙げるものが多い。
さらに、職場での喫煙対策を望む人の割合は、約77%に達している。
(3)転換期の産業社会における安全衛生面の課題
我が国産業社会は大きな転換期にあり、今後の労働安全衛生の展望を考える上で、次の社会経済的要因が労働安全衛生問題に重大な影響を与えることが予想される。
ア:高年齢労働者や女性労働者の増加
少子化・高齢化の進行が著しい中、労働力人口の高齢化も着実に進行し、今後、高年齢労働者の占める割合が大きく増加することが予想される。このような中で、既存の施設設備や作業方法が高年齢労働者にとって適切でない場合もあり、その結果、労働災害の増加が懸念される。
また、雇用の場における男女の均等な取扱いの進展により、女性の就業比率が増加していくとともに、従来女性があまり就かなかった分野も含め様々な職場に女性労働者の進出が拡大している。
このような状況を踏まえ、高年齢労働者、女性労働者を含めすべての労働者にとって安全で健康に働ける職場をどのように実現していくかが大きな課題となっている。
イ:就業形態の多様化、雇用の流動化等
近年、派遣労働、パートタイム労働、アルバイト等の非正規労働者の比率は、全産業、全企業規模で共通して増加し、平成13年には全労働者の4分の1以上に達しており、就業形態の多様化が進んでいる。
さらに、情報通信システムの発達は、テレワーク等の新しい就業形態を実現しつつある。さらに、製造業のライン作業における構内下請の増加等外注化、分社化などのいわゆるアウトソーシングが進んでいる。
このような就業形態の多様化とともに、短期間の契約労働者やリストラクチャリングに伴う早期退職者の増加等雇用の流動化も急速に進行してきており、これらの労働者が全就業期間を通じて長期雇用の正規労働者と同等の安全と健康をいかに確保していくかが課題となってきている。
また、分社化等の企業形態の変化に対応した効果的かつ効率的な安全衛生管理体制の在り方等が課題となっている。
ウ:規制改革への対応
規制改革は、透明性が高く、公正で信頼できる経済社会の実現、多様な選択肢の確保された国民生活の実現、国際的に開かれた経済社会の実現等を目指して推進されているが、規制の見直しに当たっては、国民の安全を確保する観点から、企業における自己責任体制の確立、情報公開等の徹底、社会的に必要な規制の実効性の確保等が求められている。
労働安全衛生関係法令は、労働者の安全と健康の確保を目的とした安全衛生に関する規制であり、その実効性を確保する観点から、最低基準である労働災害防止措置の履行確保に加えて、事業者による自主的なリスク低減の取組を評価する仕組みを組み込むことについても配慮する必要がある。
エ:経済のグローバル化への対応
経済のグローバル化に伴い、物や人が従来にも増して国境を超え頻繁に行き来するようになってきており、労働安全衛生の観点からも適切な対応が求められている。
物の交流については、安全衛生水準の確保に留意しつつ、WTO/TBT協定(貿易の技術的障害に関する協定)の趣旨を踏まえ、国際規格・基準との整合性の確保、認証の相互承認を進める必要がある
。
人の交流については、海外赴任者の安全対策を推進すること、我が国で働く外国人労働者がコミュニケーション・ギャップにより安全と健康の確保に支障を生ずることのないようにすること、また、我が国の安全衛生分野のノウハウ、経験等を開発途上国等へ移転することが求められている。
オ:安全衛生に関する人材の確保と必要な経費の確保
経済情勢が厳しく、市場競争の激化、コスト削減が進められる中で、安全衛生管理部門の縮小、安全衛生教育の手控え等、安全衛生管理活動の減退、関係者の安全衛生に対する意識の低下が懸念されるが、労働者の安全と健康を守ることを企業における最優先事項の一つとして、経営の効率化を図りつつも安全衛生管理活動に必要な人材と経費を確保することが重要である。
(4)安全衛生管理をめぐる課題
ア:新しい安全管理手法の普及の必要性
