一般社団法人沖縄県木材協会

平成29年度 工務店等と林業・木材加工業の連携による住宅づくり等への支援事業

一般社団法人沖縄県木材協会

事務局所在:沖縄県

実施概要

1.実施団体の説明
(1) 団体名称:一般社団法人沖縄県木材協会
(2) 団体の目的:沖縄県内の木材関係業者等で組織する団体で、木材に係る普及事業及び会員への情報提供を主な目的とする。
(3) 正会員数:33事業所 賛助会員数:11事業所
(4) 事業実施に当たり「木造住宅フェア実行委員会」を設置した。
実行委員会構成団体
一般社団法人沖縄県木材協会(実行委員会事務局)・沖縄県木造住宅推進協議会
沖縄県森林組合連合会・企業組合キンモク
アドバイザー
沖縄県農林水産部森林管理課・(株)沖縄タイムスサービスセンター
 
2.事業の目的
住宅関係の展示会として実績のある沖縄県トータルリビングショウ(昨年入場者数:約28,000人)の会場内で木造住宅関係の展示「木造住宅フェア」を行い、木造住宅の普及促進及び地域材・国産材の需要拡大を図る。
 
3.事業内容、事業結果
◆実行委員会等の開催内容
(1) 木造住宅フェア実行委員会の開催
①開催期日:1回目(平成29年8月21日)・2回目(平成30年1月24日)
②開催会場:ネストホテル那覇(那覇市) ③協議内容:事業実施内容について
(2) 沖縄県木材協会理事会の開催
①開催期日:平成29年8月3日 ②開催会場:ネストホテル那覇(那覇市)
③協議内容:事業実施内容について
(3) 木造住宅フェア出展者説明会の開催
①開催期日:平成29年9月11日 ②開催会場:ネストホテル那覇(那覇市)
◆「木造住宅フェア」~快適住宅 いやしの住まい~の開催内容
(1) 開催日時:平成29年10月20日(金)~22日(日)10:00~18:00
(2) 開催会場:沖縄コンベンションセンター展示棟(宜野湾市)
 第31回沖縄県トータルリビングショウ内展示
(3) 出展事業所数:11事業所(団体、組合、行政含む)
(4) 展示内容
①木造住宅施工業者による木造住宅普及促進のための展示
②木造住宅関連の内装材、関連資材の製造販売業者の展示
③県産材を活用した内装材及び県産材関連製品の展示
(5) 来場者数:23,994人(第31回沖縄県トータルリビングショウ主催者発表)
(6) 広報内容:新聞3社へ木造住宅フェアの開催告知を行った。
 沖縄タイムス・琉球新報・タイムス住宅新聞(以上3段カラー
(7) 開催状況:
 
(8) 出展者アンケート内容(集約)
●木造住宅関係出展者

①「木造住宅フェア」で良かった点について、ご記入ください。
ア. 多くの来場者と木造住宅を建築予定のお客様が見えていたので、効果的に弊社の
PRを行うことができた。(出展者多数の意見)
イ. 弊社の取扱商品、関連のあるプレカット、防蟻商品、積算ソフトなどを施主様、
業者様へPRできたこと。施主様が木造住宅で懸念するのはシロアリ、耐震であ
ることが再認識できたが、その部分の解決策を提案する場となったこと。
ウ. 初めての大きなイベントで、かなり知名度が上がった。弊社のコンセプトの紹介
の場として最適であった。
エ. 他社の展示様子や内容が分かった点と全体的に来場者も多く、良い宣伝効果(知
名度、イメージアップ)があった。

②「木造住宅フェア」で反省すべき点について、ご記入ください。
ア. お客様用の専用アンケートを準備し、説明手順を社内で検討すべきだった。
イ. お客様に弊社の木造住宅の良さを詳細に説明する時間がなかったこと。事前に広
報活動を行い、お客様に商品を認知させることは戦略上重要なことである。
ウ. 弊社にて見込みのお客様への周知、案内が遅れ、来場してほしいお客様が少なか
った。今後は、フェア開催時には来場へ向けた取組を実施したい。
エ. 初めての大きなイベントに参加するにあたり、展示する品物やパネル等もう少し
吟味しながら考えたらよかった。
オ. 自社パンフレットや補足資料(配布資料)等を充実させたい。

③木造住宅の普及を図るためには、どのような事業が効果的か?
ア. 木造住宅の良さを伝えるための講演会やセミナーの開催。
イ. 木造住宅の長所、短所を具体的に説明することが大事である。
ウ. 短所を徹底的に改善し、本来の木造住宅の快適性をお客様に説明すること。
沖縄という風土に適応する木造住宅の開発していく姿勢が大事である。
エ. 今回、実感したことは、「シロアリ大丈夫?」・「地震大丈夫?」と木造住宅へ悪い
イメージを持たれている来場者が多数いたことから、そこを払拭する活動も積極
的に行えば、更に木造住宅の普及が図られる。
オ. 木造住宅は地震、台風、白蟻に弱いといった欠点を最新の木造では大丈夫といっ
たアピールができるような設備があると普及すると感じます。
カ. 木造住宅の実際の建物を見てもらい(建築途中も含め)分かりやすく実際に体感
できると良いと思う。丈夫さの説明も建物の構造等を見てもらった方が理解しや
すい。
キ. 木造住宅に住んでいるかたの声をたくさん集めて発信する。

●県産木製品関係出展者

①「木造住宅フェア」で良かった点について、ご記入ください。
ア. 建築関連企業が参加しているイベントで、自社の素材をPRできた。
イ. 今回、建築設計の関係者や家造りを検討している来場者に対して県産木材につい
て普及PR出来たことは大変有意義であった。また、関係者との今後の商談に繋
がる機会もあり今後に期待したい。

