違法伐採問題の経緯等
 
     
  1. 定義
     「違法伐採」の国際的定義は存在しないが、一般的に、それぞれの国の法律に反して行われる伐採を差すものと考えられている。違法伐採は、各国における持続可能な森林経営の取組みを著しく阻害するものと考えられている。

  2. 違法伐採の現状
     我が国との木材貿易関係から重要と考えられるロシア、インドネシアにおける違法伐採の現状は以下のとおり。
    1. ロシア
       環境NGOグリーンピースは、ロシアから生産される木材の20%が違法伐採木材であり、許可証なしの伐採、許可証の偽造等の行為が横行していると指摘。一方、本問題に関係する沿海地方政府機関は、違法伐採木材は、許可を得て伐採された量の1%未満であると発表。
    2. インドネシア
       インドネシア政府は、違法伐採が森林に関する最大の問題であるとして、各国に対して支援を要請。英国とインドネシアの合同調査では、インドネシアで生産される木材の50%以上が違法伐採木材であると報告。

  3. これまでの国際的議論
    1. 1998年に英国で開催されたG8外相会合及び首脳会合において、世界の森林に関する行動計画である「G8森林行動プログラム」(違法伐採を含む5分野)について合意。
    2. 2000年に我が国(沖縄)で開催されたG8首脳会合において、「輸出及び調達に関する慣行を含め、違法伐採に対処する最善の方法について検討」する旨のコミュニケについて合意。
    3. 2001年にイタリア(ジェノヴァ)で開催されたG8首脳会合では、首脳会合に次ぐ首脳個人代表の議論の場において、違法伐採問題を2002年のカナダ・サミットにおいて議論することについて確認。
    4. 2001年にインドネシアで開催された「森林法の施行に関する東アジア閣僚会合」において、東アジア地域として違法伐採問題に対し、輸出国・輸入国双方が取り組む旨の閣僚宣言を採択。
    5. 2001年に我が国(横浜)で開催されたITTO理事会において、「持続可能な木材生産・貿易と森林法施行」というタイトルの下、違法伐採問題に積極的に取り組むための措置を盛り込んだ決議を採択。
    6. 2001年にカンボジアで開催されたWSSDアジア太平洋地域準備会合において、持続可能な森林経営及び違法伐採問題をヨハネスブルグ・サミットへ向けた重要事項の一つとする提言を採択。