長期的には労働災害が大幅に減少する等の成果が得られてきたが、依然として危険有害な職場環境の改善が進んでいない事業場も少なくなく、無災害を継続している事業場においてもリスクが存在していることからその低減化をさらに図っていく必要がある。
また、事業場内の多様なリスクへの対応、就業形態の多様化等を踏まえた的確な安全衛生管理の推進も必要である。
このため、「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」及び同指針を踏まえた業種別の「労働安全衛生マネジメントシステムガイドライン」等に基づき、「計画−実施−評価−改善」のサイクルによるリスクの評価、安全衛生水準の確保・向上を進めるシステムの普及・定着を図る必要がある。
イ:事業者及び労働者による自主的安全衛生活動の推進等の必要性
労働災害防止対策を実効あるものにするためには、当事者である事業者及び労働者が積極的に職場の安全衛生管理に参画・協議し、安全衛生管理活動を推進することが肝要であり、そのような場として安全衛生委員会が設けられている。
しかしながら、その活動は必ずしも活発でなく、また、労働安全衛生法令で期待されている機能が十分果たされているとは言い難い状況にある。
(1)職業性疾病予防対策
じん肺の新規有所見者を減少させるため、アーク溶接作業について工学的対策の改善を図り、その導入を促進するとともに、新規有所見者の多発している業種等を重点対象とした粉じん障害防止対策の徹底を図る。
また、トンネル建設作業に従事する労働者の粉じんへのばく露を低減するため、「ずい道等建設工事における粉じん対策に関するガイドライン」に基づく対策の徹底を図る。さらに、離職者を含めて、じん肺有所見者に対し、合併する肺がんの発生リスクに応じた健康管理を推進する。
作業環境管理については、個人ばく露量の測定の活用に係る検討を含め、作業の実態に合った測定方法を確立し、屋外作業場における粉じんへのばく露の低減を図る。さらに、作業環境測定結果を活用した効果的、効率的な作業環境管理の手法の確立を図る。防じんマスクについては、その性能の確保を図るため、買取試験を実施する。
腰痛等の減少を図るため、引き続き「職場における腰痛予防対策指針」による腰痛等の予防対策の徹底を図るとともに、人間工学的な観点等も踏まえた指針の見直し等の検討を行う。
VDT作業における健康障害の防止を図るため、「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」の普及・定着を図る。 騒音障害及び振動障害の減少を図るため、騒音障害防止対策及び振動障害防止対策の実効性が確保されるよう見直しを検討し、必要な措置を講じる。
また、さく岩機、ピックハンマー等建設作業用の機器により騒音障害、振動障害が多発している現状に鑑み、機器を使用する事業者が機器の購入に際し低騒音・低振動のものを選択しやすくするため、騒音・振動発生機器について製造者による騒音・振動レベルの表示の導入を図る。
さらに、機械の包括的な安全基準に基づく措置の一環として、騒音・振動発生機器の製造事業者等に対して騒音、振動等の有害要因に係るリスク低減措置の実施、情報の提供等の徹底を図る。
また、電離放射線障害の発生の防止を図るため、被ばくの低減化等電離放射線障害防止対策の徹底を図る。
加えて、熱中症について、適切な予防対策の徹底を図る。
(2)化学物質による健康障害の予防対策
化学物質による健康障害を予防するため、化学物質の健康影響や労働者のばく露に係る国内外の情報の収集、化学物質による職業性疾病の発生事例の分析、国際貢献の観点も踏まえた日本バイオアッセイ研究センター等における化学物質の効率的・効果的な有害性の調査及びばく露状況の調査の実施を促進し、計画的かつ科学的に化学物質のリスク評価を行い、その結果に基づき、未規制の有害な化学物質による労働者の健康障害の予防対策を迅速に推進する。
