平成27年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業
山形県木材産業協同組合
実施概要
ア 地域材利用推進協議会の開催
木材利用関係団体等を構成員とし、行政機関等をアドバイザーとする「山形地域材利用推進協議会」を開催し普及啓発内容を検討協議し協力体制を確立し、計画内容の検討と実施後の評価・検証を行った。名 称 | 日 時 | 会 場 | 摘 要 | |
1 | 第3回地域材利用推進協議会 | 3.29 | ホテルキャッスル会議室 | 委員等26名 |
2 | 第4回地域材利用推進協議会 | 11. 4 | 同上 | 委員等19名 |
※山形県地域材利用推進協議会:山形木材産業協同組合を事務局とし、協定を結んだ、木材、設計・施工、地域住宅建築ネットワーク団体等15団体で構成し、共同事業の取り組み方針を検討等する。
※協議会の構成は、県木材産業協同組合、県産木材利用センター、やまがたの木乾燥センター、県森林組合連合会、県建築士会、県設計事務所協会、県建設労働組合連合会、県JAS製材連絡協議会、県プレカット協会、地域住宅ネットワーク数社とし、森林管理署や県行政(木材、建築)及びマスコミ等はアドバイザーとして参加。また、有識者や企画事業体等は必要に応じて召集する。
イ 県内外の木材関係イベントへの出展
県産木製品や木造建築技術等のPRのため、県内の関係事業体等に広く呼びかけ県内外の関係イベントに木工品、製材品や住宅構造躯体を出品・展示し、県産木材の普及啓発と需要拡大を目指した。名称 | 日時 | 会場 | 摘要 | |
1 | 第5回日本一サクランボまつり 「やまがたの木工品を楽しもう」 |
6.18 ~19 |
山形市旅篭町 文翔館 (旧県庁) |
入場者 15万人 |
2 | 住まいの耐震博覧会2016 | 7.9 ~10 |
仙台市宮城野区港3-1-7 (夢メッセみやぎ) |
入場者 2万名 |
3 | 第26回山形県林業まつり | 10.22 ~23 |
天童市山王1 (山形県総合運動公園) |
入場者 3万9千名 |
第5回日本一サクランボまつり | ||
住まいの耐震博覧会 | 第26回山形県林業まつり |
ウ 木工品プロダクトコンペ及びショッピングセンター等での展示会等の開催
本県の木材資源や木工技術を活用した製品開発を促進するため、関係団体や個人に広く呼びかけ、作品コンペ、事例集の作成等を行い、身近な木製品の普及に努めた。また、公共施設及び若い世代が集う郊外型ショッピングセンターで出品作品の展示を行い波及効果を目指したほか、幼児の遊戯施設に対して木製ベンチの展示を行った。名称 | 日時 | 会場 | 概要 | |
1 | 木工品プロダクトコンペ 知事賞 1点 県木産協理事長賞、1点 県木工連理事長賞 1点 審査員特別賞 12点 |
4.28 ~9.8 |
募集: 4.28~8.30 審査会:9.8 県産業創造支援センター 表彰式:10.22 山形県林業まつりステージ |
応募62点 |
2 | 展示会の実施 | 9.14 ~10.14 |
山形県庁等5公共施設 イオンモール山形南 山形県林業まつり |
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3 | 事例集の作成 | 10.16 | 今回事例集1000冊 前回事例集300冊増刷 |
会議、イベントで配布 |
4 | 木工品の展示 | 10.28 | 児童施設「べにっこ広場」 | 長椅子4台 |
審査状況 | 展示会の実施 |
作品事例集 | 木工品の展示 |
エ 森林・木材体感バスツアーの開催
子育て世代等を対象にした、木工加工所、森林、加工工場、住宅建設現場を巡る「体感バスツアー」により、森林・木材に対する認識の向上を図った。名称 | 日時 | 会場 | 摘要 | |
1 | 木工品高度加工体感バスツアー | 6.18 | 〇杉山木工(中山町長崎) 〇㈱天童木工(天童市乱川) 〇㈱シェルター(寒河江市米沢) 〇体験木工(シェルター会場) |
一般県民 27名参加 |
2 | 森林・木造住宅の体感バスツアー 〇森林見学 伐採・造材作業見学 〇木材市場・プレカット工場 木材市場の役割り、プレカットに よる住宅部材の作り方 〇木造住宅建築現場 木造住宅の特徴、耐震性能等 |
6.25 | 〇森林見学 (山形市山寺地内) 国有林(作業:㈱荒正) 〇市場・工場見学(山形市表蔵王) 山形城南木材市場 山形木造住宅プレカットシステム 〇木造住宅建築現場(山形市鈴川) ㈱菊池技建 〇体験木工(平清水住宅展示場会場) |
親子連れ等 22名参加 |
森林・木造住宅体感バスツアー | ||
木工品高度加工体感バスツアー |
オ 非住宅等の木構造設計等に関する研修会の開催
地域の流通材及びプレカットを用いた中大規模木造建築等を組織的に促進させるため、木材・設計・施工業界等を対象に、「木造設計に関する基礎講座」「現代における森林・木材産業の役割」「JAS製材と木造建築物の関係」等の研修会を継続開催し、業界関係者の木造建築物に対する認識の統一を図った。名称 | 日時 | 会場 | 摘要 | |
1 | 「非住宅木造設計の基礎講座」 (構造性能とコストに配慮した設計) 講師:㈱アルファーフォーラム 倉内菜々氏(一級建築士) |
7.21 7.22 |
山形国際ホテル会議室 (山形市香澄町3-4-5) 酒田玉姫殿会議室 (酒田市北新橋1-19-7) |
木材・設計・施工・行政関係者等80名と40名参加 |
