一般社団法人愛知県木材組合連合会

平成27年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業

一般社団法人愛知県木材組合連合会

実施概要

[1]県産材利用促進講習会
 建築士や住宅等の建設事業者並び木材関係に住宅等の設計・施工を支援する技術的資料であり、県産材をより使いやすくすることを目的として、平成27年度補正で作成した「愛知県産材利用の手引き」について普及研修を開催した。

  (1)日程・場所
日 時 場  所 参加者数
1 9月5日(月)
13:15~16:30
東三河総合庁舎2階大会議室
(豊橋市八町5丁目4)
19名
2 9月8日(木)
13:15~16:30
名古屋木材会館
(名古屋市中区松原2丁目18-10)
62名
3 9月14日(水)
13:15~16:30
西三河総合庁舎7階701会議室
(岡崎市明大寺本町1-4)
44名

(2)内容及び講師(各回とも同じ)
①愛知県の森林。・林業の現状及び「手引き」作成の目的・概要(30分)
講師:〔愛知県農林水産部林務課職員〕 鍋 田 拓 哉

②建築材料としての木材の特性
  ~ 愛知県産スギ・ヒノキの強度試験結果及び基準強度 ~ (60分)
講師:〔名古屋大学大学院生命農学科〕 山 﨑 真理子准教授

③愛知県産スギ・ヒノキの高架材スパン表の使用方法及び演習(60分)
講師:〔名古屋大学大学院環境学研究科〕古 川 忠 稔准教授

④住宅省エネルギ-講習会(国交省補助事業)の開催について
「愛知県木造住宅生産体制強化地域協議会事務局」

事業実施により得られた効果

・木造住宅において、県産木材を利用することは、木材の供給者、需要者双方にとって大きなメリットがあり、「愛知県産材利用の手引き」を使用することで、住宅等を設計・計画する際に行う構造計算を省略できる。
 

今後の課題と次年度以降の計画

・今後、得られた知見や調査結果等により適宜改訂され、さらなる強度試験デ-タの蓄積や、スパン表掲載部位の追加など、より信頼性が高く使いやすい「愛知県産材利用の手引き」を用いて建築士、工務店、プレカット事業者等に普及研修し、住宅等を設計する際に愛知県産材の利用を図る。
 
[2]スパン表更新
木造住宅等の構造設計に用いる愛知県版「スパン表」に正角材を用いた床梁(大引)、屋根梁の追加、小屋梁のパラメ-タ-である、小屋束のスパンの追記などバリエ-ションを追加することを目的に「愛知県産材利用の手引き」検討委員会を設置し、スパン表の更新を図った。

(1)日程・場所・内容
日 時 場  所 参加委員 議   題
1 6月15日(水)
10:00~12:00
名古屋大学ES総合館
建築第2会議室
(名古屋市千種区
  不老町)
10名 1.平成27年度第5回委員会の結果について
2.地域材利用拡大緊急対策について(林野庁事業)
3.県産スギ材の性能評価に関する研究について
4.基準強度及びスパン表の改定について
5.「愛知県産材利用の手引き」普及研修について
6.あいちの木で家をつくる会の活動について
2 9月8日(水)
11:00~12:00
名古屋木材会館
 小会議室
(名古屋市中区松原
 2丁目18-10)
10名 1.第1回委員会の結果について
2.強度試験計画について
3.基準強度の改訂について
4.スパン表の改訂について
5.「愛知県産材利用の手引き」普及研修について
3 11月11日(金)
10:00~12:00
名古屋大学ES総合館
 4F第3会議室
(名古屋市千種区
  不老町)
9名 1.第2回委員会の結果について
2.強度試験結果について
3.基準強度の改訂について
4.スパン表の改訂について

(2)「愛知県産材利用の手引き」検討委員会名簿
・名古屋大学大学院環境学研究科 古 川 忠 稔
・名古屋大学大学院生命農学研究科 山 﨑 真理子
・㈱ 杉  生 峰 野 成 彦
・(公社)愛知建築士会 木塾 林   秀 和
      〃       福 田 啓 次
・あいちの木で家をつくる会 渡 辺   径
      〃     福 井 徹 也
・愛知県森林組合連合会 石 田 敬 一
・(一社)愛知県木材組合連合会 加 藤 龍 己
・愛知県産材認証機構 水 谷 憲 二
・愛知県森林・林業技術センタ- 豊 嶋   勲
・愛知県建設部建築局建築指導課 三 浦 淳 史
・愛知県農林水産部農林基盤局林務課 佐久間   学
      〃       鍋 田 拓 哉
      〃      長谷川 規 隆

事業実施により得られた効果

愛知県森林・林業技術センタ-において、愛知県産スギ・ヒノキの強度試験を行い、基準強度を県とし産出したことにより、県産材の強度特性が明らかになり、より安心して県産材を使えるようになり、スパン表を使用することで、木造住宅の設計の際に構造計算を省略できる。
 

今後の課題と次年度以降の計画

スパン表で選択できる範囲が240まであり、最近では特殊な部分や荷重が大きそうな箇所は個別計算になるので、270から360を超える地域材の杉梁桁材がカバ-できるスパン表を検討する必要がある。
また、現状の意匠設計者は構造計算ソフト利用しているので、愛知県産材の数値を代入して、計算することができるか検討課題であり、それらを含め、建築士、工務店統を対象に「愛知県産材利用の手引き」普及研修を開催し普及を図る。
 