また、職場で取り扱われる化学物質が多様で、作業形態等が固定的でなく変化している状況等に対応するためには、労働安全衛生法第58条の指針等に基づく、化学物質管理計画の策定、リスクアセスメントの実施及びその結果に基づく安全サイドの必要な措置などの事業者による自律的な化学物質管理の促進が必要である。
これらの事業者の取組を支援するため、効果的な実施方法の検討を行うとともに、事業者に対して、広範な化学物質に係る有害性情報、ばく露情報、リスクアセスメント事例、化学物質による健康障害の事例の提供、MSDSの普及・充実のためのデータベースの整備、化学物質管理を担当する者への研修等を行う。
さらに、国際機関による行動計画等に基づき、化学物質の危険・有害性の分類、MSDSを含めた表示方法の統一、開発途上国への支援等が求められており、これらを
踏まえた表示制度の検討、整備等を行う。
がん原性を有する物質等、特に有害性の高い化学物質等については、専門家による検討等を踏まえ、その予防対策を推進するとともに、有害性が低い化学物質等に代替
することが本質的な安全化につながることから、有害性の高い化学物質等の代替化を促進する。
特に、石綿については、国民の安全等のため必要なものを除きその使用等の原則禁 止を速やかに図るとともに、建築物の解体作業等における労働者のばく露の防止対策の徹底等を図る。
廃棄物焼却施設におけるダイオキシン類、いわゆる「シックハウス症候群」に関連 した化学物質、PCB廃棄物の無害化処理作業や化学物質に汚染した土壌の処理作業等における有害化学物質のばく露防止対策、内分泌かく乱物質に係る調査研究、有機
溶剤や一酸化炭素による中毒防止対策及び酸素欠乏症等防止対策の推進を図る。
新規化学物質による健康障害を予防するため、新規化学物質を製造・輸入する事業 者による有害性調査及びその結果に基づく健康障害防止措置の効率的でかつ効果的な実施を図る。
作業環境管理については、個人ばく露量の測定の活用に係る検討を含め、作業の実 態に合った測定方法を確立し、屋外作業場における有害な化学物質へのばく露の低減を図る。
また、作業環境測定結果を活用した効率的かつ効果的な作業環境管理の手法 の確立を図り、化学物質のばく露防止対策の実施を促進する。作業環境測定結果による管理区分を決定するための指標である管理濃度については、科学的知見を踏まえ、その見直しを図る。さらに、防毒マスクについては、その性能の確保を図るため買取試験を実施する。
(3)メンタルヘルス対策
労働者の心の健康確保については、「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」に基づき、事業者が事業場の状況を踏まえた適切な「心の健康づくり計画」を
作成し、その計画に沿ったセルフケア、ラインによるケア等を内容とするメンタルヘルスケアの積極的な推進を図る。
また、職場においてうつ病等への偏見をなくし、うつ病 等の予防、早期把握とそれに続く適切な治療、職場復帰に結びつけられる職場体制の整備を図るとともに、事業場外資源との効果的な連携を推進する。さらに、心的外傷後ス
トレス障害(PTSD)への対応方策についても検討する。
なお、メンタルヘルス対策の推進に当たっては、プライバシーの保護について特に配慮する。 自殺予防については、「職場の自殺予防マニュアル」の周知を図るとともに、相談体制の確保、産業保健と地域保健の関係機関が連携した自殺防止対策を推進する。ま
た、有効な対策の策定に資するため、引き続き労働者の自殺に関する調査研究を行う。
(4)過重労働による健康障害の防止対策
過重労働による健康障害の予防を的確に進めるため、過重労働となるような長時間の時間外労働の削減や年次有給休暇の取得促進などにより長時間労働を排除するとともに、長時間労働が発生し、疲労が蓄積するおそれがある場合には、産業医や地域産業保健センターの登録医の活用等により、その助言指導に基づく改善や、労働者への
面接による保健指導等の健康管理対策の徹底を図る。さらに、過重労働による業務上の疾病が発生した場合の再発防止措置の徹底を図る。
(5)職場における着実な健康確保対策
