新潟県木材組合連合会

平成27年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業

新潟県木材組合連合会

実施概要

①木造住宅セミナーの開催
 これから家づくりを考えるような主婦層を中心とした県民を対象に、地域の木材を活用した木造住宅の良さや、森林につながる家づくりを意識してもらう機会を提供することを目的としてセミナー(講習会)を開催した。
 また、同日セミナー会場前のホワイエと、常時市民に解放されているスタジオで、製材工場等が木のよさや木工品、住宅建築に関する展示を行った。
 合わせて、当日は会場であるメディアシップで他のイベントも開催されており、セミナーに参加しない多くの人々の回答も期待できるため、アンケート調査を実施し、地域材PR用の木工品を提供した。
タイトル:「木と暮らすまいにち講演会」
開 催 日:平成28年8月20日(土)
会   場:新潟日報メディアシップ 2F日報ホール 2Fホワイエ 1Fスタジオ
講   師:ポール・スミザー氏(ランドスケープデザイナー)「木や花を楽しむ暮らし」
     平山 友子氏(住宅ライター)「心豊かな暮らしを育む木の家づくり」
来場者数:約200人
 
8/20木造住宅セミナー
 
②県産材住宅コンペの開催
 新潟県内の地域材の良さを発信し、需要を増大させる取り組みの一環として、県産材を使って「心豊かな木のある暮らし」を実現している様々な実例の中から、県産材の特長を活かしている、地域とのつながりを保っている、デザイン性が高いなど総合的に優れた越後杉住宅を表彰し、県産材を活用した家づくりを促進するために実施した。
期   間:平成28年9月16日(金)~平成28年10月26日(水)
応 募 数:39点
入 賞 数:最優秀賞1点 優秀賞3点 特別賞1点
 
10/14コンペ審査会
 
10/26コンペ表彰式
 
③県産材住宅実例集の作成
 住宅コンペの応募作品を「地域材による家づくり実例集」として作成し、応募者全員及び県内の建築士や工務店等に配布した。
 
④県産材流通戦略会議
 地域材による家づくりの核となる新潟県の地域認証材「越後杉ブランド認証材」の安定的な流通を確保するため、問題点等を洗い出し、特に、品質向上及び需要拡大へ繋げるための検討会を3回実施した。
開 催 日:平成28年7月26日(火)
場   所:貸会議室にいがた(新潟市)
参 加 者:9人
開 催 日:平成28年8月4日(木)
場   所:㈱志田材木店(長岡市)
参加人数:8人
開 催 日:平成28年9月7日(水)
場   所:アオーレ長岡(長岡市)
参 加 者:8人
 
⑤建築体験教室
 地域材による家づくりや木造建築術の素晴らしさ、大切さを伝えるとともに、未来を担う子供たちへ興味のきっかけとなるよう、親子を対象として実際に木材に触れ加工組立てができる体験教室を開催した。
開 催 日:平成28年8月11日(木)
場   所:きのと小学校(胎内市)
参加人数:25人(親5、子20)
開 催 日:平成28年8月7日(日)
場   所:さくらんど会館(五泉市)
参加人数:246人(親119、子127)
開 催 日:平成28年7月30日(土)
場   所:新町小学校(長岡市)
参加人数:40人(親16、子24)
開 催 日:平成28年8月7日(日)
場   所:十日町市民活動センター十じろう(十日町市)
参加人数:15人(親6、子9)
開 催 日:平成28年8月7日(日)
場   所:上越人材ハイスクール(上越市)
参加人数:15人(親6、子9)
開 催 日:平成28年8月27日(土)
場   所:上越人材テクノスクール(上越市)
参加人数:約150人
開 催 日:平成28年8月21日(日)
場   所:ビーチホールまがたま(糸魚川市)
参加人数:約136人(親60、子76)
開 催 日:平成28年9月25日(日)
場   所:アオーレ長岡(長岡市)
 
⑥木造住宅「いきいきスクール」
 小学生に地域材による木造住宅への関心と理解を深めるため、また、木工体験を指導する大工が自分の技術を見せる機会を設けて仕事への張り合いとなることを目的として、木工品組み立ての体験学習や模擬上棟式を実施した。
開 催 日:平成28年9月4日(日)
場   所:吉田産業会館(燕市)
参加人数:42人
 
