木材流通における転換促進支援事業
令和5年度実施報告
大分県木材協同組合連合会
1.実施概要
実施団体の説明
《当連合会の概要》
《当連合会の事業実施体制》
《当連合会の特記事項》
- 設 立:昭和27年7月9日
- 会 員 数:県内11木材協同組合
- 資 本 金:3,930万円
- 市 場:3市場:大分市場、小倉市場、中津センター
- 役 員:理事16名、監事2名
- 職 員:22名
- 主な業務:木材製品・素材の仕入・販売、チェンソー等の修理・仕入・販売、JAS認証・格付検査、合法木材・木質バイオマス事業者認定、木材の需要拡大
- 売 上 高:令和4年度 4,136,365千円
《当連合会の事業実施体制》
《当連合会の特記事項》
- 県下の製材所や木材販売業者など147社が所属員で、かつプレカット事業者や工務店、設計事務所にも精通している
- 指導事業として、住宅に限らず、非住宅建築物・外構・土木資材などあらゆる分野での木材の需要拡大に取り組んでいる
- 地域材の使用に際し、調達などについて工務店、設計事務所にアドバイスできる
- 非住宅の木造化を促進するため、木構造や木材等に関する相談窓口(専門アドバイザーの配置)を設置し、工法や技術の助言、木材の調達・価格の情報提供等、幅広い需要者ニーズに対応できる環境作りを行っている
事業の目的
構造材(横架材)の国産製品への転換促進を図る
事業内容・結果
(1)構造材の地域材転換促進協議会
当事業を円滑に実施するため、木造建築物に係る構造材(主に横架材)の地域材への転換を促進することを目的に設立
①第1回会議:令和5年 9月19日、県木連会議室、委員等8名
議題 木材流通におけるの転換促進支援事業の概要について
構造材の地域材転換促進協議会について
情報交換
意見交換
②第2回会議:令和5年12月22日、県木連会議室、委員等8名
議題 木材流通におけるの転換促進支援事業の実施状況について
情報交換
意見交換
(2)JAS材パンフレット
大分県内のJAS認証工場17社の紹介を含めたJAS製材品の普及版のパンフレットを作成し、流通業者・建設業者・設計事務所等に配布
(3)スパン表
大分県産スギ横架材のスパン表を作成し、設計事務所等に配布
(4)国産横架材活用の手引き及び事例集
活用の手引き及び事例集を作成し、建設業者・設計事務所・行政機関等に配布
(手引きのポイント)
(5)普及・広告
イベント及び新聞広告等を通じ建築物の木造化、県産横架材の活用推進を図った。
①森フェス:令和5年11月18日、県民の森、緑の少年団等、341人
②木と暮らしのフェア:令和5年12月3日、パトリア日田、一般県民、850人
③新聞広告:大分合同新聞12/4掲載
(6)講習会(①報告会、②講演会)
流通業者(県木連所属員:製材所、木材販売業者)、建設業者、設計事務所、行政機関を対象とした県産横架材活用の講習会を令和6年1月19日に大分県医師会館で実施した。(37名参加)
①報告会:「非住宅分野での木造化に関する意識調査」と「国産横架材活用の手引き及び事例集」について
報告者 ミウラクワノパートナーシップ代表 三浦逸朗氏
(日本文理大学建築学科 教授)
(意識調査ポイント)
②講演会:「構造材(横架材)を国産材に転換するための課題について」
講師 ナイス(株)資材事業本部理事 宮代博幸氏
(ポイント)
当事業を円滑に実施するため、木造建築物に係る構造材(主に横架材)の地域材への転換を促進することを目的に設立
①第1回会議:令和5年 9月19日、県木連会議室、委員等8名
議題 木材流通におけるの転換促進支援事業の概要について
構造材の地域材転換促進協議会について
情報交換
意見交換
②第2回会議:令和5年12月22日、県木連会議室、委員等8名
議題 木材流通におけるの転換促進支援事業の実施状況について
情報交換
意見交換
(2)JAS材パンフレット
大分県内のJAS認証工場17社の紹介を含めたJAS製材品の普及版のパンフレットを作成し、流通業者・建設業者・設計事務所等に配布
