平成28年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業
山梨県地域材利用推進協議会
実施概要
事業実施団体
本県の木材団体、山梨県産材認証センター、設計・施工業者、製材業者、素材生産業者等の関係者で構成する山梨県地域材利用推進協議会を設置して、山梨県木材協会が事務局を担当して実施した。事業の目的
地域の振興と健全な森林の育成につながる地域材利用の意義及び木材の情報提供や木材技術支援及び木材利用について広く普及啓発を行い、地域材の利用推進を図る。事業内容
企画等のための会議の開催
日時: | 平成29年10月24日 山梨県林業会館 |
内容: | ①平成28年度補正 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業報告 ②中大規模木造講習会の開催について ③合法木材等の流通及び利用の促進に関する法律(クリーンウッド法) 地方セミナー及び地域キャンペーンの実施について 都道府県協議会の設立について |
展示会の出展
山梨県林業まつり 森林のフェスティバル日時:2017.10.21(土)
場所:甲府市小瀬町小瀬スポーツ公園
対象:一般県民、木材関係者等
来場者:20,000人
出展概要: | 県産間伐材使用木製品展示、のぼり旗、パネル展示、冊子、パンフレット等の配布により、森林・林業・木材産業の紹介及び山梨県産材認証制度、合法木材について普及・PRを行った。 県産材利用相談会、木工体験教室を開催した。 |
展示内容
木製パネル: | 木材は環境にやさしい 人にやさしい木材 木材は健康に良い 広がる木材の世界 ポスター:林野庁:明日への手渡し。森のバトン。 かおりてざわりぬくもり。 木を使ってくれて、ありがとう。 全国木材組合連合会:わが家は合法木材 山梨県産材認証センターポスター |
配布資料: | 合法木材ハンドブック 政府が調達する木材・木材製品には、合法性の証明が必要です。 木づかいブック、わが家は合法木材、木材が広げる新たな価値 やまなしの「木」を使おう 中大規模木造建築のすすめ のりえさんちの木の家づくり スギ太郎と木材の不思議 木質バイオマスエネルギーご利用のすすめ |
普及啓発
①新聞広告(1)やまなしグリーンキャンペーンの展開
地元紙(山梨日日新聞社)と連携した「みどりの日」のPR活動
「みどりの日」記念日に県民の皆様に、緑への意識をより高めてもらおうと
「やまなしグリーキャンペーン:YAMANASHI GREEN CAMPAIGN」を展開した。
期間:5月4日(木)~7日(日
やまなしグリーンキャンペーン内容:
・5月4日の新聞紙面(テレビ、ラジオガイド面含む)及びカラー広告は緑を基調した。
・協賛店16社の協力により「みどり色」を着て、つけて、持って・・・お店にいけば各参加店オリジナルの特典がゲットできるキャンペーンを展開した。
(2)新聞広告掲載内容
やまなしのみどり(森林)の魅力の紹介及び木材の利用
(1)生物の多様性の保全と森林文化
南アルプスエコパーク
(2)水源の確保と災害の防止
山梨県・首都圏の生活を支える水源林
名水百選 平成の名水百選 水源の森百選
(3)憩いの場を提供
やまなしの魅力ある「森林スポット100選」
「緑の教室」
「森の教室」
(4)地球温暖化防止に貢献する木材の利用
山梨の森林資源の特徴
県産材(合法木材)使用建築物PR
②林業やまなし
県産材利用、合法木材利用住宅PR
クリーンウッド法の紹介及びセミナー、キャンペーン開催案内
研修会・体験教室の開催
①先進地視察研修研修概要:本県の参考となる先進2事例の視察及び資料・DVDによる車内研修を実施した。
視察研修日:平成29年4月19日(水)
視察施設 :①長良川木材事業協同組合
(岐阜県郡上市白鳥町中津屋1385-1)