労働者の心身の健康を確保し、職業性疾病や作業関連疾患を予防するため、産業医、衛生管理者等産業保健スタッフの選任の徹底と専門性の向上を図るとともに、健康
診断の実施とその結果に基づく事後措置、職場巡視の実施とその結果に基づく改善措置等の作業関連疾患等の防止対策の一層の推進を図る。
また、産業医その他の産業保健関係者を支援する産業保健推進センター、小規模事 業場に対して産業保健サービスを提供する地域産業保健センター等の連携を強化する。
なお、労働者の健康確保対策を効果的に推進するためには、労働者との信頼関係の 確立が前提にあることから、健康診断結果等の健康情報等についてプライバシー保護の強化を図る。以上の内容に加え、次の項目を推進する。
ア:小規模事業場対策
健康診断の実施率や受診率が低く労働者の有所見率が高い小規模事業場の健康確保については、地域産業保健センターの活用、小規模事業場産業保健活動支援促進
事業(産業医共同選任事業)を推進するとともに、産業保健活動の具体的方法を示し、その活用を図る。
イ:健康づくり対策
事業場における健康づくり対策の総合的評価を踏まえ、健康づくり手法の改善を図るとともに、事業場等における健康づくり対策に係る目標の設定と評価の明確化
及びその計画的な推進等により健康づくりの普及・定着を図る。
特に、中小規模事業場については、健康づくりの取組に立ち後れの傾向が見られることから、その普
及・定着を促進する。なお、健康増進法の制定を踏まえ、地域保健との連携の強化等を図り、より実効ある健康づくりを推進する。
(6)快適職場づくり対策
労働力人口の高齢化、女性の就業分野の拡大、就業形態の多様化等に対し、すべての労働者にとって働きやすい職場環境の実現を図るため、人間工学的な観点等を踏まえた職場快適化のための手法の開発・普及を図るとともに、事業場が作成する快適職場推進計画を評価する制度に加え、継続的かつ計画的な取組を評価する制度の導入を図る。
また、快適職場づくりの一層の普及定着を図るため、快適職場推進計画認定事業場の公表等を行う。
さらに、WHOのたばこ枠組み条約の動向等を踏まえ、職場における効果的な分煙対策の知見の収集、分煙対策手法の開発・普及等を推進するとともに、受動喫煙の防止対策等を一層の実効性を確保する観点から見直し、その周知を図る。
(1)労働安全衛生マネジメントシステムの活用促進
労働災害のリスクを合理的かつ体系的に減少させ、また、安全衛生管理のノウハウの的確な継承を図るため、さらに、就業形態の多様化等により、事業場において指揮命令系統が異なる労働者の混在が高まる中で、的確な安全衛生管理を進める仕組みとして、労働安全衛生マネジメントシステムは有効である。したがって、業種、企業規模等に応じた労働安全衛生マネジメントシステムの導入を積極的に推進する。
労働安全衛生マネジメントシステムの普及定着を促進するため、事業者の意欲を高める観点から、「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」に基づくシステムが適切に導入され、かつ、安全衛生水準の段階的向上のためシステムが適切に運用されているかを、事業場からの求めに応じ外部から確認することのできる仕組みの導入を検討する。
また、事業場がリスクアセスメントを効果的に実施するためのマニュアルを業種別に策定し、その普及を図ること等により、中小規模事業場の自律的な安全衛生管理の促進を図る。
さらに、自律的な安全衛生管理が定着し、安全衛生水準が優良な事業場に対しては、事業者の安全衛生管理活動を促進させるためのインセンティブ措置の在り方等を検討しその導入を図る。
(2)中小規模事業場対策
中小規模事業場における労働災害の減少を図るため、法令で義務付けられた労働災害防止措置の履行の徹底を図るとともに、自主的安全衛生活動の促進を図る。