(3)スパン表
大分県産スギ横架材のスパン表を作成し、設計事務所等に配布
(4)国産横架材活用の手引き及び事例集
活用の手引き及び事例集を作成し、建設業者・設計事務所・行政機関等に配布
(手引きのポイント)
① | 「原木選びから始まる家づくり(木材トレーサビリティ)」での大径材活用
|
② | 大径材を活用に向けて 非住宅の場合、スパンも大きく、クリープを考慮した設計が必要になり、乾燥方法を考慮することが不可欠 木材を分離発注として、個体差による含水率の違いがあっても、設計側が部材の長さや大きさをなるべく統一することで、振替を行うことが出来る構造伏図を作成することが求められる。 また、地域内で利用できるJAS材についても理解を深めることが重要 地域の小さなコミュニティの中で大径材供給を行う仕組みづくりも必要 |
(5)普及・広告
イベント及び新聞広告等を通じ建築物の木造化、県産横架材の活用推進を図った。
①森フェス:令和5年11月18日、県民の森、緑の少年団等、341人
②木と暮らしのフェア:令和5年12月3日、パトリア日田、一般県民、850人
③新聞広告:大分合同新聞12/4掲載
(6)講習会(①報告会、②講演会)
流通業者(県木連所属員:製材所、木材販売業者)、建設業者、設計事務所、行政機関を対象とした県産横架材活用の講習会を令和6年1月19日に大分県医師会館で実施した。(37名参加)
①報告会:「非住宅分野での木造化に関する意識調査」と「国産横架材活用の手引き及び事例集」について
報告者 ミウラクワノパートナーシップ代表 三浦逸朗氏
(日本文理大学建築学科 教授)
(意識調査ポイント)
- 未だ「火に弱い」「地震に弱い」など木材の消極的な意見が聞かれた
- 木造の防耐火設計の選択肢は広がっており、設計側の技術力の向上が必要
- 建築基準法と消防法で見解の相違があり消防を含めた意見交換の場が必要
- 事業所の経営者等を対象とした先行事例の見学などで木造化のPRが必要
②講演会:「構造材(横架材)を国産材に転換するための課題について」
講師 ナイス(株)資材事業本部理事 宮代博幸氏
(ポイント)
- JASの制度・規格の課題と解決策
構造用製材はE60あれば、横架材としても十分利用可能
構造用製材も集成材同様、ヤング係数を10tf/㎠刻みとすべき - 使用者(設計者)側の課題と解決策
E70であれば、たわみ等への対応を担保するためE60相当として構造設計
適材適所に使えば、例えば柱であればE50で十分対応できる - 生産者(製材工場)側の課題と解決策
JAS構造材の需要が少なく、JAS工場の認証取得する機運にならない
地域材をJAS指定する行政こそ機械等級区分の認定工場の増強に努める - 今後の方向性
大径材は、成熟材の部分が多くヤング係数が上昇傾向にあり、曲げ・せん断強度や全乾比重も変わる。
JAS構造材の元となる木材の物性値見直でJAS製材の信頼性が向上
信頼性が低い目視等級は、90角以下の造作材・下地用製材に限るべき
2.得られた効果
県内の木材製品を使用する建築業者や設計事務所をはじめ、木材製品を供給する製材所や木材販売業者等に地域材、特に、JAS構造材の品質・性能の理解が深められ、建築物の地域材による木造化・木質化の機運が高まった。
3.今後の課題と次年度以降の計画
- 一般人へのJAS製材品の認知度の向上
- 建築業者、設計事務所や建築関係行政機関へのJAS構造材の理解促進
- 構造計算の出来る設計士の育成
- 木造・木質化を進めるためのコーディネーターの配置
- 非住宅分野におけるJAS構造材の活用を促す助成事業の拡充
- 参考となる事例紹介と補助金情報の定期的な情報提供
- 心持ち材と同等以上の品質の大径材を活用した心去り平角の製材加工技術
- 平角のJAS認証工場の拡大及びJAS構造材の安定供給体制の構築
- JAS認証基準や管理方法等の見直し、体制づくりの補助事業の創設
- JAS認証に必要な施設整備への助成拡充