平成28年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業
徳島県木材協同組合連合会
実施概要
実施団体の説明
平成28年3月に設立した「とくしま木づかい県民会議」の事務局として、県や市町村、林業・木材産業から建築、家具・建具、子育て、教育、商工団体まで「県民総ぐるみ」で木材利用を推進する体制を構築し、継続して活動を行った。
とくしま木づかい県民会議【正会員:90団体】
木材関係 (38) |
徳島県木材(協)連合会 | 新丹生谷製材(協) | (株)もくさん |
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那賀川林材工業(協) | 海部林材(協) | 徳島合板協会 | |
徳島県南部製材(協) | 徳島県素材生産流通(協) | 神山共販所木材買方組合 | |
徳島市木材業(協) | つるぎ木材加工(協) | 徳島県プレカット協会 | |
徳島木材産業(協) | (協)スーパーウッディシステム | ウッドファースト(株)徳島製材工場 | |
三好木材センター事業(協) | ハウスG住宅センター(協) | 徳島県木の家づくり協会 | |
四国中央木材(協) | 那賀川すぎ共販(協) | ニホンフラッシュ(株) | |
徳島製材団地(協) | TSウッドハウス(協) | ビッグウィル(株) | |
徳島県木材センター(協) | 徳島県木材買方(協) | (株)那賀ウッド | |
美馬群木材(協) | 徳島県木材市場連盟 | (株)山城もくもく | |
徳島県林業経営者(協) | 徳島県原木市買方組合 | (一社)徳島県家土地古木活用センター | |
富士木材工業(協) | 徳島県外材輸入協会 | エヌ・アンド・イー(株) | |
徳島木材卸商業団地(協) | 徳島県木材団地(協)連合会 |
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協力会員:30団体
林業・ 家具 木工団体 |
徳島県林業研究グループ連絡協議会 |
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徳島県木竹工業(協)連合会 | |
阿波手づくりおもちゃ館 | |
Wood Action Tokushima | |
徳島県住宅供給公社 | |
吉野川(三好)流域林業活性化センター | |
吉野川(美馬)流域林業活性化センター | |
BATA HOUSE renobation&life style 川端工務店 | |
子育て | NPO法人子育て支援ネットワークとくしま |
チルドリン徳島 | |
NPO法人森の案内人ネットワーク | |
大学 | 国立大学法人徳島大学 |
国立大学法人鳴門教育大学 | |
四国大学 | |
徳島文理大学 | |
高校 | 県立徳島科学技術高校 |
県立城西高校 神山分校 | |
県立那賀高校 | |
県立つるぎ高校 | |
県立三好高校 | |
商工団体 | 徳島県商工会連合会 |
徳島県商工会議所連合会 | |
徳島県中小企業団体中央会 | |
金融 | 一般社団法人徳島県銀行協会 |
デザイン | (有)コンセプトデザイン研究所 |
マスコミ | (一社)徳島新聞社 |
イベント企画 | (株)ネオビエント |
その他 | 西日本高速道路(株)四国支社 徳島高速道路事務所 |
穴吹エンタープライズ(株) | |
リコージャパン(株)徳島支社 |
事業の目的
本事業では、「とくしま木づかい県民会議」を母体に徳島県木材協同組合連合会が主体となり、幅広く木材の良さを発信し、県産材の需要を増大する取り組みを次のとおり実施した。
そして、今回初めての取り組みとなる四国四県の木材業界が協力し、日本遺産に認定された「四国遍路八十八ヶ所霊場」に対し、巡拝者の休憩と四国材の普及を兼ねた木製ベンチを設置した。
事業内容、事業結果
- ①徳島すぎA材を活用した魅力ある住宅部材の開発・普及
-
戦後植林された県内の森林資源は大径化しているが、これら大径材の需要が低迷しているのが現状である。今後、これらの需要を拡大するためには、徳島すぎA材を活用する魅力ある住宅部材の開発とそれらの魅力を多くの人に知ってもらう事が重要である。そこで、県内木材産業者を対象に、徳島すぎA材を活用した内装材、外構材、家具・建具など付加価値の高い住宅部材の開発を公募したところ、6件の申込みがあり以下のような商品の開発を行った。
対 象:
徳島県木材協同組合連合会員、徳島すぎの家づくり協力店、徳島県木材認証機構登録機関
募集期間:
H29.4.24(月)~5.26(金)
特 徴:ⅰ木づかい体験用徳島すぎの小物キット商品開発
徳島すぎを自ら削り、研磨・組立・仕上げ・色づけをする。徳島すぎを手で感じる商品、四季にあった商品を企画開発し、徳島すぎA材主製品販売促進の住宅相談会のイベント用、教材用に活用した。
