令和元年度 顔の見える木材での快適空間づくり事業
森林パートナーズ株式会社
事務局所在:東京都実施概要
事業計画
実施概要
実施団体の説明
- ①QRコードを活用したトレーサビリティシステムを有するプットフォームを提供し、新木材流通コーディネーションを行う。
- ②1次・2次・3次産業の協同により、工務店の、山元への還元を確保する原木調達を原則として、A材を用いた構造材の合理的な加工、流通、および透明な価格を実現する。
- ③都市と山元を繋ぎ、エンドユーザー(消費者)に森林の維持・再生の共感を得る活動を行う。
事業の目的
今まで取り組んできた秩父地域におけるプラットフォームについて川下側の工務店参加拡大を見据えたシステムの見直しを行い、秩父のA材の更なる付加価値向上を目指し、加えてB材、C材、D材の利用の拡大を目指す。また、自治体等と連携しながら、福岡県などの他県での同様な取り組みを展開することを目的とした。事業内容・結果
①参加工務店の増加に対応可能な、トレーサビリティシステムの再整備(バージョンアップ)を行い、新トレーサビリティーシステム「e-forester2.0」が完成した。
新トレーサビリティシステム要件定義書作成書の作成 | |
QRコードよりも情報取得の操作性に優れたICタグによる在庫管理の実証実験の様子
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「原木のスケジュール管理」機能を追加することで、原木の伐採・山土場搬入・QRコード貼り・製材所納品などのスケジュールや実施状況を全ての関係者が把握できる |
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「プレカットのスケジュール管理」の機能を追加することで、工務店の契約からプレカット材現場納品までのスケジュールや実施状況を全ての関係者が把握できる |
②プラットフォームの運営に必要なコーディネーター等の人材育成を目的とした、コーディネーションマニュアルの策定を行い、「コーディネーションマニュアル概論(全国展開基本版)」並びにその添付資料「SPウッド(素材)の選木基準」「SPウッド(製材)の選木基準」「『森林再生プラットフォーム』取引ルール(基本版)」を完成させた。
コーディネーションマニュアル概論(全国展開基本版) |
③福岡県での普及啓発イベント開催、コンサルティング、プラットフォーム構築を行い、その結果として「八女地域材サプライチェーンマネジメント推進協議会」が設立された。
八女地域材サプライチェーンマネジメント推進協議会 設立総会の様子 |
事業実施により得られた効果
- ①トレーサビリティシステムをバージョンアップすることで、既存システムではデータ入力の簡素化、在庫管理の合理化、並びに「原木のスケジュール管理」「プレカットのスケジュール管理」による合理的な木材流通の構築、といった効果が得られた。
- ②コーディネーションマニュアル概論(全国展開基本版)を作成することで、全国各地で同じような事業に取り組む関係者向けのコーディネーター人材育成に資することが可能になった。
- ③「八女地域材サプライチェーンマネジメント推進協議会」が設立され、第2段階のプラットフォーム試行、第3段階のプラットフォーム本格運営、そして最終段階である自立事業家への足掛かりができた。
今後の課題と次年度以降の計画
- ①ICタグの導入を進めデータ入力の簡略化・自動化を目指す。また、システムの更なるバージョンアップと製材所等でのICタグ自動貼付け・製材データ等の自動読み取りデバイズの開発導入をする。
- ②自立したプラットフォーム事業の全国展開の実行期として、各地での山元・製材所・プレカット工場・工務店の連携による6次産業化への課題抽出・形成実現と、プラットフォーム構築、試行、本格展開、自立事業化を進めて行く。
- ③東京農業大学との共同研究で、各地での6次産業化と、山元への価値還元、消費者への価値訴求の検証を行って行く。特に出口と繋がった林業経営を実現するには、最も川下の消費者への価値訴求が重要になってくる。