平成28年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業
(一社)福岡県木材組合連合会
実施概要
Ⅰ 福岡・大川家具工業会
実施団体の説明
協同組合福岡・大川家具工業会は、内部の開発委員会を中心に、大川木材事業組合及び(一社)福岡県木材組合連合会と連携し、地域材を活用した家具製作、特に「国産早生広葉樹」による新たな家具作りの開発と普及を実施。
事業の目的
家具の産地大川では、これまで、地域材の利用拡大のために、杉を素材として技術開発や商品開発を行ってきた。
今回は、「国産早生広葉樹」の家具材としての利活用追求を目的とする。
事業内容
「国産早生広葉樹」を活用した家具づくりと普及
- (1) 本事業推進に係る商品開発
- ①九州の早生広葉樹「センダン」を利用したハイブリッド材「PLT」(Plywood Lam inated Timber)を開発。
②PLTを使用した家具及びインテリア製品の商品を九州の工務店3社とタイアップし、「復興住宅」・「地域材住宅」・「住宅リノベーション」という3つのカテゴリーに基づいたデザインの商品を製作。 - (2) 成果発表のための展示会出展
- ①制作した商品の発表を7月5日~6日に大川市で開催された「大川夏の彩展2017」にて行う。
- (3) PR用商品カタログの作成
- ①広くPRするため商品カタログを作成し、全国の工務店等住宅関連業者や関係行政機関等に配布。
事業実施により得られた効果
芯となる部分にスギ合板を用い、表面となる部分に国産早生広葉樹の「センダン」の挽板という二つの材を用いることで表面の美しさを担保しつつ、強度と寸法安定性をも確保した、針葉樹と早生広葉樹の両方を活用できる新たな材の開発に成功し、家具用材としての国産材利用推進に目処をつける事が出来た。
又、開発当初から商品の出口となる工務店とタイアップすることで、今まさに必要とされている商品と、近い将来の新しいビジネスモデルの開発ができた。
今後の課題と次年度以降の計画
「国産早生広葉樹」の家具づくりでは、今回主材料とした「センダン」直材の安定供給が現状見込めず、一部の試験林で植樹されたもののほかは、自生しているものしか供給源とならない。 これから如何に川上の事業者や行政機関などとの連携の下、早生広葉樹「センダン」の植林を増やし、15年後、20年後の安定供給へ向けての協力体制を作り上げ、木製家具産地大川として、材の供給から商品製造までの早期循環型ビジネスモデルを確立すべく活動を続けていく。
又、一般消費者や事業者、地方自治体への木材利用推進のアピールを継続的に行っていくかも課題である。
「SOUSEI」(地域材開発プロジエクト) 大川夏の彩展 参加者 1,796名(1,062社)
Ⅱ 筑豊地区木材協同組合
実施団体の説明
筑豊地区木材協同組合が取り組んでいる「国産材を伝える筑豊プロジェクト」“MOTWOOD”を中心に、事業実施体制を組織。
事業の目的
地域材の利用を拡大するための取組について、筑豊地域の山林である英彦山山系から産出されるスギを名称「英彦杉」としてブランド化を目指す。
事業内容
- (1) 地域材の住宅資材開発及びブランド化企画等のための会議の開催
- ①英彦山山系及び筑豊周辺から産出されるスギを名称付し、ブランド化し、内装用材及び外装材としてサンプルを開発。
- (2) 展示会開催
- ①地域材を使用したコンセプトハウスの展示
- (3) 消費者向けセミナー「木育のすすめ」の開催
- ①夏のあそVIVA 2017を開催。「木育」を通じて、ワークショップを行い木工工作・木育教室で《木》に触れてもらいながら木の良さを体感。
②杉岡世邦 講演会~住まいに生かす木のちから〜開催。
事業実施により得られた効果
筑豊地区木材協同組合では、 H26年度より、国産材、県産材、地域材を「もっと知ってほしい・もっと使ってほしい」とMOTWOODプロジェクト活動を継続し、一般の方々にも私たちの思いや考えなどを発信することができるようになった。
今後の課題と次年度以降の計画
「英彦杉」ブランドの認知度を高めるために地域資源の再確認や発展、連携を行い、今後の活動をさらに進めていく。
供給体制整備については、今後も継続的に意見交換会を開催し、ネットワークの構築を図り、安定した供給体制をつくる。
「英彦杉リンゴハウス」 参加者 45名
「夏のあそVIVA 2017を開催」参加者173名
Ⅲ (一社)福岡県木材組合連合会
事業内容
行政、建築・設計事務所、工務店、木材業者等と連携し、木材フオ-ラムを開催
- 「ふくおか木材フオ-ラム」
- 参加者 71名
基調講演 「木造設計アドバイザ-制度と中大規模木造建築物における地域材の活用について」