平成15年12月
林材業労災防止協会
林材業における死亡災害急増に伴う緊急対策の継続について
15年度は、1年前倒しの料率改定が行われ、林業の業種統合と統合料率の設定並びに木材製造業の料率引き下げが実現し、労災収支改善の基盤が整ったところである。
このような中で、林業・木材製造業における死亡災害は、両業種とも過去最低を記録した平成14年から一転して従来にないテンポで増加し、この基盤自体が崩壊する恐れがあることから、年度途中より「林材業労災防止緊急対策」を関係行政機関、林材業関係団体と密接な連携の下に実施しているところであるが、未だに累増傾向に歯止めをかける状況に至っていない。
このため、林材業の労働災害阻止並びに労災保険収支改善を図ることが喫緊の重要課題であることから、下記により「
労災防止緊急対策」を本年度末まで継続することとし、次年度に引継ぐこととする。
本対策を推進するに当たっては、巡回指導、作業変化対応安全対策推進事業等をはじめとして各種のパトロール、会議等の機会をとらえて、緊急リーフレット(改訂版)その他を活用し、類似災害の防止を重点とした緊急対策事項の周知徹底を図るとともに、特に、労災発生件数における未参入事業体等の比率が高くなっていることから、特殊健診の機会等をとらえ、緊急対策の周知に努められたい。
記
1.緊急対策期間
平成15年度末まで。
2.区分
重点支部の区分を廃止し、全支部、林材業関係団体の一体的・総合的な取組を行う。
3.支部実施事項
(1) 労働局署、都道府県、森林管理局署と緊密に連携し、今後実施の支部、分会段階等のあらゆる林材業関係会議の機会並びに経常事業の場等を活用し、緊急対策事項の周知徹底を図る。
特に、未参入事業体(個人事業体、1人親方等で林材業関係団体に加入していないもの)等の災害比率が高まってきていることから関係行政機関等との情報交換等と通じてこれらの事業体の把握に努め、また、特殊健診の場をとらえ、緊急対策事項の一層の周知徹底を図る。
(2) 特に、全業種で取組む「年末年始無災害運動」期間中は、これと併せて取組を強化すること(平15.11.8林災防収第108号)。
(3) 年度末までの間に更に緊急巡回指導を推進する。
(4) 支部は、本部実施事項 4.(2)に関して災害防止に有効な器具・道具類等について本部に報告するとともに、本部より報告物件等の中から配付されるそれらの見本品等を特定の事業体に実地使用してもらい、その有効性を検証させ、また、事業体自らが改善するよう働きかける。
4.本部実施事項
(1) 「労災防止緊急対策」改定リーフレット(林業、木材製造業それぞれ2種類づつ計4種類)の事業場、現場作業場まで浸透させるとともに、未参入事業体への周知を徹底するため、支部、団体等に配付する。なお、都道府県並びに国有林野事業については、本部より林野庁を通じて、本対策の周知徹底を要請する。
(2) 各地で取組まれている災害防止に有効な表示板、器具・道具類等について、支部に配付し、モデル的に試用させることによって普及、又は使用事業体が自ら一層の改善の促進に資する対策を実施する。
併せて、林業災害防止機械器具開発改良事業の成果品の普及に資するため、本部が支部に配付するモデル品の事業体での実地使用を推進する。
(3) 中央緊急安全会議(危険意識、基本作業徹底方策 等)を開催する。
(4) 災害原因・対策緊急調査(本部主体に支部の支援)、主要支部会議への参加指導
(5) 本対策を推進するため、支部に対し、別途、予算を配付する。
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