製材業・木材業の皆さんへの 新しいJAS制度のご案内 |
JAS制度は、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」に基づいて、農林水産大臣が制定した日本農林規格(JAS規格)による検査に合格した製品にJASマークをつけることを認めるものです。これによって、製材などの農林物資の品質の改善、生産の合理化、取引の単純公正化などが図られることを期待しています。
勿論、検査を受けてJASマークを付けるかどうかは、製造業者の自由に任されています。またJASマークを付けていない製品の流通にも何の制限もありません。
昨年この法律が大幅に改正され本年から施行になりました。主な改正点は
1. 製造業者自身により格付し、JAS マークを表示する仕組みの導入
2. 登録格付機関等への民間能力の活用
などです。
対象品目 |
林産物に関するJAS規格の対象品目は、現在、25品目が制定されています。
このパンフレットでは、針葉樹の製材(造作用、下地用、構造用)、広葉樹製材、枠組壁工法用製材、機械による曲げ応力等級区分を行う枠組壁工法構造用製材、押角及び耳付き材の8品目を対象に、JASマークを付ける場合の手続きについて説明します。
JAS規格の内容 |
JAS規格は、それぞれの品目ごとの品質(性能、形量、品位等)に関する基準を内容としたものです。
JAS規格の格付 |
上記の品目がJAS規格に適合しているかどうかを検査することを格付といいます。適合していることが証明されればJASマークを付することが出来ます。
格付の方法 |
格付の方法は2通りあります。
1. 登録格付機関が行う検査によって製品の格付を行う方法、
2. 登録認定機関によって認定を受けた製造業者等(認定製造業者といいます。)が自ら製品を検査し、格付を行う方法。
(これまでのJAS規格による格付は、@の方法による格付だけでしたが、 今回の改正によりAの製造業者等自身による格付が出来ることになりました。)
登録格付機関 |
品目ごとに農林水産大臣の認可を得て登録された格付機関で、製造業者にかわって製品の検査を行い、JAS規格に適合していることを確認してJASマークを付けることを認める機関です。木材の場合は(社)全国木材組合連合会が認可され、登録されています。都府県の木材組合連合会等は格付に関しては全木連の支所となっていますので、従前どおり検査できます。
登録認定機関 |
品目ごとに農林水産大臣の認可を得て登録された認定機関で、製造業者が自ら検査し、JAS マークを表示することを認定する機関です。前記8品目の場合は(社)全国木材組合連合会が認可され、登録されています。
なお、一定の要件を満たせば営利法人であっても登録格付機関、登録認定機関になることが出来ます。また、両機関とも5年ごとに登録の更新を行うことが義務付けられています。
認定製造業者 |
自ら生産した製造物を自ら格付し、JASマークを付けて出荷することが出来る製造業者で、前記登録認定機関により認定された製材工場等です。
なお、認定製造業者として必要な条件の一部を満たしていないため、この制度の認定が受けられない製材工場等のために、別に定める第三者検査機関がかわって検査し、その結果に基づき製材工場等がJASマークを付ける仕組みがあります。これをBタイプの認定製造業者といい、自ら検査もJASマーク表示も行うことが出来る認定製造業者(Aタイプ)と区分しています。
第三者検査機関 |
Bタイプの認定工場と委託契約を結び、品質を確認するために公平・中立な立場で検査を行う機関です。木材の場合は、都府県木材(協)組合連合会が第三者検査機関になります。
JASマークをつけた製材品等を出荷しようとする製材工場等は、登録認定機関(木材の場合は(社)全国木材組合連合会)の認定を受けて認定製造業者になる必要があります。認定申請の手続きは、製材品の品目ごとに、製造工場等ごとに全木連に所定の認定申請をする必要があります。
ご希望の方は(社)全国木材組合連合会又は最寄りの都府県木連に備え付けの様式に必要事項を記入し、申し込んで下さい。
認定申請の事務手続きフローチャート
工場から認定申請 → 登録認定機関受理 → 書類審査 → 工場での実態調査 → 認定審査委員会 → 判定 → 申請者に通知 |
監視体制と罰則 |
JASマークに関する違反行為には最高1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が課せられます。
経過措置 |
改正前のJAS法により農林水産大臣の承認・認定を受けている製材工場等は、改正JAS法が施行された後でも、改正法の施行の日から3年間は、これまでと同様の格付を受けることが出来ます。
また既に登録格付機関となっている法人は、農林水産大臣から格付業務規程と格付手数料の認可を得て、改正法の施行後も改正法に基づく登録格付機関とみなされます。
(社)全国木材組合連合会はこの法人に該当し、既に必要な手続きを済ませ登録格付機関として登録されております。従ってこれまでJAS工場として認定されている製材工場等は改正法の施行の日から3年間(平成15年6月9日まで)は、これまで通りJASマークを付けた製材品を出荷できますが、それ以降は新たに認定製造業者にならなければJASマークを付けた製材品を出荷することは出来ません。
JAS認定を取得しようとしている皆さんへ |
全木連は登録認定機関になるための必要な手続きも終わっており、まもなく認可されることになっています。
暫定措置期間が終了する3年後には認定申請が殺到し、認定のための事務手続きが遅れることが予想されます。
そのため出来るだけ早く申請書類を提出することをお勧めします。