平成28年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業
山形県木材産業協同組合
実施概要
- (1) 山形空港ロビーの一部を借りて、内装木質化モデル展示等を実施
- (2) 日本一さくらんぼ祭りへの出展
- (3) すまいの耐震住宅博覧会に出展
- (4) 設計・施工業界を対象とした木構造設計研修会の開催
- (5) 第6回山形県地域材利用推進協議会の開催
事業実施により得られた効果
- (1) 空港事務所の協力により、県産製材品や加工技術を県民や観光客に広くPRできた。
- (2) 県内外において集客数の多いイベントでの県産製材品等をPRできた。
- (3) 新たな基準法に則った国内初の木造3階建学校施設の構造研修会を開催できた。
- (4) 本事業実施内容の課題等について意見把握ができた。
今後の課題と次年度以降の計画
本県では、大型集成材工場や木質バイオマス発電施設の稼働が続き、木材需要の急激な拡大に対し供給体制の整備が喫緊の課題である。また、資源量の6割を占める広葉樹材のマテリアル利用拡大策も検討が必要である。
事業の実施期間
平成29年1月4日~平成29年8月31日
事業実施報告書
(1) 山形空港ロビーの一部を借りて、内装木質化モデル展示等を実施
おいしい山形空港の「おくつろぎコーナー」に山形県産製品と紹介用パネルを展示して幅広く県産材製品のPRを行った。
展示は大型連休に合わせ5月2日から行い、県内各地の木材を使い、木目や色合いを活かした木製板材を約40平方㍍に渡り展示した。樹種はスギ(西山スギ、金山スギ、置賜スギ、庄内あつみスギ)、広葉樹(置賜産のブナ、ホウノキ)を使用した。施工は空港という特殊施設のため、夜間工事のみで工期が限られること等から山形県プレカット協会に委託し、出羽三山と最上川をイメージさせる展示デザインと山形空港ロゴマークにサクラ材を素材のままで展示するなど、空港を利用する観光客などにPRを行った。
また、同空港2Fの多目的ホールにおいては、県産木工品の展示(木工品プロダクトコンペの優秀賞作品:森のおさら、やまがた木,s等)と木育コーナー(県産スギ積木とけん玉)を5月22日から6月12日まで設置し、サクランボの時期で国内観光客やインバウンドの多い中でPRをした。
(2) 日本一さくらんぼ祭りへの出展
6月17日(土)、18日(日)に文翔館前広場と七日町大通りの歩行者天国を会場に開催され、天気にも恵まれたこともあり、2日間で24万4千人の人出となった。知事から「山形の木工品も参加させるべし」との指示があり、今年度もメイン会場の1等地であるステージ前に木産協テントを構え、寒河江市の桐井製作所さんと山形市の家具工房モクさんから出展いただき、県産木材のパンフレット配布や県産桐材小タンスや米びつ、県産広葉樹を利用したテーブル・椅子、一輪挿し、木花、小物入れ等を展示販売した。このイベントは県外客や若者の参加が多く、もちろんサクランボが目当てではありますが、山形県が桐材王国であることや広葉樹資源が豊富にあることがあまり知られてなく、多くの方に関心を持っていただいた。吉村知事をはじめ県の幹部(白田農林水産部長、大澤部長、駒林村総支庁長)からも訪問いただき、労いの言葉も頂戴したところです。
(3) すまいの耐震住宅博覧会に出展
7月8日(土)、9日(日)に、仙台市の「夢メッセ」で開催される耐震博覧会と同時開催の「木と住まいの大博覧会」にて山形県ブースを設け、積極的に県産木材を仙台圏にPRした。2日間の来場者数は1万8千人で、山形県からも多くの方々からご来場いただいた。今年は、本県ブースが例年の1.2倍のスペースを確保するとともに、メイン通路側を押さえたこともあり、来場者にはわかりやすいPR効果の高い場所を手に入れることができた。出展内容については、山形県産木材の良さをPRするパンフレットの配布(木産協)や県産広葉樹を利用したフローリング材・壁材の展示・触感体験(アイタ材木店、アイタ工業)、県産スギ材(A材)を梁あらわし等で多用している和風構法在来軸組躯体展示(沼澤工務店)や家具・木工品の展示販売(家具工房モク、杉山木工)、ペレットストーブの展示(山本製作所)、スギの圧密加工された曲線型手すりの展示(クネット東北)、県産ブナ・サクラで製作された競技用けん玉の販売・パフォーマンス(スパイクファミリー)、県産ミニ盆栽の展示販売(趣味処「たくみ」)、積み木コーナー(木産協)等を揃えた。会場には、東北各県の県木連ブースや、神代杉の展示、「南三陸さんさん商店街」の躯体展示、CLT展示コーナー、ソムリエコーナー(木の魅力やメリットを体感しながら知ってもらう)や木育コーナー、ガーデニングコーナー、耐震診断コーナー、木工クラフトコーナーのほか最新鋭の住宅機器等が展示されていた。また、大学の研究最新情報の紹介コーナーも設けられ、山形大学の芦谷竜矢教授が参加しておられました。特別講演では、東京大学名誉教授の有馬先生が「健康に暮らせる住まいと木の魅力」と題して講演し、その後本県ブースにも立ち寄られ、無垢の建築についての意見交換もできた。
