上川地域水平連携協議会

平成28年度 工務店等と林業・木材加工業の連携による住宅づくり等への支援事業

上川地域水平連携協議会

実施概要

(1)実施団体の説明
 上川地域水平連携協議会は、平成21年の設立以来地域材であるトドマツ材の安定的な流通体制の確立、用途拡大、品質安定化を図ることを目的として、上川地域内の造材、製材、加工、住宅建設、家具製造の業者が水平連携、垂直連携を通して取り組んでいる。今まで、トドマツ材需要拡大のための構想策定を行い、用途開拓として高品質管柱の開発、フローリング材の開発、家具の開発などを行ってきており、今後も道産材の更なる利用促進に向けた取り組みを展開する。
 
(2)事業の目的
 道産材の利用拡大を目指し、ホームセンターと連携して同社の掛け売り会員(工務店・大工)に対し、住宅建設利用への普及を図る。それら会員の製材品購入動向をデータベース化し、造材時の玉切り寸法の再考や製材時のロスを減らす工程の調査検討を行い、当協議会の連携により地場の製材所を活用した道産材のサプライチェーンを完成させることとする。また、同ホームセンターで行う普及イベントでは掛け売り会員のほか一般ユーザーにアンケート調査を行い、道産材利用の意向を把握して今後の販売に向けて積極的な展開を図ることとする。
 
(3)事業内容、事業結果
ア 道産材利用動向のデータベース化
 ホームセンター会員の製材品購入実績から、地域で求められる製材品ニーズを検討した。住宅建築用羽柄材が中心に購入されているが、今後の販売実績等のデータを蓄積し、データベースの充実を図る。
 
イ 普及イベント
 ①「トドマツ材利用促進展(北木市会場)」
 ・日時 平成28年12月8日、13時~15時
 ・場所 札幌市北区篠路町上篠路7-8「北木市」会場
 ・来場者数 14人
 ・イベント内容 トドマツ材ブース、トドマツ材テーブル、椅子、カウンターを展示。普及冊子、パンフレットを配布。アンケート調査でトドマツ材利用意向を把握。

 ②「トドマツ材利用促進展(ホームセンター苫小牧西店会場)」
 ・日時 平成29年1月28日、10時~14時
 ・場所 苫小牧市明徳町2丁目7-1
 ・来場者数 22人
 ・イベント内容 トドマツブース、椅子、カウンターを展示。DVD上映でトドマツをPR。普及冊子、パンフレットを配布。アンケート調査でトドマツ材利用意向を把握。

 ③「トドマツ材利用促進展(ホームセンター美唄店会場)」
 ・日時 平成29年1月29日、10時~14時
 ・場所 美唄市東5条北5丁目1-11
 ・来場者数 19人
 ・イベント内容 トドマツブース、椅子、カウンターを展示。DVD上映でトドマツをPR。普及冊子、パンフレットを配布。アンケート調査でトドマツ材利用意向を把握。
 
ウ アンケート調査
①調査の概要
トドマツの認識度を問い、今までにトドマツ材を使ったことがある人にはどのような用途に使ったか、また、使ったことがない人にはトドマツの気になる点を聞いた上で、今後の利用に結び付ける。
②結果の概要
アンケートでは、トドマツを使ったことがあるという回答が80%以上を占めた。主に、建築用羽柄材に利用しており、今後も使う上では強度や柔らかさが気になる点と回答している。しかし、その他意見を求めたところ、トドマツは加工しやすい、素材の色合いが良いとのことから、使いたいという回答が半数以上あった。
 
 

事業実施により得られた効果

 大手ホームセンターと連携したサプライチェーン構築に向けた取組みは、同ホーム
センターを活用した道産材トドマツの普及啓発イベントを通じて、工務店やユーザーにアピールすることができた。合わせて行ったアンケート調査から、種々の意向を把握することができたので、今後の利用促進につながることが分かった。また、今回の事業では同ホームセンターでの木材利用の動向をデータベース化することができたので、素材生産者、製材工場、販売店がユーザーニーズを共有し、道産材を効率的に提供できる目途が付いた。このことから、トドマツ材利用促進展やアンケート調査も合わせて、当協議会がホームセンターを介して地域材のサプライチェーンを構築することが可能となった。
 

今後の課題と次年度以降の計画

 今年度の取組みでは、地域材サプライチェーン構築の目途が付いたので、今後は当協議会製品をホームセンターで販売する実態をデータベース化し、サプライヤーとユーザーがホームセンターを介して一体となるサプライチェーンの確実性向上を目指す取組みを続ける必要がある。