平成28年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業
北海道木材産業協同組合連合会
実施概要
1 木造建築研修会等の開催
(1) 木材加工施設見学会の開催
- 連携団体の(一社)北海道住宅都市開発協会は、北海道内の住宅ハウスメーカーや工務店などが構成員となっている団体で、新しい北方型住宅の推進を目的として、現地見学会などを積極的に行っている。
- (一社)北海道住宅都市開発協会と連携し、道産材の新たな用途として注目されている木質バイオマス原料を使用した発電所及びトドマツ人工林材を使用した建築材や桟木の加工施設を見学した。
- 開催日時:平成29年7月10日(月) 苫小牧市 苫小牧木質バイオマス発電所及び(株)ヨシダ
(2) 道産建築材の利用促進に向けた視察研修会の開催
- 建築材需要に占める道産材の割合が3割を下回る状況が続いていることから、住宅部材の大部分を供給しているプレカット工場における加工・流通について学んだ後、幅広い関係者による意見交換を行い、今後の道産建築材の利用促進につなげる研修会を開催した。
- 開催日時:平成29年8月3日(木) 石狩市 昭和木材(株)プレカット工場及び北海道木材市場協同組合
(3) 地域材利用検討委員会及び道産木材建築入門セミナーの開催
- 地域材の利用を推進するため「店舗・事務所等における地域材利用検討委員会」を設置するとともに、若手設計士等の建築関係者や大学で建築を学んでいる学生などを対象に、道産材を使ったデザインや設計方法、木材の特性や加工技術に関する入門セミナーを開催した。
- 店舗・事務所等における地域材利用検討委員会の開催
平成29年3月9日(木)、平成29年7月13日(木) 林業会館、会議室 - 道産木材建築入門セミナーの開催 平成29年8月18日(金) 内田洋行ユビキタス協創広場 U-cala
2 木造建築物の映像化及び広告掲出
(1) 木造建築物の映像化
- 道産木材をより多くの道民に知ってもらうため、道産材木造建築物のCM動画を作成し、札幌市内繁華街で放映するとともに、道木連が作成した「道産木材Vol.1~3」に掲載されている木造施設の中から北海道を象徴する7施設を選定し、PR動画を作成した。
①CM動画の作成- 放映場所:札幌市中央区南1条西4丁目 4丁目プラザビル壁面
- 放映期間:6月24日から7月7日までの14日間
- 放映回数:15秒、56回/日
- 道産材を使用した店舗・事務所、レストラン、宿泊・観光・教育文化など7施設を対象
- 収録時間:6分31秒
- 放映場所:木製品展示会や木育イベント会場などで放映、現在YouTubeで放映中
(2) 広告掲出
- 道産木材の普及啓発の推進を目的として、札幌市営地下鉄への広告掲出を次のとおり実施した。
なお、広告に使用したポスターは「道産木材Vol.1~3」から選定した。 - 掲載場所:札幌駅営地下鉄全線(南北線、東西線、東豊線)の全車両(368両)の窓上片側に広告を掲出
- 掲載期間:5月8日から5月21日までの14日間
- 広 告:B3サイズ×7,392枚
3 地域材利用普及啓発イベントの開催等
(1) 木育ひろばinチ・カ・ホの開催
- 「木との身近なふれあいから始めませんか?」をコンセプトとして、札幌近郊の主婦や親子を対象に、「地材地消ブース」の展示をはじめ、手仕事体験や木工クラフト体験などの木育イベントを開催した。
- 開催場所:札幌駅前通地下歩行空間札幌駅側イベントスペース
- 開催期間:6月10日、11日の2日間
(2)道産木材製品輸出勉強会の開催
- 道産木材の需要拡大に向け、高品質内装材をアジア諸国へ輸出展開している企業経営者から輸出に関するノウハウや海外マーケットの状況等について講演をいただき、道産木材製品の輸出のあり方について意見交換を行うための勉強会を開催した。
- 開催日時:平成29年7月31日(月) 林業会館5F 会議室
(3) 環境広場さっぽろ2017への参画
- 道産木材の普及を進めるため、札幌市近郊の住民を対象に「地材地消ブース」の展示を行うとともに、木育マイスターによる道産木材を使った工作体験教室を開催した。
- 開催場所:アクセスサッポロ
- 開催期間:8月4日から8月6日までの3日間
- 出展企業・団体数:約140 ・来場者数:33,028人
(4)北海道産木製品リストの作成
- 公共建築物をはじめ非住宅分野での木造化・内装木質化が進んでいることから、住宅関連企業や設計事務所などに対する道産木製品のPRを行うため、北海道水産林務部と連携して「北海道産木製品リスト」を作成した。
- 掲載内容:商品仕様、製品説明、JAS認定・森林認証・合法木材証明の有無、問合わせ先、参考価格
- 掲載数 :企業数96、木製品数251
- 分 類 :建築用、エクステリア、家具・什器、雑貨、その他木製品
事業実施により得られた効果
- 道内の住宅ハウスメーカーや工務店などの道産建築材に対する理解が深まるとともに、プレカット工場の視察研修や道産木材建築入門セミナーの開催などにより、住宅・非住宅部門における道産建築材の利用促進に向けた気運の醸成が図られた。
また、道産材木造建築物のCM動画の放映や地下鉄への広告掲載及び地域材利用普及啓発イベントの開催のほか、木製品リストを活用した住宅関連企業へのPR活動等により、道民の道産材や木育に対する理解が高まるとともに、住宅建材メーカーや工務店、建築設計事務所などに対する道産材の認知度向上が図られた。
今後の課題と次年度以降の計画
- 道内の木造住宅における管柱や梁など構造用部材の使用比率を高めるため、今回連携した住宅ハウスメーカーや工務店などとの更なる連携強化により、道産材に対する理解の高揚を図りながら、道産材の自給率向上に努めていく必要がある。
また、一般道民の地材地消や木がある暮らしなどに対する意識を高めるため、道産材木造建築物のPR動画の活用を進めるとともに、より多くの道民を対象とした木育イベントを引き続き開催していくことが必要である。