そのため、労働災害防止団体による自主的安全衛生活動の促進とその活動の中小規模事業場への浸透を強化するとともに、安全衛生情報の提供及びアクセスの強化を図る。安全衛生情報の提供に当たっては、労働保険事務組合、中小企業団体等のチャンネルを積極的に活用し、併せて、中小規模事業場からの求めに応じメールマガジン等の手法により安全衛生情報を提供する方式の導入を図る。
また、国から支援策を受けている期間だけでなく、その後も継続して自主的安全衛生活動に取り組めるよう、中小規模事業場内における自律的な安全衛生管理の仕組みづくりの整備等を積極的に推進する。
(3)事業者及び労働者による自主的な安全衛生活動の推進
事業者及び労働者は、労働災害防止の当事者であると同時に、職場の状況についても最も熟知している立場にあることを自覚し、安全衛生委員会の活動の活性化を図るものとする。また、労働者を含めすべての関係者に安全衛生委員会の活動状況に関する情報を提供し、意見を求める仕組みを導入し、関係者の関心の高揚と参加意識の醸成を図る。
一方、安全衛生委員会の設置が義務付けられていない小規模事業場においては、安全衛生委員会に代わるものとして関係労働者の意見聴取の機会を設けることとなっており、この場を活用し、労働者の意見を積極的に吸い上げ、労働安全衛生対策への反映を推進する。
さらに、安全と健康を先取りする職場風土づくりを促進するものとして効果的な手法である危険予知活動等の導入を促進し、自主的な安全衛生活動の促進を図るとともに、労働者の安全意識の高揚を図る。
(4)人的基盤の充実等
労働安全衛生分野の各種の資格については、技術の進歩等に応じる必要があることから、資格者に求められる知識、技能等のレベルを民間を活用して評価する仕組みを検討する。就業制限業務、作業主任者等の現場実務資格、現場作業者に対する安全衛生教育については、緊急時の対応に関し、講習内容の充実等を図る。
さらに、危険に対する感受性を高め、その回避能力を体得する危険再認識教育等を実施する。 安全衛生意識の高い労働者を育成するためには、就業前の教育が効果的であることから、学校段階における教育との連携に努め、安全衛生に関する教育を普及する。
さらに、労働災害の防止を推進するためには、労働者の家族を含め国民一般の理解が必要であることから、あらゆる機会を通じて労働災害防止の重要性を訴え協力を求める。
(5)就業形態の多様化、雇用の流動化等に対応する対策
就業形態の多様化が急速に進みつつある中で、働き方に関わらずに同等の安全衛生条件を確保する観点から、施設設備等の管理権限を有する者による下請労働者等も含めた施設設備等に関する労働災害を防止するための方策を検討する。
また、雇用の流動化が急速に進みつつある中で、雇用期間の長短に関わらずに同等の安全衛生条件を確保する観点から、雇入れ時教育を始めとする安全衛生教育の促進を図るとともに、継続的な健康管理が可能となる仕組みを検討する。
(6)高年齢労働者の労働災害防止対策
高年齢労働者の労働災害を防止するため、高年齢労働者の身体的特性に配慮した機械設備、作業環境及び作業方法の改善を推進する。
また、人間工学的な観点等を踏まえた職場快適化のための手法の開発・普及を推進し、高年齢労働者も含めたすべての労働者にとって働きやすい職場環境の実現を図る。さらに、快適職場認定事業場の公表、職業安定機関等との連携等により、その普及を図る。
(7)外国人労働者対策
外国人労働者の労働災害を防止するため、コミュニケーション・ギャップを埋める上で有効な外国人労働者向けの分かりやすい安全衛生教材の開発を進め、これらの教材を活用した雇入れ時の安全衛生教育等の徹底を図る。
また、外国人労働者が日本の安全衛生情報を容易に入手できるようにするため、国際安全衛生センターによる外国語での情報提供を図る。さらに、外国人雇用事業場について労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタント等による安全衛生診断を促進する。
(1)情報提供体制の整備
安全衛生情報センターにおいては、既に、災害事例、法令通達等有用な安全衛生情報をインターネット上でアクセスできる体制をとっているが、引き続き、安全衛生情報センターから情報の提供を図る。
