一般社団法人埼玉県木材協会

平成28年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業

一般社団法人埼玉県木材協会

実施概要

埼玉県木造公共施設推進協議会(※1)を事業主体とし、森林・林業・木材産業、建築・住宅事業者、公共団体等と連携し県産木材に対する県民の理解促進と利用拡大を推進した。

※1 埼玉県木造公共施設推進協議会は、埼玉県の林業・木材産業・建設産業及び地方公共団体の連携によって地域力を育み、公共施設の木造化・木質化を促進するとともに、木の持つ環境の良さを伝え、県産木材の利用拡大を通じて森林の保全に貢献することを目的として、平成28年4月14日に設立した。

1 埼玉県木造公共施設推進協議会等の開催及び事業運営

事務局の一般社団法人埼玉県木材協会は、埼玉県木造公共施設推進協議会で承認された計画に基づき、事務を行った。

(1)シンポジウム、検討会の開催
ア 第3回木造公共施設シンポジウム
日時:平成29年4月13日
会場:さいたま市 さいたま共済会館
参加人数:160名
公共施設の木造化、木質化の黎明期にあって、誰でも比較的容易に取り組める基礎的な技術を使用し、県内に蓄積された住宅用中断面集成材、地域の製材品、プレカット技術を活かして、合理的なコストで木造公共施設の推進を図るためにはどうしたらよいかというテーマでシンポジウムを開催した。
日刊木材新聞
日刊木材新聞
イ 埼玉県木造公共施設技術者講習制度検討会
第1回 平成29年7月 6日 埼玉会館会議室
第2回 平成29年8月28日 埼玉会館会議室
第3回 平成29年9月19日 埼玉会館会議室

公共施設等の木造化、木質化の担い手となる建築設計技術者が不足している現状を踏まえ、必要最小限の知識及び技術を備えた建築士を早急に育成することを目的とした講習制度の創設に向け、公益社団法人日本建築士連合会の三井所清典会長、東京大学大学院農学生命科学科の稲山正弘教授をアドバイサーに迎え、3回の検討会を開催し、提言書をまとめるとともに、平成30年4月から行う講習会の実施計画(案)を作成した。
2 普及事業「木を使おう!」運動の実施
(1)木とのふれあい祭り

県内の2木材市場を会場として木とのふれあい祭りを開催した。会場では、多くの県民が木に触れて木の良さを実感するために、木材アドバイザーによる森林整備から木材利用までのパネル説明や、木工工作、模擬上棟式、丸太切り体験、木製ジャングルジム作り体験、木育教室など多彩な企画で木材利用の拡大に努めた。

ア 日時:平成29年7月30日
場所:戸田市 ㈱吉貞戸田市場
入場者数:815名
  • 木育教室((株)吉貞)木育教室((株)吉貞)
  • 積み木遊び((株)吉貞)積み木遊び((株)吉貞)
イ 日時:平成29年8月27日
場所:さいたま市岩槻区 丸宇木材市売㈱北浜市場
入場者数:861名
  • チェーンソーアート実演(丸宇)チェーンソーアート実演
    (丸宇)
  • 木製ジャングルジム体験(丸宇)木製ジャングルジム体験
    (丸宇)
(2)「木育ひろば」の運営

埼玉県さいたま市浦和区の埼玉県林材会館内にある「木育ひろば」(通称Woods ON)をNPO法人木づかい子育てネットワーク(浅田茂裕理事長)に運営を委託した。
「木育ひろば」は埼玉のスギを内装材としてふんだんに使った木育専用の施設として、平成26年秋に開所した。施設内には日本各地の木育玩具も取りそろえている。
対象は、0,1,2歳児。開所は、月曜日と木曜日の2間、9時30分から15時30分まで。開所日には、保育士の資格を持つ木育指導員を配置して対応している。
4月からの利用者:984名(H29.9.29現在)

チェーンソーアート実演(丸宇)

事業実施により得られた効果

  1. (1)埼玉県で木材の利用を促進するには、中大規模の木造公共施設の建設が急務となっている。そこで、埼玉県木造公共施設推進協議会では、平成26年度から3カ年にわたり4回のシンポジウムを開催し、担い手となる人材が、発注者、設計・施工者、木材生産者のいずれにも乏しく、人材育成が課題であることを確認した。そして、シンポジウムの結果を受け、建築士会や構造設計団体、林野庁、地方公共団体が構成員となり検討会を開催し、諸団体が連携して解決することを盛り込んだ埼玉県・中大規模木造建築物技術者講習制度の提言書を取りまとめた。
  2. (2)木とのふれあい祭りでは、2会場で1,676人が来場し、木とふれあいながら、木の良さや木のもつ力を体験した。木を理解し、木材利用拡大に繋がることを期待したい。
  3. (3)「木育ひろば」では、984名の利用者があり、木育を通し、木の利用拡大に努めた。

今後の課題と次年度以降の計画

木材関連団体と建築士団体、行政が連携して、埼玉県・中大規模木造建築物技術者講習制度が平成30年春からスタートし、運営が出来るように努める。また、講習制度がCPD制度の枠組みの中で活用できるようにすすめる。
木材の利用拡大を図るには、木の持つ力、特性、環境に対する貢献など様々な効用を日々に伝える必要がある。そのため、今後も「木とのふれあい祭り」、「木育ひろば」を継続し、木材普及に努める必要がある。