森林組合、木材会社等7社による木材の共同加工・販売
JAS認定工場 機械等級区分構造用製材
②森の合板協同組合森の合板工場
(岐阜県中津川市加子母5371-1)
地域材を使った合板工場
参加者:素材生産業者、木材関係者、森林組合など32名
次代を担う若手を中心に参加した。
研修目的: | 地域森林組合・木材会社が連携・協力して、原木調達・安定した品質の製品供給・流通販路の確保を図り、A材からCD材までの森林資源有効活用先進事例の研修・調査を行う。また、山梨県には地域が協力した大型製材工場、合板工場等がなく、これらについても連携体制、技術的及び流通販路の確保について情報の収集を図り、本県木材産業振興の参考とする。 |
研修内容: | 集約化された森林から伐採、搬出された木材は品質分別され、直材:A材は長良川木材事業協同組合(製材工場)小曲材:B材は森の合板協同組合(合板工場)曲り材、小径木等:C,D材は(株)岐阜バイオマスパワー(木質バイオマス発電施設)、パルプ、チップ工場などで木材を余すことなく有効利用して森林所有者へ利益を還元し、持続可能な森林づくりを行っている。 ①長良川木材事業協同組合 中国木材(株)と岐阜県内森林組合及び林業・木材関係者7団体により 平成25年8月に設立 平成28年9月から本格稼働している。 県内の素材生産業者や製材・建築業者と連携して、原木の出荷、集荷、製材、加工、販売という一連の事業を円滑に行っている。 「原木需給調整会議、原木需給原木安定供給システム」により計画的・安定的に原木を納入している。原木納材規格(曲材、割れ、腐朽、虫鳥獣害、偏芯、枝・節)を定め規格外の原木は納材不可としており効率的に生産している。原木の大部分は県内のスギの素材でヒノキは10%程度である。羽柄材などは天然乾燥(150日間)して変色のない製材品生産及び乾燥コストの削減を行っている。端材は工場内ボイラー及びチップ、おが粉等で畜産農家に提供、菌床キノコ用、ペレット加工用に有効に再利用している。 製材5万m3生産し、主に東海、関西方面に供給している。将来的には10万m3を生産目標としている。 ②森の合板協同組合森の合板工場 国産合法木材を100%使用の合板工場で、ヒノキ(岐阜県産)主体にスギ、カラマツ(信州産外)で構成した主に構造用製材を年間10,000戸相当(一般住宅)生産している。 岐阜証明材推進制度推進事業者登録、合法性証明の事業者認定、JAS認定を取得し、優れた品質の「森のヒノキ」森の合板を生産している。 工場内では特に火気に扱いには特に注意している。ラインによる機械生産であるが、人材の育成に力を入れている。 ③車内研修 資料研修:合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律 (クリーンッド法:H29.5.20施行) 木材が広げる新たな価値―合法木材利用のあらまし- DVD研修:家から森をみてみよう(活かせ!国産材のチカラ) のりえさんちの「木の家づくり」 構造用合板の正しい知識と施工方法 |
参加者:小学生及び年長幼稚園児及び同伴保護者
実施概要: | 優れた自然素材「木材」を生活の中に取り入れ、豊かな人間性を育む「木育」の概念を紹介するとともに、木材の良さを生かした創作活動を行った。 自然素材木材と生活で身近に使っている工業製品である鉄・プラスチック・ガラス・石・陶器製品との比較で自然素材の良さとやさしさを実体験で理解してもらった。 木製パネル:木材は環境にやさしい 人にやさしい木材 木材は健康に良い 広がる木材の世界 ポスター:林野庁:かおりてざわりぬくもり。 木を使ってくれて、ありがとう。 全国木材組合連合会:わが家は合法木材 山梨県産材認証センターポスター |
配布資料: | 木づかいブック、わが家は合法木材。 やまなしの森林スポット100選 やまなしの「木」を使おう |