また、安全衛生情報センターにおいては、安全衛生意識の高揚に寄与するため、労働災害を疑似体験できるバーチャル・リアリティ(VR)シアター及び3次元(3D)シアター等による情報提供を推進する。
さらに、併設された産業安全技術館では各種の機械設備、保護具等を展示しており、これら体験型の3施設の機能を連携強化することにより、安全衛生情報センターを労働安全衛生分野における情報発信の拠点として位置付け、広く国民全般の安全に貢献する。
(2)リスク評価及び調査研究の体制整備
労働安全衛生関係法令や施策を検討する際の基礎情報を得るために、科学的かつ実証的観点からリスクの評価、専門技術的な立場から労働災害の原因究明等を実施する調査研究機関の行政との連携を検討する。
また、労働災害の原因調査については、人的要因及び物的要因にとどまらずに、その背景にある管理的要因にも踏み込んだ本質的な原因の究明を図るための災害分析手法の開発を行い、有効な再発防止対策に結び付ける仕組みを検討する。
労働安全衛生分野の調査研究については、労働災害の発生原因、防止対策等の自然科学的観点からのアプローチが中心であったが、今後は同分野での研究に加えて、労働災害防止対策の普及のための条件、費用対効果分析、社会システムの在り方等の社会科学的視野も踏まえて、より一層効果的、効率的な労働災害防止対策に取り組むこととする。
さらに、労働安全衛生対策が産業現場全体のニーズ、科学的なリスク評価等を基礎として策定される必要があることから、調査研究機関、行政機関、産業界等の間で、調査研究課題の選定、調査研究成果の活用等に当たって緊密な連携を図る。
(3)労働災害防止団体等の活動の充実
労働災害防止団体等の安全衛生関係団体が、事業者等のニーズを踏まえた有効な支援サービスの開発を進め、その普及定着に積極的に取り組むことを促進する。
特に、業種別労働災害防止団体において、業種特有の有効なリスク低減対策に関する継続的な調査研究の実施を促進し、その成果を各分野における労働災害防止対策に活用するとともに、安全衛生管理活動を引き続き効果的に進めるために、安全衛生に関する専門スタッフのノウハウを継承し活用する方策を検討する。
また、労使による労働災害防止活動を推進するという観点から、労災防止指導員の効果的な活用を行うことにより、中小規模事業場等における安全衛生管理の向上を図る。
(4)労働安全衛生サービスのアウトソーシング化への対応
中小企業においては労働安全衛生のすべての分野について専門的な知識・ノウハウを有したスタッフや機材を抱えておくことが困難であり、大企業においても専門的な
サービスについてアウトソーシング化のニーズが高まりつつある状況を踏まえ、企業からの依頼に応じて専門的な労働安全衛生サービスを提供する質の高い外部専門機関
の活用及びその活用による安全衛生管理の在り方の検討を行う。
(5)国際的な視点に立った行政展開
ILO条約を始め安全衛生に関連する国際的な条約、規格等については、国内制度への取り入れを図るとともに、その策定段階から積極的に参画し、我が国から提案を積極
的に行う等国際貢献の一層の推進を図る。
また、海外進出企業で働く日本人労働者の安全衛生を確保するため、海外進出企業に対する安全衛生セミナーの開催、国際安全衛生センターを通じた安全衛生情報の提
供を推進するとともに、海外巡回健康相談の実施等を推進する。さらに、開発途上国に対する安全衛生分野の技術協力については、積極的に推進す
る。
(6)評価を踏まえた施策の実施
労働者の安全と健康の確保に関する施策の評価についても既に一部実施しているところであるが、労働市場の変化、科学技術の進展等に基づく今後の見通しを踏まえ、
業種別等の労働災害防止対策、中小規模事業場対策、自律的な安全衛生管理体制の確立等の安全衛生の施策に係る適切な評価の方法を検討し、的確な評価を実施すること
により、施策の効率的かつ効果的な実施を図る。