秋田県木材産業協同組合連合会

平成28年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業

秋田県木材産業協同組合連合会

実施概要

事業の実施にあたり、事業計画をより効果的なものとするため、地域材の需要拡大に向けた関係機関との合意形成を得る協議会を3回開催して、建築設計士やゼネコン等を対象に普及啓発活動を推進した。今年度の事業内容は以下の通り。

1 「住宅フェア」の開催

木材の主産地の特性を生かし、高品質な木製品を品揃えした住宅フェアを、県外1カ所と県内2カ所で開催した。また、県事業で実施している県外の一般製材品の展示会にサ ンプルを展示したほか、県が主催した韓国の展示会にも木材のサンプル提供を行うなど、地域材利用の普及啓発に努め、情報収集も積極的に展開した。

実施状況
① 第一回住宅フェア(東京都)   来場者 1,5千人(2日間)
      と き 平成29年1月19日・20日
      ところ 東京都文京区水道橋「プリズムホール」
② 第二回住宅フェア(県北地区)  来場者 500人(2日間)
      と き 平成29年6月10日・11日
      ところ 北秋田市合川町「北欧の森公園」
③ 第三回住宅フェア(県中央地区)   来場者 2千人(1日間)
      と き 平成29年8月26日
      ところ 秋田市御所野「イオンショッピングセンター」
2 「秋田県地域材利用モデル住宅の提案募集」

昨年に引き続き、建築を学ぶ学生を対象に、斬新な木材利用のアイデアと木造建築への関心向上を目的とした標記提案募集を実施し、優秀作品の表彰式等を開催した。

実施状況
① 応募総数     20件
② 表彰式の開催   平成29年9月30日(土)10:00~11:30
③ 応募作品集の発行
3 「地域材利用促進セミナー」の開催

上記「提案募集」の表彰式に併せて、県内の建築を学ぶ学生を主体に「建築物の方向性と今後の木造の課題」をテーマとしたセミナーを開催した。

と き  平成29年9月30日(土)13:00~15:30
ところ  秋田市「ルポールみずほ」
      参加者  40名(建築を学ぶ学生、教育機関、建築、木材関係)
      講 師  前秋田県木材高度加工研究所所長 飯島 泰男 氏

4 「県産木材加工技術カタログ」の作成

高度で多様な木材加工技術を有する本県ではあるが、個々の事業体の経営規模は零細な工場も多く、PR用カタログ等の整備がされていないことも多く、県産木製品の利用拡大に向け、当連合会が県内で生産される県産木材・木製品のサンプル付き加工技術カタログを作成した。このカタログを活用して、今後はオリンピック・パラリンピック関連の民間需要も視野に入れて活用していく。

事業実施により得られた効果

天然秋田杉等の高樹齢材からの製品生産により、全国に名高い秋田杉ブランドを構築した本県の木材産業であるが、その後の高樹齢資源の減少に加え、木材の需要ニーズの変化への対応が遅れたこともあり、製材品出荷量が低迷した期間が長く続いた。
しかしながら、近年の木材・木製品の出荷量に拡大傾向が見られる始めたなかで、本事業の実施により、木材・木製品の業界の県産材利用拡大への取組が加速化され始めている。
日本一のスギ人工林資源が利用期を迎えており、今後の木材・木製品の出荷量を拡大することは急務となっているが、当該事業は地域材の需要拡大への取組を一層加速化していくための契機となっている。事業実施効果は次のとおり。

  • 当連合会では県内の関係業界を一同に集めた「協議会」を設置しており、原木の安定供給や、需要ニーズに対応する木材・木製品の加工の方向性、効果的な木材の利活用の推進など幅広い意見交換を実施し、より効果的な事業の推進に結び付けてきた。
    また、関係業界からの地域材の需要拡大に対する認知度も向上しはじめている。
  • 「住宅フェア」の開催は、一般県民に対する県産の木材・木製品の紹介に加え、今年度から新たに東京都が主催した「モクコレ2017」に初出展し、県産製品の品揃を前面に出した展示は来場者から好評が得られるなど、木材・木製品の良さについて効果的な普及啓発が出来た。
    また、「住宅フェア」開催で準備した展示品のサンプル等は、今後の自力開催の展示会開催に活用しながら、県産木材・木製品のPR活動に今後とも積極的に取り組んで行くこととしている。
  • 「地域材利用モデル住宅の提案募集」は、教育機関からの強い要望があり、昨年に引き続き、学生を対象として実施したが、県内の建築系の学科を持つ教育機関からは、学生の木造建築に対する関心が高まってきたと高く評価されている。
  • また、作品の審査会の開催を通じて建築士等との交流がより深まっており、こうした連携を、今後は地域材の需要拡大に結びつけていくための具体的な取組に結び付けるとともに、今後の若手木造建築者の確保にも生かしていきたい。
  • 「地域材利用促進セミナー」は、県内における木造建築物への関心を高めるため、今年度は「建築物の方向性と今後の木造の課題」をテーマとして実施した。
    セミナー参加者からも活発な質問が出されるなど、木造施設への関心が高まってきたことを実感しており、今後も地域材の需要拡大に結びつく新たな取組を検討していく。
 

今後の課題と次年度以降の計画

1 今後の課題

日本一のスギ資源が利用期を迎える中で、人口減少や高齢化が進む本県の県内需要だけでは資源活用に限界があり、県外での木材の需要拡大は喫緊の課題となっている。
この県外市場の開拓に向け、県内の関係機関の連携強化を図り、県産木材・木製品の良さを県内で実証しながら、県外の需要拡大を進めていくことが望ましいが、県内の需要者の主体である建築業界や、製品を供給する木材加工業界は経営基盤が弱い企業も多いこともあり、そのスピードアップは難しいが、引き続き、関係機関との一層の連携強化を図るとともに、今後は県外の有力なビルダー等との連携を視野に入れた取り組みも急がれる。
また、現在、進めている若手の木造建築者の育成は、県をはじめ、関係機関への要請等を通じて継続した事業実施を模索している。

2 次年度以降の計画

前記1に記した課題を踏まえ、次年度以降は次の事業に主体的に取り組む。

 

① これまでの関係業界との連携強化を踏まえ、製品輸出など新たな事業展開も視野に入れた各種事業を効果的に活用していく。
② 「住宅フェア」は、県外での展開を充実させるとともに、県産木材・木製品の求評活動を引き続き実施する。
③ 若手の木造建築担い手育成のため、「地域材モデル住宅の提案募集」を継続できるよう、関係機関等への要請活動を強化する。
④ 県外の先進的な木造建築への取組など、今後の木材の利用拡大に向けて「地域材利用推進セミナー」は今後も継続して開催する。
⑤ こうした取組を通じ、近い将来の製品輸出も視野に入れながら、当面はオリンピック・パラリンピック関連の民間需要をターゲットとして積極的な活動を展開していく。

写真

住宅フェア開催
  • モクコレ2017モクコレ2017
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  • 北欧の杜 管理棟北欧の杜 管理棟
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