平成28年度 地域材利用の木材関係者等への支援対策事業
一般社団法人熊本県建築士事務所協会
実施概要
地域の住宅生産者による地域材利用の促進に向けた支援
①九州リモデルフェアでの周知活動開催日程:平成29年7月8日(土)・9日(日)グランメッセ熊本
来場者数:1,500名
・建築資材等の展示会(リモデルフェア)において、「くまもと型復興住宅」のモデル住宅のパネル展示、ガイドブックの配布等を行い、周知活動を行った。
②森林バスツアー
開催日程:平成29年7月22日(土)五木村
平成29年8月5日(土)南阿蘇村・久木野村
参加者数:58名
・今後、住宅の再建を予定されている被災者の皆様を対象に、住宅に使用される木材の良さを知っていただくため、森林と製材所を見学していただくバスツアーを開催した。
③神楽舞台の建設、落成式
開催日程:平成29年7月9日(日)益城町テクノ仮設団地
参加者数:60名
・県内最大の応急仮設団地である益城町の「テクノ仮設団地」に、木材の良さを知っていただきながら、地域のコミュニティ形成を支援するため、県産のスギ材を使用した木造の神楽舞台を建設し、落成式を行った。その際に、地域の子どもによる神楽も披露された。
熊本県産材を用いた「くまもと型復興住宅」の普及に向けた活動
①ホームページでの周知及び相談対応・熊本地震後で被災をされた方が出来るだけ早く住宅の再建ができるよう「くまもと型復興住宅」のホームページを開設し、39グループから提案のあった55タイプの住宅と生産者グループの名簿とその後追加申請のあった5グループ6タイプの住宅の生産者グループ計44グループ61プランを掲載し、誰でも閲覧することができるようにしている。また、くまもと型復興住宅に関する相談やガイドブック・パンフレットの送付要望などに対応している。
②被災者向け住宅再建相談会の開催
・平成29年4月以降、熊本県、熊本市、阿蘇市ほか4町村において、(独)住宅金融支援機構や熊本県地質調査業協会などと連携を図りながら、20ヶ所での住宅再建相談の対応を実施した。
また、益城町の「テクノ仮設団地」内に建設されているモデル住宅3棟でもガイドブックなどの配布と相談対応を行っている。
住宅復興・地域材利用の実態に関する情報収集
震災後の住宅需要が増加する中、人材・資材の不足等による工事が遅れ、人件費や資材価格等の高騰など、様々な問題が指摘されていることから、住宅復興に係る問題を的確に把握し、その対応方策を検討するため(株)市浦ハウジング&プランニングに業務委託し、次の実態調査を実施した。①地域住宅生産者グループの工務店・建設会社に対し、住宅の建設実績や供給状況等について四半期ごとにアンケートを実施した。
②地域住宅生産者グループの構成員で「林業・木材」及び「建材流通」に該当をする事業者に対し、木材の生産・加工・流通に関する実態調査を実施した。
事業実施により得られた効果
被災者の方々の県産木材活用に対する理解を深めることができ、同時に県産材を活用した「くまもと型復興住宅」の普及促進も図ることができた。また、地域の住宅生産者にも地域材利用した住宅再建について知識と理解を深めてもらうことができた。
今後の課題と次年度以降の計画
熊本地震後、住宅再建の需要が高まることから、材料不足となり、県産材の価格高騰や外材の流通が増加する可能性がある。このため、「林業・木材」及び「建材流通」を担う事業者と連携を図り、県産材の確保及び建材流通をスムーズに行うことが必要となる。
また、住宅再建を望む被災者に県産木材を活用した「くまもと型復興住宅」の周知活動を行うため、熊本県及び各市町村と連携を図り、相談会を開催することとしている。