平成28年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業
信州地域材利用拡大推進協議会
実施概要
信州地域材利用推進拡大協議会
地域材の啓発のための広報活動、木造住宅への地域材利用拡大事業を円滑に推進する目的で、川上から川下までの木関係業者や住宅関連業者、行政により組織した協議会を設置して、県産材利用促進に取組んだ。
事業目的
県産材利用の拡大
事業内容・事業結果
(1)信州地域材利用拡大推進協議会事業の実施
関連機関との調整を図るため信州地域拡大推進協議会を拡大設置し、各地域木材協同組合と連携を図り木材関係機関との調整を図り事業の推進について協議した。
区分 | 日時 | 摘要 |
---|---|---|
協議会の開催 | 平成29年7月日 | ○地域材緊急拡大事業の経過について ○平成28年度補正事業について ○平成28年度補正事業の実施状況について |
(2)信州型接着重ね梁の実証・展示事業
平成28年4月に建築基準法第37条の大臣認定を取得した、信州型接着重ね梁の普及を図るため、一般の住宅等に実際に使っていただき実証・展示した。
建築会社 | 使用本数 | 規格 | 設置場所 |
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盟章建設(株) | 8本 | 120×300×4m 8本 ヒノキ |
埼玉県さいたま市浦和区皇山町20-8 坂本邸 |
林工務店 | 15本 | 120×300×4~5m 10本 120×330×4~5m 4本 120×360×6m 1本 ヒノキ |
長野県千曲市新山679 宮下邸 |
潤建築 | 20本 | 150×360×5~6m 6本 120×300×5m 12本 150×390×6m 2本 ヒノキ |
山梨県北杜市高根町長澤4986-1016 横山邸 |
征矢野建材(株) | 5本 | カラマツ ヒノキ アカマツ スギ |
展示用 ミニチュアハウス |
(3)木造建築物の担い手対策啓蒙事業
木材に親しむ環境づくりと義務教育課程での更なる木育を促進することにより、教育現場と協力し木造建築物の担い手確保に向けた啓発事業を推進した。
事業の推進にあっては、県住宅建築課とタイアップし、教育委員会などの協力を得て実施した。
申請者 | 申請者住所 | 生徒数 希望数量 |
指導員氏名 | 備考 |
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県建設部住宅課 | 長野市立 柳町中学校 | 188人 | 建設労連 | プランターキット 95セット |
〃 | 塩尻市立 丘中学校 | 151人 | 〃 | 椅子キット 152セット |
〃 | 上田市立 塩田中学校 | 195人 | 〃 | 20×70×2000の板材 650本 |
小計 | 534人 | |||
坂城町 (南条小学校) |
坂城町立南条小学校 | 68人 | 木青連 (2名) |
プランターキット 33セット |
計 | 4校 | 602人 |
(4)展示会等の開催
都市部、県内において開催された2か所の展示会に参加し、長野県産材の需要拡大に向けた 広報活動に取組んだ。特に、広報活動事業で製作したノベルティグッズを活用し、昨年建築基準法第37条の大臣認定を取得した「信州型接着重ね梁」の普及啓発に努めた。
また、出展に当り使用していたミニチュアハウスの展示効果の向上を図るためリニューアルを行った
展示会の名称 | 開催日時 | 開催場所 |
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木と住まいの大博覧会in名古屋 | H29.6.24~6.25 | ボートメッセなごや |
信州住まいのわくわくフェア | H29.7. 1~7. 2 | 長野市エムウェーブ |
(5)広報活動事業
県産材の利用拡大に向けた、県産材をPRするため
- ○マスメディアや関係誌を使った普及啓発
- ○県産材ノベルティグッズ3種類を作成、配布
