鳥取県木材協同組合連合会

平成27年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業

鳥取県木材協同組合連合会

実施概要

川上から川下までの林業・木材産業関係団体である①鳥取県森林組合連合会、②一般社団法人 鳥取県建築士事務所協会、③一般社団法人 鳥取県木造住宅推進協議会、④一般社団法人 鳥取県建築技能近代化協会の各団体と、鳥取県木材協同組合連合会がお互いに連携・協力しながら、県産材の魅力を伝え、県産材の利用拡大に寄与できるよう積極的に事業を展開した。
 

実施概要

*企画のための会議の開催等
川上から川下までの林業・木材産業関係5団体が協定書を締結し、新たな協力態勢で事業を実施した。
「木づかいの国とっとり」を実現する会、鳥取県木質内装材開発・販売推進協議会等とも連携し、地方公共団体や福祉団体、並びに、学校関係者等と意見交換を行い、木材の需要拡大に向けて問題点等の整理をした他、市町村など関係団体へ木材使用の要請活動を実施した。
 
*県産材の普及啓発の実施
「木づかいの国とっとり2016 住の未来を創る」をテーマに、木を植えて育み、伐採して有効活用する持続的な生産活動が里山の再生を助長し地域を元気にするとの視点で、暮らしの中に県産材を取り入れる意義などを地元紙への掲載、イベントの実施などで啓発した。
 
①新聞広告
・6月28日掲載分 テーマ:「県産材こだわりの家造り」
県産材利用にこだわった子育て世代のマイホームの特集を掲載した。木造住宅の豆知識や木にまつわるクイズ等趣向を凝らして県産材利用のPRをした。 
・9月22日掲載分 テーマ:「県産材の魅力を感じて」
「人」と「木」のつながりを伝える木育体験ツアーや業界、地域や関係団体の垣根を越えた意見交換会など、県産材の魅力を伝える取組を掲載した。木材の地産地消サイクルを創生できるよう県産材の魅力をPRした。
・10月25日掲載分 テーマ:「魅力あふれる木造住宅」
新たに設立された「木づかいの国とっとりを実現する会」が実施する県民運動としての取組や、木質内装材の開発・販売推進への取組、木造住宅への関心を高める「木の住まいフェア」の特集を掲載した。地域に豊富にある森林資源の有効活用により、林業・木材産業の活性化、地方創生の実現や地域経済の成長につながることをPRした。
 
②パンフレット作製
 新聞に掲載した内容を詳細に紹介したパンフレットを1,000部作成した。県産材の普及ツールとして活用した。 
 
③ホームページの改定
上記①、②の活動をさらに多くの県民の方々に広報すべく、県木連のホームページに掲載、情報発信をおこなった。
 
*県産材の展示や体験キャンペーン等の実施
【「人」と「木」のつながりが未来の鳥取をつくる】をテーマに「鳥取のひととき」プロジェクトを展開した。
 
①ケンサンと行く鳥取県産材木育バスツアー(9月10日実施)
産地である山、加工所、住宅建築現場を訪れるバスツアーを実施した。木材が生まれてから実際に使われるまでの流れを実感し、新築やリフォームの際に県産材の使用をイメージしていただけたことで、県産材を利用して頂く機運を醸成することができた。
「ケンサン」:県産材のセールスをするほか、身近な県産材の専門家であり顔の見える県産材活用の相談者として、森林組合や製材業並びに工務店や設計担当等の方で構成。
 
 
②鳥取県産材MIRAIビジョン(9月10日実施)
業界内外から参加者を募り、業界内や一般の方との垣根を越えた意見交換会を行った。また、木製品の魅力を伝えるため、意見交換会の前に木で作られた楽器の音楽会を行った。鳥取県出身のチェロ奏者と三朝バイオリン美術館長とで、木にまつわるトークを展開し、県産内装材や地域おこしにまつわる木・竹を活用した新たな商品開発へのチャレンジなど多岐にわたるテーマの意見交換を行った。業界の垣根を超えてつながりを深くしたほか、一般の方に向けては県産材活用の機運を醸成した。
 
 
③学ぼう!楽しもう!ケンサンの県産材クイズラリー
9月、10月に開催された、木の住まいフェアに協力いただき、イベント会場内で「鳥取の木」についてクイズスタンプラリーを行い、未来の鳥取のことや、ケンさんとの接点を増やし、県産材をこれからの暮らしに取り入れて頂く機運を醸成した。
 
*県外展示会への出展
県外へ鳥取県産材の情報発信を行うため、岡山市や大阪市で開催される展示会に出展し、積極的な販路拡大対策を実施した。
 
 
・ 9月24日(土)
「木の住まいフェア」(米子産業体育館 1,598名)
木質内装材の展示及び県産材クイズラリー実施
 
 
 
・10月15日(土)~10月16日(日)
「木の住まいフェア」
木質内装材の展示、木育広場及び県産材クイズズラリー実施
(会場:鳥取産業体育館 来場者1,688名)
 
 
・ 9月 8日(木)~ 9月 9日(金)
ナイスふれあいフェア 2016(会場:ナイス岡山市場 来場者1,109名) 
 
 
・10月 2日(日)
水都おおさか 森林の市2016
(会場:近畿中国森林管理局・毛馬桜ノ宮公園 来場者約2万人)
 
 

事業実施により得られた効果

・県産材の需要拡大を目指し、川上から川下までの林業・木材産業関係団体がお互いに連携・協力しながら、県産材の魅力を伝え、県産材の利用拡大に寄与することを目的に関係団体を前年度より拡大しながら積極的な展開を実施することができた。

 特に、とっとり木づかいの国を実現する会との連携では、県内の市町村長全てに県産材の活用を要請したほか、木材利用のモデルルーム的な役割を担うことができる学校法人や社会福祉法人とも意見交換し木材利用の良さ等について理解していただいた。

・業界内外での垣根を越えた意見交換会を実施しエンドユーザーの生の声としてまだまだ木の良さの情報が少ないとかPR不足である等のご意見を伺うことができ、今後の需要拡大に向け非常に参考となる意見交換会であった。

・前年度、県産材と直接ふれあう機会を設けて欲しいとの要望があったが、今年度、ふれあい体験の場を増やすことができ、より県民の方へ県産材の魅力等について理解を深めていただくことに役立った。
 

今後の課題と次年度以降の計画

・ 木育ツアー、意見交換会等の参加者の多くが家全体に広がる温かみや風が通る開放的な空間などがある”木の家”を評価する一方、木の良さをもっとアピールする必要性が求められ、引き続き普及啓発を行う必要がある。
 
・ 引き続き情報共有を含め業界の垣根を越えた連携を強化し、関係団体が一体となった県産材需要拡大への取り組みが必要。
 
今年度設立された「木づかいの国とっとり」を実現する会で展開している県産材需要拡大の県民運動や、鳥取県木質内装材開発・販売推進協議会で実施している新製品の開発や販売促進策等と連携しながら、当事業で芽生えた県産材需要拡大の機運を一過性ではなく、息の長い取り組みとして、関係団体と連携しながら普及活動を続けていきたい。