⑦親子木工教室
 県内の小学校において親子を対象に実際に木材に触れ加工組立を体験することにより、木を活用することの良さや楽しさ、意味等を実感してもらった。
開 催 日:平成28年8月2日(火)~3日(水)
場   所:広神西小学校(魚沼市)
参加人数:57人(親7人、子50人)
開 催 日:平成28年8月18日(木)
場   所:見附小学校(見附市)
参加人数:12人(子12人)
開 催 日:平成28年6月13日(土)
場   所:下条小学校(十日町市)
開 催 日:平成28年10月6日(木)
場   所:十日町小学校(十日町市)
開 催 日:平成28年10月23日(日)
場   所:馬場小学校(十日町市)
参加人数:104人(親50人、子54人)(十日町市3回)
 
⑧技能競技大会
 建築技術の素晴らしさを広く県民にPRするため、伝統的木造建築の技法である「振隅木」などの課題を設定し、上・中・下越の各地区の予選を勝ち抜いた選手による技能競技大会を開催し、建築技術の向上と一般来場者に地域材による木造建築への興味を喚起した。
開 催 日:平成28年4月16日(土)
場   所:サンウィング横越(新潟市)
参加人数:25人
 
⑨先進的な木材活用に向けた研修会
 新潟県産材の新たな需要拡大に向けたCLT木構造用建築材料とCLT等木構造建築物の普及促進を図ることを目的に、県内の林業・木材製材業、設計・建設業を対象に茨城県つくば市のCLT実験棟の視察・研修会を実施した。
開 催 日:平成28年10月11日(火)
場   所:国立研究開発法人建築研究所敷地内 CLT実験棟
参加人数:23名
 
⑩パンフレット等の作成
 木がどのように育ち、どうやって家が作られているのか知る機会のない子供たちに向け、川上から川下まで自分たちの身近に木が来るまでの流れがわかり、木の良さ大切さ、身近でどのように木が活用されているかがわかるパンフレットを3種類作成した。
 
⑪木材PRカレンダーの配布
 学校での木育活動でのツールにしてもらうことを目的として、子供たち向けに木材をPRするカレンダーを県内の全公立小中学校に配布した。
 
⑫木材PRポスターの配布
 木材の需要拡大を働きかけるPRポスターを製材工場等に配布し、建築関係者等訪れる人たちに広くPRを図った。

 

事業実施により得られた効果

 地域材による家づくりを促進するための主な要素として、
①住まい手(消費者)の興味・関心
②設計者や大工・工務店等建築関係者の選択
③子供が木に親しむ
などが重要と考えられる。
 そのため、住まい手向けの木造住宅セミナーや建築関係者向けの住宅コンペなどを通じて、「越後杉」を中心とした県産材への興味を喚起し地域材を選択することの意義等を伝えることができた。
 また、親子もしくは子供たちに木の良さや大切さを伝えるとともに、子育て世代に木造住宅への関心を訴求することができ、将来に向け期待が持てる。
 さらに、来場者アンケートや建築関係者との連携による取り組みを通じて、今後の課題や取り組み方向についても検討することができた。
 県内には利用できるスギがあり、かつ県産材住宅を支援する制度もある今この時期に、川上から川下までが一体的に連携して広く県民にアピールしたことで、県産材の積極的な利活用への期待がますます高まったと思われる。
  

今後の課題と次年度以降の計画

 今年度の事業を通じて、木材業界と住まい手の間に立ち、住まい手の側を向いて木材等の材料を選択する建築関係者が大きなポイントとなることが判明した。
 特に、設計に携わる方々における、地域材を使用することの意識や地域材を活かすうえで必須の木造技術に関する部分を強化することが大きな課題と考えられる。
 さらに、木材側と建築側が将来にわたって継続的に地域材を活用した家づくりを進めていくための担い手養成も極めて重要であると考えられる。
 そこで、今年度は親子をはじめとした一般消費者へ訴えかける内容が多かったが、次年度以降は、建築士等の実際に家を造る立場の方々と上記の喫緊の課題に取り組むとともに、県産材の流通および地域材の家づくりに必要な取組等を連携して検討・実施していきたい。