平成26年度 木造住宅等地域材利用拡大事業
秋田県木材産業協同組合連合会
実施概要
1 目的
木材の最大の需要先である戸建て住宅の着工数の減少による木材需要の冷え込みが懸念される状況に鑑み、木造住宅を中心に地域材の利用拡大を図るため、林野庁補助事業により住宅生産の担い手である工務店、建築士・設計事務所、林業・木材産業関係事業者、建材流通事業者等と連携しつつ、モデル的な住宅の提案募集等の取組を行った。2 個別事業の実施状況
(1)秋田県の気候風土や住文化と調和したモデル住宅(木造住宅)の提案募集及び作品集の刊行
- 23点の応募があり、最優秀賞を含む7点を決定し表彰式を開催
- 応募作品23点の作品集を1,200部刊行し、関係機関・団体に配布
(2)地域材利活用キャンペーンの展開
- 県内3地区(県北、県央、県南)で、木造住宅をはじめ、木に対する親しみや木の文化への理解を深めさせる機会を創出するイベントを開催
- 新聞への広告掲載、テレビCMの放映
地元紙秋田魁新聞への広告掲載とともに、秋田放送及び秋田朝日放送でイベントCM(15秒スポット)を計63回放映 - 秋田魁新聞フリーペーパー(マリ・マリ)への記事掲載
秋田スギや木造住宅をテーマとし紙面大学(秋田スギ学部)として、県産材の魅力を発信する記事を掲載した。
第1回 生産者の立場からの林業事業体のインタビュー
第2回 学問・研究の立場から県立大准教授のインタビュー
第3回 製材供給の立場から製材会社のインタビュー
第4回 製造・販売の立場からの木製家具企業のインタビュー
※各回とも県産材を使用した住宅施工事例などを紹介 - テレビ番組の放映
お笑いタレント「スギちゃん」が秋田林業大学校に入学し、林業を学んだ後、県産材を使用した木造住宅の魅力の紹介等を行い、卒業する「スギちゃんゼミ」(全12講)を放映
第1講 秋田林業大学校に入学し、植樹などを体験
第2講 秋田駅西口バスターミナル、国際教養大図書館の紹介
第3講 原木市場の見学、入札の様子の紹介など
第4講 秋田スギの製材品等の紹介、製材工場見学など
第5講 県南部の木造住宅等イベント会場の風景
第6講 組立式和室の紹介
第7講 秋田スギ使用の住宅、秋田スギ使用の建設中の住宅の紹介
第8講 不燃建材(秋田スギの合板)の研究
第9講 秋田スギの新素材の研究
第10講 秋田スギの魅力(木造住宅の訪問)
第11講 日本一の秋田スギ(旧料亭、小学校、天然秋田杉の紹介)
第12講 卒業(スギちゃんゼミ総集編)
(3)地域材を利用した住宅等の「優良事例集」の作成
- 建築関係団体等の協力を得て県内3地区(県北、県央、県南)の優良住宅の候補事例調査を実施し、選定委員会で審査し、37優良事例を決定
- 37事例の優良事例集を1,300部刊行し、関係機関・団体に配布
得られた効果
- 地域材キャンペーンの実施に当たっては、秋田県木造住宅等地域材利用拡大事業推進協議会の協力・支援を得ながら、地元新聞社・テレビ局とのタイアップにより、年度上半期に切れ目のない活動を展開したことにより、地域材の利活用や森林づくりに対する県民の理解を醸成できたものと考えられる。
- モデル住宅提案募集の実施においては、学生を対象としたことから、木材を利用した建築物に携わる若年設計者育成の一助となった。
- これらの事業展開により、木造住宅の良さ、木材の優れた特性、木材利用の意義などを広く訴え、地域材の一層の需要拡大に貢献できたと考えられる。
今後の課題
木材の利用は、快適で健康的な住環境等に寄与するのみならず、地球温暖化の防止、森林の多面的機能の持続的な発揮及び地域経済の活性化にも貢献することから、木材需要の太宗を占める住宅の建築用材の需要が極めて重要である。- 今後も引き続き木造住宅の優位性(断熱性、調湿性、抗菌性等)を訴えていく取組が必要である。
- 子どもから大人まで、木材や木製品のふれあいを通じて木への親しみや木の文化への理解を深めさせ、木材の良さや利用の意義を学んでもらう、いわゆる「木育」への取組が必要である。
- 木造住宅をはじめとする建築物への木材利用を推進していくためには、木造建築物の設計を行う技術者等の育成を図っていくことが必要である。
- 地域材等の利用・購入に対してポイントを付与し県産品と交換できる秋田県版の木材利用ポイント事業(ウッドファーストあきた木材利用ポイント事業)を平成27年度に引き続き実施し、木材の利用拡大を推進することにしている。この事業を通じて、木材の利用が森林の整備・保全、地域の活性化につながることなどの普及啓発にもつながっている。
記録写真
- 県内3地区でのイベント開催
- キャンペーンキャラクターとのトーク風景
- フリーペーパー「マリ・マリ」への記事掲載
- 優良事例集等の作成