針葉樹の構造用製材のJAS規格の改正について

 

                           平成13年12月 1日

                           (社)全国木材組合連合会

 構造用製材等の日本農林規格の改正は、平成12年度に、農林水産大臣の諮問をうけた農林物資規格調査会での検討が修了し答申されていましたが、JAS法改正に伴う制度の諸規定等所要の整備が必要なため、後送りになっていましたが、所要の手続きが全て修了して、11月30日付けの官報で告示され、平成14年3月1日から施行されますのでお知らせします。

 改正された主要な部分は次の通りです。

1 針葉樹の構造用製材の改正内容

(1)第2条の定義に、次の用語と定義が追加された。

用   語 定         義
「仕上げ材」 構造用製材のうち、乾燥処理を施した後、材面調整を行い、寸法仕上げをしたものをいう。
「未仕上げ材」 構造用製材のうち、乾燥処理を施した後、寸法仕上げをしないものをいう。

(2)第3条の4 構造用製材の標準寸法(仕上げ材にあっては、規定寸法)は、次表のとおりとする。ただし、設計計算により必要とされた寸法で、構造用として適当であると認められた寸法(以下、「認定寸法」という。)については、この限りでない。

(注)表には木口の短辺と木口の長辺による寸法表で138種類の断面寸法が記載され、「仕上げ材」は規定寸法とし、「未仕上げ材」及び「未乾燥材」は、規定寸法を標準寸法と読替えることとなった。

(3)第4条の規格(目視等級区分製材の規格)のうち

  ア 含水率の項

  含水率による区分 含水率
仕上げ材 SD15 15%
SD20 20%
未仕上げ材 D 15 15%
D 20 20%
D 25 25%

       (注)乾燥処理をしていても、寸法調整をしていない未仕上げ材は、今後寸法の再調整が必要であることなどから、完成品ではないということと、特に柱材を越える寸法の梁・桁等の大径材は、乾燥困難ということからD25が残された。

  イ 寸法の項

(単位 mm)
    表示された寸法と測定した寸法との差
木口の短辺
及び木口の長辺
仕上げ材 75未満
+1.0  − 0
75以上
+1.5  − 0
未仕上げ材 75未満
+1.0  − 0
75以上
+1.5  − 0
未乾燥材 75未満
+2.0  − 0
75以上
+3.0  − 0
   
+制限なし  0

  (注)旧規格は、乾燥材で90mm未満と90mm以上に2区分し、未乾燥材にあっては、36mm未満、36mm以上90mm未満及び90mm以上の3区分にしていたが、新規格は、全て75mm未満と75mm以上の2区分となった。

(4)第4条の2(材面の品質の基準)

    平均年輪幅は、ラジアタパインは別項として次の基準となった。髄心部又は髄(ラジアタパインに限る。)

構造用I 髄の中心から半径50mm以内の部分の年輪界が無いこと。
(全等級)
構造用 木口の長辺が240mm未満のもの(全等級) 髄の中心から50mm以内の部分の年輪界がないこと。
木口の長辺が240mm以上のもの(全等級) 木口の長辺に係る材面におけるりょう線から材面の幅の1/3の距離までの範囲において、髄の中心から半径50mm以内の部分の年輪界がないこと。
乙種構造材 構造用の基準に同じ

(5)第5条の規格(機械等級区分製材)

   曲げ性能に係る曲げヤング係数は、現行規格では、10^3kgf/cm^2単位で表記したが、新規格では、GPa又は10^3N/mm^2の単位に変更された。

 

2 針葉樹の造作用製材は、僅かな関連改正以外特になし

3 針葉樹の下地用製材の改正内容

(1)第5条の規格

  ア 含水率の項

  含水率による区分 含水率
仕上げ材 SD15 15%
SD20 20%
未仕上げ材 D 15               15%
D 20 20%

  (注)現行規格の乾燥材は、含水率25%以下、20%以下、15%以下の3区分であったが、需要者の期待が20%以下のため15%以下と20%以下の2区分とした。

  イ 寸 法の項  

(単位 mm)
   分 表示された寸法と測定した寸法との差
木口の短辺
及び木口の長辺
仕上げ材 75未満
+1.0  − 0
75以上
+1.5  − 0
未仕上げ材 75未満
+2.0  − 0
75以上
+3.0  − 0
未乾燥材
+制限無し  − 0
   
+制限なし  0

  (注)現行規格は、仕上げ材のマイナスを0.5mmまでは認めていたが、新規格では、全てマイナスは認めないこととなった。

4 今後のスケジュ−ル

  平成14年3月1日から施行