ⅱ小学生が組み立てられる持ち運び&連結可能な組立テーブル
前年度開発した「ヒバオイルを塗布した徳島すぎ赤身材」をベースに、キャンプやアウトドアでの使用を想定し、子どもでも分解・組み立て・連結可能な全て無垢材による木製テーブルを開発した。
ⅲ板倉構法による木造プレハブ化
徳島すぎ加工板をふんだんに使う板倉構法住宅。この構法を取り入れた木造プレハブの仕組みを、大和リース㈱・㈱里山建築研究所と共同で開発した。
ⅳ徳島すぎ柾目材の可変テーブル
使用する場所や人数によって天板の大きさを変えられるテーブル。天板に柾目の杉材を巾剥ぎして用い、木目の美しさ、手触りの良さなどA材の優れた特性をアピールできるものとした。また、天板を延ばしたときの強度を考慮しながら、出来るだけ金具を使用しない製法にこだわって製作したため、溝を設けて脚部をスライドする仕組みとした。天板を折りたたんで短くしたときに脚部が一体化するデザインとし、天板折り畳み箇所以外は金具を使っていない。
ⅴ県産材使用子供向け家具
徳島すぎの良材を使用した子供用家具を開発した。前年度開発した赤身デッキ材と併せて、保育園や幼稚園、児童館などへの提案を親会社であるナイス㈱と連携しながら進めていきたい。
ⅵ徳島すぎブランドの創出に向けた「木糸」の研究・製作
徳島すぎの幅広い可能性を探るべく、㈱和紙の布と共同で徳島すぎを使った布を開発した。今後は、住宅に関連するカーテンや生活雑貨はもちろんのこと、イベント用のノベルティグッズや衣類などの幅広い展開も視野に進めていきたいと考える。
受付No. | 申請日 | 申請者名等 | 内 容 |
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ⅰ | H29.5.16 | 徳島県木連賛助会員 (一社)徳島県木の家づくり協会 |
木づかい体験用徳島すぎの小物キット商品開発 |
ⅱ | H29.5.16 | 徳木機構第21号 ㈲中野製材所 |
小学生が組み立て可能なテーブル |
ⅲ | H29.5.17 | 徳島県木連正会員 徳木機構第19号 那賀川すぎ共販(協) |
板倉構法による木造プレハブ化 |
ⅳ | H29.5.22 | 徳島県木連正会員 徳木機構第124号 (協)スーパーウッディシステム |
徳島すぎ柾目材の可変テーブル |
ⅴ | H29.5.26 | 徳木機構第240号 ウッドファースト㈱ 徳島製材工場 |
県産材使用子供向け家具 |
ⅵ | H29.5.26 | 徳島すぎの家づくり協力店第195号 今川木材㈲ |
徳島すぎ木糸の研究・製作 |
- ②四国遍路八十八ヶ所への木製品展示
- 江戸時代頃から西国三十三所観音霊場、熊野詣、善光寺参りなど庶民の間に巡礼が流行するようになり、そのうちの一つが四国八十八箇所である。これを模して、全国各地に大小さまざまな巡礼地が作られた。八十八の霊場寺院を結ぶ道を遍路道という。他の巡礼地と異なり、四国八十八箇所を巡ることを特に遍路といい、地元の人々は巡礼者をお遍路さんと呼ぶ。なお、2015年(平成27年)4月24日、文化庁により日本遺産の最初の18件の一つとして「四国遍路ー回遊型巡礼路と独自の巡礼文化」が選定された。
これにより、四国遍路八十八ヶ所に更なる注目が集まり、そしてお遍路さんも増加することが予想されるため、四国四県で特色のある木製ベンチを製作、一斉に設置することで、四国地域材の良さを幅広く普及することが出来た。そして、地域材を使った木製ベンチは寺の景観にそぐうデザインとしたため、新たな需要拡大と四国地域材の格上げや認知度向上も期待する。
対 象:
四国遍路八十八ヶ所のうち徳島県に建つ22の寺
第1番札所 竺和山 一乗院 霊山寺
事業実施により得られた効果
①徳島すぎA材を活用した魅力ある住宅部材の開発・普及
昨年に引き続き6件の魅力ある住宅に関連する部材を開発し、県産材製品のバリエーションがより一層広がったことで、これまでとは違った層の消費者に興味を持たせ、取り込んでいくことが可能となった。また、工務店や設計者も参画したことから、県産材を利用する側からの視点で商品開発を行ったため、消費者にも無理のない県産材利用推進が期待される。
②四国遍路八十八ヶ所への木製品展示
今回、四国遍路八十八ヶ所で木製ベンチを展示することにより、地域材を使った木製品が寺の景観にマッチすることが改めて分かり、寺側も県産材利用への理解を深めるきっかけ作りになった。また、今回初めて四国四県で一丸となって事業を行うことにより、単独県で事業開催するよりも遙かに大きな地域材の普及啓発効果があったと考える。
今後の課題と次年度以降の計画
前年に引き続き、開発した住宅部材は関連するイベントなどで普及する機会を出来るだけ設けていきたい。
また、八十八ヶ所への木製品展示も、協力いただいた寺には今回をきっかけに県産材利用につながる提案を行っていきたい。