[3]住宅関連イベントでのPR
1.イベント出展者説明会
   ① あいち住まいるフェア2016(10月14日~16日)
 
日  時 場  所 参加企業 内  容
1 9月28日
  14:30~
名古屋木材会館 小会議室
名古屋市中区松原二丁目
 18番10号
8企業 ①住宅関係イベントでの
 PR実施業務の内容
②小間配置
③出店要領
④各種資料
⑤各社申請書

   ②WOODコレクション2016in名古屋(11月29日~30日)
 
日  時 場  所 参加企業 内  容
2 11月7日
  13:30~
名古屋木材会館 大会議室
名古屋市中区松原二丁目
 18番10号
42企業 ①住宅関係イベントでの
 PR実施業務の内容
②小間配置
③出店要領
④各種資料
⑤各社申請書

  (1)「あいち住まいるフェア2016」
新築からリノベ-ションまで、住まいに関する情報を発信する愛知県内最大規模の住宅総合イベントに県産木材や県産木材製品の魅力を県民及び木材の重要な需要先である住宅関係者に広く知ってもらうために、県木連が10小間借上げ、出店希望企業を募り、多様な製品を紹介するとともに具体的な入手先や施工者の情報を提供し、消費行動を促する展示を行った。

①イベント概要(内容)
イベント名 日 時 開催場所 来場者数 主催者
あいち住まいる
 フェア2016

第46回建築総合展
   2016
10月14日(金)
 ~
  16日(日)
 10:00~17:00
名古屋市中小企業振興会館
(吹上ホール第1・
 第2ファッション展示場)
14日 9,400
15日 5,900
16日 4,800
20,100
・(公社)愛知建築士会
・中部経済新聞社
・中日新聞社
・愛知ゆとりある住まい
 推進協議会
②出展企業、内容
小間数 出展企業 出展内容
2 あいち里の木の会 住宅施工等相談窓口
1 不二木材工業㈱ フロ-リング、腰カベ
1 ㈱桜屋 家具
1 ナイス㈱ 部材サンプル
1 飛騨産業㈱ 圧縮木材イス
1 ㈱明城 土カベ
1 阿部建設株 CLT
2 (一社)愛知県木材組合連合会 直貼りフロ-リング
・レ-ザ-加工による表彰状等
・フロ-リング用圧縮木材
・コンクリ-ト型枠合板
・天然木突板のシ-ル

(2)WOODコレクション2016in名古屋
長野県、岐阜県、愛知県は互いに隣り合っており、長良川、矢作川など、共通の河川流域を持 っている。尾張藩の御用材や白鳥の貯木場の例など、歴史的にも上下流の林業・木材産業が一体 となって発展してきた地域である。
林業・木材産業の振興を通じて森林の多面的機能の発揮や地域社会の発展を目指すといった共 通の理念のもと、三県合同で地域材利用促進・木材産業の進行のためのイベントを開催した。

①イベント開催概要(内容)
イベント名 日 時 開催場所 来場者数 主催者(共催)
WOODコレク
ション2016in
名古屋
11月29日(火)
 ~
  30日(水)
 9:00~17:00
ポートメッセナゴヤ
(名古屋市港区
 金城ふ頭
 二丁目2番地)
29日480名
30日495名
 
975名
・愛知県
・岐阜県
・長野県
<共催>
・(一社) 愛知県木材組合連合会
・ぎふ性能表示材認証センター
・信州木材認証製品センター


②展示内容
地域材(愛知県産材、岐阜県産材、長野県産材)を活用した、建材、建具、家具、小物など様々な魅力的な木材製品の展示
◎出展企業数
 愛知県 31企業
 岐阜県 21企業
 長野県  8企業

③同時セミナー開催
 
日  時 内  容 講  師 参加数
1 11月29日(火)
 13:00~16:00
木造防耐火技術の動向と地域材を活用した
耐火部材開発の取り組み
愛知県立大学
  板垣直行教授
56名
2 11月30日(水)
 13:00~15:10
木造住宅の構造計算のすすめ~熊本地震
における木造住宅の被災状況から~
岐阜県立森林文化アカデミー
  小原勝彦准教授
64名
 

事業実施により得られた効果

木材関係団体、企業等の協力を得ながら、住宅購入希望者や住宅関係者など、これから木材を利用する消費者等が集まる住宅関連イベントにおいて、県産木材の魅力的な製品や使い方を広く知らしめることにより、消費者に対して県産材への認知が上がった。
 

今後の課題と次年度以降の計画

住宅購入希望者ゆ住宅関係業者など、これから木材を利用する消費者等が集まる住宅関連イベントにおいて、県産材のPRは重要であるが、しかし、地域産材の調達に関する情報は意外に貧しく、「県産材で家を建てる」時にいざ設計の段階に至って、必要な量や寸法が確保できない問題が発生し、混乱が生じているのが実情である。
今後、工務店等住宅関係者に県産材の調達に関する情報が確保できる、情報ネット及び冊子等を提供することによって愛知県産材の利用を図る。