また、本県は、今年もディスプレー部門で銀賞を受賞し、相田吉則副理事長が二日目朝の授賞式に参加した。
(4) 設計・施工業界を対象とした木構造設計研修会の開催
8月22日(火)山形国際ホテル5階月山の間(山形市内)において、「羽黒高等学校」新校舎棟林野庁長官賞受賞記念研修会を開催した。 当日は、当組合の会員を中心に約50名が国内初の大型木造3階建学校施設の設計・コンサル業務について学んだ。特に山形木材業組合からは山形市立千歳小学校や地区コミュニティ施設の建設が続いており、今後中学校や県立の高校でも建て替えが予想されることから多くのメンバーが参加した。
講師には、株式会社日本設計第3建築設計群副群長チーフ・アーキテクト小泉治氏と主任技師の青木潤氏があたり、それぞれ「日本設計の中大規模木造とこれまでの山形県内での取組み」、「羽黒高等学校新校舎棟設計コンセプト」と題し講演した。小泉氏は公益文化大学、酒田市役所、鶴岡タウンキャンパス、加茂水族館等に携わり、地域材の利用や木造化・内装木質化を図った施設を紹介いただいた。青木氏は羽黒高等学校の設計段階から完成までのコンサル業務を担当し、設計コンセプトやCLTなど工夫した点について詳細な紹介があった。
(5) 第6回山形県地域材利用推進協議会の開催
9月6日(水)、ホテルキャッスル(山形市)を会場に標記協議会(阿部昭会長)を開催したところ、委員及びアドバイザーなど16名が出席した。
本協議会は、平成28年度の国庫補正事業である「地域材利用拡大事業」の実績報告等について、関係業界や行政機関から様々な意見を伺うものであり、前回の事業成果を継承しつつ、特にA材の利用拡大等ついて活発な意見交換会となった。
1月の前年度事業結果の評価・検証を踏まえた意見には、県産A材の利用拡大に向けた全国的な発信の強化やモデル展示、さらに設計・施工業界との連携の強化等が総括されており、概ね計画どおりに事業が遂行され、県民に広く普及したと感じたとしている。
第6回山形県地域材利用推進協議会出席者名簿
- 1 委員
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所 属 団 体 代表者職 氏名(敬称略) 摘 要 1 山形県木材産業協同組合 理事長 阿部 昭 会 長 2 山形県森林組合連合会 代表理事常務 渡邊真司 3 やまがた県産木材利用センター 専務理事 伊藤修治 副会長 4 山形県建設労働組合連合会 書記長 井上朋行 副会長 5 一般社団法人山形県建築士会 (欠席) 会 長 平吹和之 6 一般社団法人山形県建築士事務所協会 会 長 藤原 薫 7 一般社団法人山形県建設業協会 (欠席) 会 長 澁谷忠昌 8 NPO法人やまがたの木・住環境共生ネットワーク 専務理事 大高勇司 監 査 9 大江町型住宅販売会 会 長 鈴木悦郎 10 (協)やまがたの木乾燥センター 会 長 阿部 昭 11 置賜地材地住ネットワーク (欠席) 会 長 河内昭佐 12 山形県プレカット協会 事務局長 鈴木健治 13 山形県JAS製材連絡協議会 副代表 相原吉郎 14 もがみ手業のものづくり協議会 (欠席) 副会長 信夫正己 15 ㈱沼澤工務店 代表取締役 沼澤貞義 - 2 アドバイザー
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山形森林管理署 署長 西川晃由 山形県林業振興課 木材流通対策専門員 山嵜優 〃 主査 志斎和貴 山形県建築住宅課 課長補佐 長谷川学 - 3 事務局
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山形県木材産業協同組合 専務理事 鈴木健治 やまがた県産木材利用センター 専務理事 伊藤修治 山形県木材産業協同組合 副主任 勝田 法