違法伐採及び違法に伐採された木材と木製品の国際貿易に取り組むための協力に関する
日本国農林水産省とインドネシア共和国林業省との間の行動計画(仮訳)

日本国農林水産省とインドネシア共和国林業省は、最近の「違法伐採及び違法に伐採された木材と木製品の国際貿易に取り組むための協力に関する日本国政府及びインドネシア共和国政府との間の共同発表」で言及された協力の実施の重要性を認識し、目指すべき行動について以下のような一致に達した。

協力分野 短期的活動 中期的活動 長期的活動
1. インドネシアと日本の全土を通じて、インドネシアから直接、間接に輸入される木材・木製品のために、適用される合法性確認システムの開発、試験及び実施

1. 市民社会を含む森林・林業関係者による合法性確認システムに関する合意形成
・違法伐採の定義、関係法令、地域実態、合法性確認システムの手法、実施体制、費用負担等に関するワークショップの開催

2. インドネシアにおける現行の伐採管理システムのレビューと分析
・法令、実施機関、手法に関する調査分析

3. 伐採地における合法性確認システムの開発
・インドネシア国内で実施、検討されている森林認証基準・指標からの合法性確認システムの抽出
・ラベリングに関する技術的課題の検討

4. 合法性確認システムを運営する第三者機関の発掘
・LEI(インドネシア・エコラベル協会)、関係NGO等の調査、能力評価

5. 衛星情報を活用した伐採監視システムの開発

6. インドネシアにおける現行の木材流通管理システムのレビューと分析
・木材流通フロー・モデルの開発

7. 木材産業関係者による木材追跡システムに関する合意形成
・ワークショップの開催
・木材関係業界による宣言

8. 合法性ラベリング・システムに基づく、流通・加工過程における木材追跡システムの開発
・追跡システムの技術的課題の検討

9. 木材追跡システムを実施する第三者機関の発掘
・LEI、関係NGO等の調査、能力評価

1. 合法性確認システムの技術的実証試験
・ラベリングに関する技術的な開発
・関係法令の制定

2. 合法性ラベリング実施体制の実証試験
・実施機関の設置
・費用負担等実施手法の確立

3. 企業が第三者機関による合法性確認を採用し、かつ費用を負担するようにするためのインセンティブの検討

4. 市民社会による合法性確認システムの監視体制の整備
・NGO等による協議会の設置
・苦情処理に関する制度の検討

5. 衛星情報を活用した伐採監視システム実証プロジェクトの実施

6. 木材追跡システムの技術的実証試験
・木材追跡システムの技術的な開発
・合法性ラベリングに関する技術開発
・関係法令の整備

7. 木材追跡システム実施体制の実証試験
・実施機関の設置
・費用負担等実施手法の確立

8. 企業が第三者機関による木材追跡システムを採用し、かつ費用を負担するようにするためのインセンティブの検討
・インドネシア国内での優遇措置
・インドネシア国内、日本における非ラベリング木材の利用、流通の制限手法の検討

9. 実施機関の担当職員の訓練

1. インドネシアにおける合法性確認システムの適用拡大

2. 衛星情報を活用した伐採監視システム実証プロジェクトの実施

2. 違法に伐採された木材・木製品及び関連違法貿易に対する取組努力への市民社会の関与の促進、特に合法性確認システムの実施モニタリングへの市民社会の関与の促進

1. 準備段階における市民社会からの意見聴取

2. 合法性確認、木材追跡システムを運営する第三者機関への市民社会の参画手法の検討
・市民社会によるアドバイザリーグループの創設
・アドバイザリーグループ、執行機関及び関係政府機関の間の情報交換手法の検討

3. 実施モニタリングに関する日本・インドネシア両国の市民社会の連携手法の検討
・AFPを通じた情報交換、連携手法の開発
・日本・インドネシア双方の市民社会フォーカルポイントの特定

4. 日本とインドネシアの市民社会における違法伐採と関連する貿易に関する世論喚起の促進
・両国における市民社会によるキャンペーン活動の実施

5. 違法伐採及び合法性証明システムの情報に関する独立したウェブサイトの設置
・AFPウェブサイトの活用

1. 市民社会による合法性ラベリング、木材追跡システムの監視体制の整備
・苦情処理に関する制度の検討

2. これら役割を果たすために必要な市民社会の能力開発

1. 市民社会による監視実施

2. これら役割を果たすために必要な市民社会の能力開発

3. 両国間における木材・木製品貿易に関するデータの時宜を得た収集及びデータ交換システムの共同開発

1. 既存のITTOデータのレビュー及びITTOによる輸出入データに関する新たな取組のフォロー

2. 両国の貿易担当機関等による情報交換手法の開発

3. データ及び情報交換システムの創設

1. 両国間におけるデータ交換システムの実施 1. 両国間におけるデータ交換システムの実施
4. 両国の法の執行における相互支援を行うための、両国における法執行機関及びネットワーク間の効果的協力

1. インドネシアの森林犯罪取締り組織、活動のレビュー

2. IDCF(森林関係省庁連絡会議)の活性化

3. CGIF(森林関係ドナー会議)における違法伐採対策調整フォーカルポイントの設置

4. 両国の法執行機関の情報交換手法の検討

5. 日本・インドネシア両国における合法性確認システムに基づく、違法伐採木材の利用、貿易からの排除措置の検討
・インドネシアにおける輸出制限措置
・インドネシアの輸出制限措置への日本の協力

6. WTO・CTEにおける日本・インドネシア両国の取組状況の紹介と、これを通じたその取組の合理性についての事実上の国際的コンセンサスの醸成

7. 木材関連企業、消費者等における違法伐採木材の利用に関する注意喚起
・木材関連産業等によるキャンペーン活動実施
・NGO、消費者団体等による実態調査

1. 両国の法執行機関の情報交換の実施
・定期会合の開催

2. インドネシアの法執行機関職員の能力開発
・研修実施

3. インドネシアの木材産業に対する、顧客への合法性提示の促進

4. 合法性確認システムに基づく、貿易措置の検討

1. 両国の法執行機関の情報交換の実施
・定期会合の開催

2. インドネシアの法執行機関職員の能力開発

3. インドネシアの木材産業による、顧客への合法性提示の促進

4. 合法性確認システムに基づく、貿易措置の実施
・インドネシアにおける違法伐採木材または合法性が確認されない木材の輸出禁止
・インドネシアの輸出禁止措置に対応する日本の協力

5. 持続可能な森林経営の実施を強化するための専門家研修及び初等・高等教育を含む人材開発

1. インドネシアが必要とする研修及び高等教育の課題、目標の確定

2. 研修及び高等教育に関する検討

1. 研修及び高等教育の実施 1. 研修及び高等教育の実施

 

2003年6月24日、東京

亀井 善之
日本国農林水産大臣
モハメド・プラコサ
インドネシア共和国林業大臣