②「木造住宅フェア」で反省すべき点について、ご記入ください。
ア. パンフレット等、資料をさらに充実させるべきであった。
イ. 住宅における具体的に県産木材を活用した商品の提案強化が必要と感じた。
ウ. 県産資材の施工例など、もっとイメージできる写真を準備すべきであった。

③県産木製品の普及を図るためには、どのような事業が効果的か?
ア. モデルハウス等、実物を用いたテーブルやカウンターの展示会開催及び工場や伐
採現場の見学会、環境保全の取組や加工時の品質管理等を直に伝えること。
 
◆「木造住宅セミナー」の開催内容

 (1)開催日時:平成29年10月20日(金)午後2時30分~4時30分
 (2)開催会場:沖縄コンベンションセンター会議棟(宜野湾市)
 (3)主 催:一般社団法人沖縄県木材協会
 (4)後 援:一般社団法人沖縄県建築士事務所協会
公益社団法人沖縄県建築士会
 【公益社団法人沖縄県建築士会のCPD認定(2単位)のセミナー設定】
 (5)セミナー内容
 タイトル:震度7に負けない木造住宅「耐震等級3のすすめ」
ア.よくわかる建築基準法(4号建築物の構造規定)
イ.平成28年度熊本地震現地調査報告書
ウ.最低でも耐震等級3を目指すべき、そのポイントは?
エ.重要なのは耐力壁線と水平構面の鋼性確保、その考え方とは?
オ.よくわかる床倍率
カ.耐震等級とwallstat地震被害想定との整合性
 (6)講 師:株式会社インテグラル(茨木県つくば市)
 営業企画部 チーフマネジャー 木村 良行 氏
 (7)受講者数:52名(設計士、施工業者、木材業者等)
 (8)開催状況:


 (9)参加者アンケート内容(集約)回答数40名

①出席者の業者別(複数回答有):設計業(35名)、施工業(10名)、木材業(5名)
②今後の木造住宅への事業参入について
 ア.近いうち参入する(4名)、イ.将来参入を検討(14名)
 ウ.参入しない(3名)、エ.わからない(5名)
③木造住宅が定着するための課題や普及のための事業提案(集約)
 ア.県内業者が県仕様の木造住宅仕様の提案
 イ.シロアリ対策を十分に対応すること。(3名)
 ウ.シロアリ対策、台風対策、省エネ等にも木造住宅が適していることをPRする。
 エ.木造建築の技能確立(大工育成)が必要である。
 オ.耐久性(耐震、台風、塩害、防蟻等)が総合的にRC住宅と同じレベルである
 ことをPRする。
 カ.プレカット工場の増加、大工の育成、流通コストの低減。
 

事業実施により得られた効果

1.「木造住宅フェア」開催によって得られた効果
(1) 県内の新聞社が主催する「沖縄トータルリビングショウ」は、31年の開催実績を誇る。
同イベントは、住宅建築予定者の来場が多いことから、同会場で「木造住宅フェア」を開催し消費者に木造住宅を効果的にPRすることができた。
(2) 県内では一戸建て等に占める木造住宅の比率が年々上昇しており、(平成13年:3.9%/平成28年:22.1%)この機会に知名度を有するイベントに参加できたことは県民へ木造住宅の理解を深めるとともに木造住宅の普及に期待が持てる。
(3) 県内の製材工場、林務行政との連携による県産木製品(内装材等)の展示で、関係業者及び消費者に対し県産材の良さに対する理解を深めた。
(4) 前回開催の反省を踏まえ、各出展者が出展方法に工夫を凝らして展示されていたことは大きな収穫である。
展示プレゼンの事例
 ① ブースの前面にシステムキッチンを配置することで、女性を引き付けるとともに、木造住宅の良さを説明することで、受注(2件)に繋がったとの報告を受けた。
 ② 住宅の内外装の提案に住宅用プレゼンソフトを活用し、プロジェクターで分かりやすく説明が行われていた。
 
2.「木造住宅セミナー」開催で得られた効果
(1) 住宅関連業者を対象に耐震対応等の具体的なテーマでセミナーを開催したことで、参加者の木造住宅に係る知識を深めた。
(2) 今回は、主に住宅設計者を対象に開催したことで、木造住宅に係る設計士が少ない県内で、木造住宅への関心を深めた。
(3) 住宅関連業者の知識を深めたことで、木造住宅への参入促進及び普及に期待が持てる。
(4) 受講者の木造住宅への不安材料として、シロアリ被害、台風、地震対策を指摘する意見が多く、不安解消の対策及びPRや説明が重要であることが明確になった。
 

今後の課題と次年度以降の計画

1.今後の課題について
(1) 木造住宅の建築が増加する中で、地元木材業者の参入が依然として少ない。木材業者の経営向上を図るためにも参入促進が今後の重要課題と考える。
(2) 木造住宅が定着、普及する中で、地元の施工業者及び設計士は、依然として木造住宅に対する不安(シロアリ、台風対策等)を持っていることが明確になったことから、その懸念を払拭するための対策が必要と考える。
(3) 今回の「木造住宅フェア」は、出展者から高い評価を得ているが、助成金がない場合に事業を継続できるか課題である。
 
2.次年度以降の計画について
(1) 今年度の「木造住宅フェア」は、円滑に開催され出展者の評価も高かったことから、引き続き「木造住宅フェア」を開催する。
(2) 木造住宅に対する地元の木材業者、住宅施工業者、設計事務所の理解を深めるため、引き続き木造住宅に係るテーマを設定しセミナーを開催する。