伝統建築上総匠の会

平成28年度 工務店等と林業・木材加工業の連携による住宅づくり等への支援事業

伝統建築上総匠の会 株式会社

実施概要

千葉県産サンブスギを使用したログハウスの研究開発・PR事業


事業実施により得られた効果

1、研究開発について
スギ丸太の製材方法と製材後の加工法に苦心したが、試行錯誤の末もっとも変形率の少ない方法を発見した。予想される変形では、丸太正面の割れや亀裂ですが、天端と下端にヤトイサネ用の溝を設けることで、背割効果が発揮され、綿密な観測の結果、内外に面した面皮部分の収縮が大幅に緩和され28年6月採取の100%含水丸太が、29年3月になっても丸太正面割れが発生していません。この様に不適な伐採時期にも係らず、設計強度については壁自体が全て耐力壁で一般住宅の2倍~4倍の壁倍率を有し、割れや亀裂の劣化最小限にはかる加工法の開発に成功。販売方法もブロック化により全国発送が可能に出来、ユーザー自ら建設も可能なログハウスに出来た。
 
2、PR事業について
千葉県産サンブスギを使用したログハウスの普及をより一層発展させるための広告宣伝周知を目的としたホームページやフェイスブックを媒体とした宣伝、JR駅構内に里山暮らしと題したログハウスでの生活を広告看板掲載にてPR活動実施、ログハウスの模型を使うことで構造体の説明が慣用化可能になりました。尚、ユーザーの
求めに応ずべく用地の取得も出来ており、いつでも注文に答えるように整えております。
 

今後の課題と次年度以降の計画

1、課題
販売単価の軽減化には、機械加工の高速化と乾燥方法に課題があり、含水率40%で加工し25%で出荷。延べ床面積150㎡の一戸辺り1300万円を標準にしたい。この価格設定には、末口30cm長級4m材250本を使用するには、100本の立ち木原木が必要として、1戸あたり1300万円のログハウス価格では、林業者に11%の価格割合、木材加工業者に17%、工務店は72%で住設器機は別途扱いでも標準化にしたいが、現在の加工法では1800万円が試算状態です。
 
2、次年度以降の計画
今後の計画には、模型によるセミナーの開催とモデルログハウスの建設による販路開拓に努め、当面は、伐木時期の11月になるまでPR事業と平行して、木材加工業者と二次加工業者並びに機械メーカーとの連携により高速で精度の高い木材加工機の開発計画を実行する。尚、森林セラピーの研究に携わる、千葉大学環境健康フィールド科学センターの宮崎良文教授との共同研究を通じて面皮木材が住環境に齎す生体への良好な影響を解明して、PR事業に最たる事例を発表し、老若問わず高い関心度を求め、パンフレットの製作にあたり、平成29年度は3棟=5400万円 平成30年度は6棟=1億800万円 平成30年度は10棟=1億8000万円の売上げを目標に計画を推進する。


 
ログハウスの模型完成写真

 
取り外しが可能で内部創作も施してあります。
よりイメージの湧きやすいように作成しました。
 
杉丸太の製材方法
1.下端 2.ヤトイサネ
3.天場 4.接合イメージ
 
5.木口 断面