開催日 | 開催場所 | 参加者 | 備考 | |
1 | H.29.5.10 | 甲府市 山梨大学付属幼稚園 |
52名 | |
2 | H.29.7.22 | 甲斐市子育て支援センター | 64名 | |
3 | H.29.8.5 | 甲府市 石田児童館 |
48名 | |
4 | H29.8.6 | 山梨県防災新館県民ホール | 48名 |
(5) | 中大規模木造建築技術マニュアル冊子の作成 |
「建築基準法」の改正、「公共建築物等木材利用促進法」の成立、また、木造建築技術の進歩や新たな製品開発により、中大規模木造建築の可能性が大きく広がっております。本冊子を配布するだけでなく、県・市町村、教育、福祉団体、設計・施工関係等対象に講習会を開催して本冊子の理解を深め、技術の普及を図る。 |
配布計画 | |||
配布数 | 配布 | 備考 | |
県 | 200 | 総合政策部、教育委員会、営繕課、森林環境部、県土整備部 | |
市町村 | 270 | 総務企画担当、林務担当、建設担当、教育委員会、社会福祉協議会等 | 27市町村 |
設計事務所 | 100 | 山梨県建築設計協会 | |
建築士 | 460 | 山梨県建築士会 | |
建設業者 | 300 | 山梨県建設業協会 | |
幼稚園 | 60 | 山梨県私立幼稚園連合会 | |
社会福祉団体 | 200 | 社会福祉協議会 | |
教育関係 | 10 | 県内私立高校・大学 | |
木材業者 | 200 | ||
山梨県木材協会 | 200 | ||
2000 |
事業実施により得られた効果
一般県民、素材生産・製材業者、工務店などに対して、地域材の利用が森林・林業・木材産業の振興となり、地域経済の活性化、国土、県土、地域の保全につながり、災害のない豊かな地域づくりとなることの理解が深まった。今後、地域材の利用拡大が大きく期待される。・一般県民に対して
森林・林業・木材の知識及地域材・合法木材利用の必要性及び木材利用と地域の発展、環境保全との関係の理解が深まった。
・市町村、民間団体に対して
中大規模建築における木材利用の必要性、利点・留意点の普及啓発がなされた。今後、役場等庁舎、保育園・学校、高齢者施設などを中心に、木造化や内装木質化の推進が期待される。
・素材生産業者・製材業者に対して
山梨県地域材利用推進協議会の構成員として情報交換や連携した活動により、県外に多くチップ用に流出していた県産材が高度利用・地産地消の取組がなされ、県産材地元消費拡大が期待される。
・製材業者・設計業者・施工業者に対して
山梨県地域材利用推進協議会や展示会、研修会、見学会などで意見・情報交換が行われた。地域材知識の共有や連携活動強化がなされ、地域材が使いやすくなり、主に住宅建築において、木造化率の向上、外国産材から地域材利用への転換が期待される。
今後の課題と次年度以降の計画
事業効果を高めるには、継続した活動が必要である。山梨県地域材利用推進協議会を中心に行政機関と連携して次を重点課題に地域材利用推進活動を行っていく。①素材生産の情報交換による素材の安定供給に向けた取り組み
②高品質の安定供給のための製材JAS工場認定支援及びJAS製品の普及
③木材情報や耐火・耐久性能等を向上させた構造材製品などの最新の情報の提供
④循環資源としての地域材の役割について普及啓発
➄住宅施工業者に対して、地域材供給に関する情報提供、設計・施工技術的支援
⑥中大規模木造建築の技術マニュアルの普及のため、市町村、設計・建設業者などを対象に研修会・講習会の開催。
・中大規模木造建築物技術講習会の開催
日時場所:平成29年11月29日 山梨県立文学館
内 容:「ここまでできる「木造建築のすすめ」山梨版」解説及び
中大規模木造建築物の事例
対 象:県市町村職員、設計・施工関係者、教育・福祉関係者 100名