家具

平成26年度 木造住宅等地域材利用拡大事業

株式会社文祥堂

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実施概要

森林組合、製材所、家具メーカー、デザイナー、スペシャリストと連携し、地域材を利用した家具を14製品、デザイン・設計、試作した。完成した家具のデザイン・設計書、製造方法をオープンソースにし、ホームページ上で図面データ等をダウンロードできるようにした。(※ただし、国産材を利用する場合に限定する。)個人・法人問わず、誰でも地域材の家具を製作、販売できるしくみを作り上げた。

得られた効果

本事業で14製品のオープンソースの家具が誕生した。これまで最終製品が作れなかったような地域でも、地域材の家具という最終製品が作って売れるようになるしくみができた。

今後の課題

プロジェクトを完了し、今後の課題として下記が挙げられる。

①製材所へのエンパワー

今回、プロジェクトのスタート時には、このプロジェクトにより、各地域の製材所が最終製品を作れるようになるのではないかという仮説を立てていたが、関係各所へのヒヤリングの結果、設備や顧客との接点がない等の問題から、難しいのではないかという結論に至った。しかしながらこの10年で製材所が激減してしまったのは、製材所で付けられる付加価値の量が少ないということが原因の一つであり、製材所へのエンパワーは今後の重要課題として取り組むべきだと考える。

②品質のコントロール

オープンソースであるがゆえに、品質のコントロールは非常に難しい。今回、試作してみて理想と違った部分に関しては図面に指示を明記するなど、各工場のレベルを問わず実現できるような仕組みを目指したい。

③地域とのコラボレーション

もっと密に協定自治体の製材所や森林組合と連携をとりたかったが、通常業務が忙しい製材所に対して、結果や利益が約束されないプロジェクトで負荷をかけることにためらいを感じてしまった。今後、こうしたプロジェクトが具体的な結果や利益を生んでいくことが、地域とのコラボレーションが加速する一番の燃料になると考える。

④作れる会社、人を増やすこと

地域材を使った家具はまだまだ一般的であるとはいえない。今回、図面をオープンソースにするところまではたどり着いたが、今後このオープンソースの図面を使って様々な空間を作るような内装設計施工会社が増える必要がある。広報面にもっと力を入れるべきだと考える。

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