- ○信州を代表する樹種である信州カラマツをPRするため、パンフレット「信州カラマツ」1000部を編纂印刷し、行政機関などに配布するとともに、展示会で配布した。
また、平成27年度補正事業で取りまとめた製材業経営状況調査報告書を印刷し、行政機関を始め木材・製材関係者に配布した。
関係紙などを使った普及・啓発
区 分 | 回数等 | 広報の内容 |
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信濃毎日新聞 | 2 | テレビ番組欄へ2回 |
長野の林業 | 2 | 4月:半ページ、8月:半ページ |
事業実施により得られた効果
(1)信州地域材利用拡大推進協議会事業の実施
関連機関との調整により、事業が円滑に推進できた。又、事業を通じ関係機関との連絡調整・協調が図られた。
(2)信州型接着重ね梁実証・展示事業
平成28年4月に建築基準法第37条の大臣認定を取得した信州型接着重ね梁について、県内1カ所、県外2カ所の一般住宅での使用、展示を行ったところ、施工業者から見栄えがよく、狂いが少ない等、大変好評を博した。
課題として、現状の生産状況ではコスト高で、普及のためには支援対策などの検討が必要と考えられた。
(3)木造建築物の担い手対策啓蒙事業
義務教育課程での木工技術体験が減少する中、小中学校の教育現場での木育を推進し、後継者育成の機会とすることができた。
また、指導者として木青連の製材事業者、建設労連の大工さんに活動いただくことで、地域で活躍する製材業・大工の皆さんを知っていただく機会となった。
(4)展示会等の開催
長野県に隣接する中京圏、名古屋への出展、長野市の展示会に参加することで、「信州型接着重ね梁」の普及や、県産材製品の普及ができた。
(5)広報活動事業
地域紙の信濃毎日新聞、木材・林業関係紙への県産材PRができた。
また、県産材をPRするため編集作成したパンフレット「信州カラマツ」や、県産材を使ったノベルティグッズを配布することで、より多くの皆様に長野県産材材に興味を示していただき、PRができた。
なお、市町村の営繕関係者に対する「公共建築物への県産材利用を考える研修会」の開催では200名程に参加いただき、県産材を使った製品、公共建築物の木造化の進め方について学ぶ機会となった。
今後の課題と年次以降の計画
―課 題―
- (1)「公共建築物への県産材利用を考える研修会」を通じ、木造の有利性等、メリット等を更にわかりやすく解説し理解を深める研修を幅広く、繰り返して実施する必要がある。
また、研修会の開催に当っては、関係者以外の人集めの工夫が必要。 - (2)展示会参加での県産材の効果的なPR方法として、ノベルティイグッズを作成、あるいは、製品を並べるブースとしてミニュチュアハウスを作成するなど工夫をしたところですが、ブースに立ち寄るお客の足止めが十分とは言えません。
お客にお得な製品の直販など更に魅力ある展示を工夫する必要がある。 - (3)「信州型接着重ね梁」は展示会などの出品により、多くの方から興味を持っていただいたものの、実際の販売促進には至らなかった。そこで、一般住宅での実証展示を行ったが、少量生産のため、コストがネックとなり折角の良い製品が普及しない。当面、公共建築物での使用による認知度を高め、材料使用に対する支援が必要と考えられます。
具体的に設計士や工務店での利用促進の方法を検討する必要がある。
―次年度以降の計画―
- (1)県産材の更なる普及を図るため協議会を継続し、関係機関の調整機能を果たしたい。
- (2)小中学生の教育現場における木育教育の更なる推進を行い、木造建築物の担い手育成を図りたい。
木育を通じ、地域で活躍、頑張っている製材業の皆様を紹介できる機会として活用したい。 - (3)「信州型接着重ね梁」の実際的な浸透、普及・啓発を図るため、当製品への支援により、公共建築物や一般木造住宅での使用事例を更に広めるとともに、話題提供により広く発信したい。
- (4)県内外での県産材利用の促進のため、展示化への出展、広報活動の実施により、環境にやさしい木材利用を更に進め、県産材利用による地域の経済波及効果を発信できるような広報活動を展開したい。