2 | 「森林・林業・木材産業の復活と地域創 生」 講師:(一財)日本経済研究所 専務理事 鍋山徹氏 |
8.24 | 山形国際ホテル会議室 (山形市香澄町3-4-5) |
木材・設計・施工・行政・一般等100名参加 |
3 | 「木造建築物とJAS製材」 講師:東京都市大学教授 大橋好光氏 |
9.30 | ホテルキャッスル会議室 (山形市十日町) |
木材・設計・施工・行政等90名参加 |
カ マスメディアを使った県産木材等のPR
県内各地の県産木材の利用等に関するPR広告を継続掲載し、県民の関心と認識を高めるため、現代的課題である「木質バイオマス発電」「プレカット協会設立」「乾燥JAS製材工場認定への取り組み」「身近な木工品」、波及効果を目指した「体感バスツアーの取り組」等に焦点を当て新聞一面を使った情報提供、普及啓発を実施した。名称 | 月日 | 内容 | 摘要 | |
1 | 木と生きる「安全・安心な木材を山形から 供給するために~二つの団体の取組~」 |
5.30 | 〇山形県JAS製材連絡協議会 〇山形県ブレカット協議会 |
地方紙 20万部 |
2 | 木と生きる「動き出すバイオマス発電」 ~県内の現状と課題~」 |
6.30 | 〇山形県の「森林ノミクス」 〇稼働中の木質バイオマス発電 〇発電の燃料を供給 |
同 |
3 | 体感バスツアー特集 | 7.29 | 同 | |
4 | 木と生きる「暮らしの中に県産木材のぬくもり ~木工品プロダクトコンペ受賞作品紹介」 |
10.17 | 〇第1回知事賞作品・製作者 〇第2回知事賞作品・製作者 〇審査員コメント等 |
同 |
5 | 第26回山形県林業まつり (一部負担) |
10.21 | 〇林業まつりPR 〇やまがた森林ノミクス |
同 |
キ Webサイトを活用した県産木材製品のPR
インターネットを活用したPRについて、木材業界も本格的に参入する時期に来ていることから、木産協HPへのアクセス等について整備を図った。(リスティング広告やディスプレイ広告(バナー)による告知とHPへの誘引、制作テレビ番組をユーチューブにアップロードし、若い世代を中心に幅広い層へアプローチを可能とした。HP充実等)名称 | 月日 | 内 容 | 摘要 | |
1 | HPリニューアル | 9.5 | ・トップページに旬な情報を掲載する「スライダー」を設置 ・TV番組をYouTube配信(リンク貼り付け) ・自社更新対応 ・木産協だよりや組合員名簿をわかりやすく表示 |
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2 | ディスプレイ広告① | 7.15~ 7.28 |
・「木工品プロダクトコンペ」をウェブ上へバナーを掲示して告知 ・1,956,809回の表示に対し、2,882クリックを獲得 (クリック率0.15%) ・バナーは2種類制作し効果検証を実施した。 (優秀作品を掲示したバナーがより多くのクリックを計上した) |
山形県内 |
3 | ディスプレイ広告② | 10.5~ 10.21 |
・「林業まつり」をウェブ上へバナーを掲示して告知 ・2,747,515回の表示に対し、4,081クリックを獲得 (クリック率0.15%) ・バナーは2種類制作し効果検証を実施した。(「林業まつり」を掲示したバナーがより多くのクリックを計上した) 山形 県内 |
山形県内 |
4 | リスティング広告 | 10.5~ 10.21 |
・「木産協HP」と「林業まつり」に関連するキーワードを検察した際にリンク表示を掲示 ・29,596回の表示に対し、918クリックを獲得しホームページへ誘引(クリック率3.10%) ・広告文は4種類作成し効果検証を実施した。(「林業まつり」を訴求した広告文がより多くのクリックを計上した) |
山形県内 |
事業実施により得られた効果
森林資源の充実に伴い、これらを活用した地域活性化を推進しており、施策として「(森林)モリノミクス」宣言を行い、木質バイオマス発電施設及び大型の集成材工場の誘致、ギネスに掲載された木造コンサートホールの建設等が連続して取り組まれている。これらと連動する形で、本事業では、地域材の普及啓発の強化のため、各種イベントへの参加の拡大、身近な生活に木工品を多用するための木工品プロダクトコンペや、森林・木造住宅・高度加工木工品生産等の体感バスツアー、木質バイオマス発電やJAS製材生産振興の動き等の新聞紙面を使ったPR強化、今後の都市部の商工業用施設及び中高層の木造・木質化の推進のための設計・施工業界等を対象とした研修会の開催、電子情報媒体を活用した県産木材のPR等を実施してきた。
このことにより、県民の間に地域資源の循環利用の認識の向上や木材業界、設計・施工業界の木材に対する品質・性能の意識の向上や木造建築に対する認識の共有が図られ、今後の木造建築物の建築促進に対する自立的取り組みの強化が期待される。
今後の課題と次年度以降の計画
これまでの成果を一層拡大するため、地域材、木造建築技術、木工品の普及啓発をさらに全国規模で展開すると共に、公共施設等での地域材のモデル的活用を通したPRや設計・施工業界との連携を強化する継続研修等を実施する。次年度以降の方向性は次のとおり。(1)大消費地での県産木材木造、木工技術のPRの継続実施(全国レベルでの展示会等への参加)
(2)公共建築物などへの、地域材のモデル的活用の実施(駅、空港、公共施設等)
(3)都市部での建築物の木造・木質化のための設計・施工業界と連携した研修会等の継続実施
(4)住宅と調度品、装備品とのコーディネート等、建築と木工分野との連携した取り組みの強化等